許せない!日本海の烏賊を獲り尽くす北朝鮮 止まらない”イカさま”密漁の実態

カテゴリ:ワールド

  • 美味しいスルメイカ漁の季節 日本海は北朝鮮の漁船で埋め尽くされている
  • 日本海沿岸の地域経済は町が崩壊するほどの打撃
  • 軍から燃料を与えられ強制的に海域に送りだされている可能性

北の漁船で埋め尽くされた「大和堆」と「武蔵堆」

11月に入り、日本海ではスルメイカ漁の季節を迎えた。

日本海には、能登半島の西方沖の「大和堆」と北海道の西方沖の「武蔵堆」という多様な魚が集まる海域がある。日本海の水深は、平均約1,750メートルと深いが、この二つの海域は、海底が台地状に隆起し浅くなっている。そのため、海底から湧き上がる海流・湧昇流が起き、魚の餌となるプランクトンを運ぶため、好漁場となっているのだ。イカの漁期になると、この海域には九州から北海道までのイカ釣り漁船が結集する。しかし、今年の秋の漁獲期は、大和堆、武蔵堆、ともに北朝鮮の漁船で埋め尽くされている。両海域共に、日本の許可無くしては漁ができない排他的経済水域内であり、本来、北朝鮮漁船が網を入れることは許されないのだ。

不法操業を繰り返す中国と北朝鮮の船

日本周辺海域に現れた中国の船

この数年、大和堆の海域には中国や北朝鮮の漁船が押し寄せ、不法操業を繰り返して来た。北朝鮮は、沿岸での漁業権を中国企業に売却しているため、沿岸の漁場は中国船に占領されている。北朝鮮漁船は、新たな漁場を求め、日本の海域まで遠征してきたのだ。

北の船が「EEZ」内に侵入することを想定して行われた海上保安庁による放水訓練

大和堆に押し寄せる北朝鮮漁船に対し、海上保安庁の巡視船は、放水銃を使い漁船に海水を浴びせ、排他的経済水域内への侵入を阻止した。昨年、海保と水産庁が警告した北朝鮮漁船は、延べ8000隻を超えている。今年5月下旬から8月下旬にかけて、大和堆海域で海上保安庁から退去勧告された北朝鮮漁船は、延べ1085隻にのぼる。水産庁の漁業取締船も同様な警戒活動をおこなっている。

しかし、秋の漁獲期を迎えると、再び1000隻ほどの北朝鮮漁船団が大和堆に姿を現した。しかも、海保の放水銃に対処するために、鋼鉄でできた船を前線に並べて、海保の警戒に割り込むように突入してきたのだ。

さらに、大和堆の西側海域から北海道沖の武蔵堆まで広範囲にわたり、同時に北朝鮮漁船が姿を現した。北海道の漁師も漁場から締め出され、悲鳴を上げているのだ。

日本海沿岸の地域経済が打撃

北朝鮮から漂着した船

北朝鮮漁船の大きさは、数百トンクラスの鋼鉄船から5トン未満の木造船まで、まちまちで、国内の漁船を総動員しているかのようだ。あまりにも広い海域で漁船の侵入が始まったため、海上保安庁の警戒網をすり抜けられてしまった。そして、日本の漁民は大和堆から武蔵堆に連なる日本海の漁場を奪われたのである。日本海沿岸地域の経済は、町が崩壊するほどの打撃を受けているのだ。

北朝鮮は、国連安全保障理事会の制裁決議の影響で、深刻な石油不足に陥っている。漁船は、自由に燃料を使うことはできないはずなのだ。しかし、北朝鮮から北海道沖まで1000キロほど離れている海域を、大量の燃料を消費しながら出漁している。燃料を管理しているのは、軍部である。

昨年、大和堆海域において水産庁の漁業取締船が、北朝鮮漁船団から銃口を向けられた。さらに、日本製の高性能レーダーを搭載している船もある。軍部が、中国経由で購入したものであろう。昨年11月、北海道の松前小島に上陸し、窃盗事件を起こした北朝鮮漁船は軍の管理下に置かれている船で、乗員も船員手帳に軍籍であることが記載されていた。

軍と政府の指示で漁に出る北の漁民

北朝鮮の漁船には、冷蔵設備がないため、獲ったイカは船上で「一夜干し」に加工し、干しながら北朝鮮へと帰港する。北朝鮮漁船の映像から干してあるイカの量を確認したところ、多い船でも800匹ほどである。これでは燃料代にもならないだろう。ましてや、人件費など支払う余裕は無い。北朝鮮の密漁船団は、軍により燃料を与えられた漁民が、半ば強制的に軍により指示された海域に送りだされているようだ。北朝鮮政府と軍部は、燃料費も国持ち、人件費はタダの漁を行い、日本のイカを奪い取っているのである。

昨年、104隻の北朝鮮漁船が日本の沿岸に漂着した。今年は、さらに多くの漁船が漂着し、11月中旬にすでに昨年を上回る105隻が流れ着いている。その内、5隻の中に12名の遺体が見つかっている。イカは大量にとって乾燥させておけば保存食になる。北朝鮮は、日本海中のイカを獲り尽くしてしまう勢いだ。漁民は、イカのために命を懸けて荒れた日本海に出漁しているのだ。
しかし、残り100隻の漂着船の中には、遺体は無く、また、生存者も見つかっていない。

イカ漁を隠れ蓑にして日本上陸

9月に青森県中泊町に漂着した船

今年、9月に青森に流れ着いた北朝鮮漁船を調べたところ、エンジンが取り外されエンジンルームが居住空間に改造されていた。昨年来、出漁前からエンジンとスクリュウが取り外されていた漁船が、数多く漂着している。それらの船からは、遺体は発見されていない。また、船の中から革靴やジャケットが発見された事例もあり、日本国内に北朝鮮人が上陸している可能性も高い。漂着船の数からすると、100人規模の密入国者がいてもおかしくは無い。

北朝鮮は、イカ漁を隠れ蓑にして、日本への上陸を企てていると考えられる。今までの北朝鮮の行動から、覚せい剤の密輸やスパイ活動などが懸念される。

日本海の全域に姿を現す北朝鮮漁船対策を根本的に見直さなければならない。すでに、海保、水産庁の対応は限界に達している。漁業者の力も借りて、海の安全を守る体制が必要なのである。

(執筆:海洋経済学者 山田吉彦)