最重要州全敗の大ショック!トランプ再選に赤信号点滅

カテゴリ:ワールド

  • 2年前に大統領選で勝った民主党議席州では3勝6敗1未定
  • トランプ当選を決定づけた3州すべてで惨敗
  • 赤信号点滅でも「一対一の戦い」なら自信あり

「引き分け」だったのか?

アメリカ中間選挙は「引き分け」だったのだろうか? 上院は共和党が過半数を維持し議席数を積み上げる見込みで、下院は民主党が奪還したが大勝ではないから‥というのが「引き分け」の理由だそうだが、それは数字を見れば誰にでも言えること。もう一歩二歩、踏み込んで分析すると、2020年の大統領選でトランプ大統領が再選されるのかどうか見えてくる。

2年前に大統領選で勝った10州の結果は?

共和党が勝ったとみなされている上院議員選に着目する。改選議席数(補選2を含め全35)のうち民主党が保有するのは26、共和党は9なので、民主党にとっては26勝9敗であっても現状勢力の49対51(=過半数に届かない)をようやく維持という厳しさだ。しかも、民主党が議席を保有している26の州の内、10の州ではトランプ氏が2年前の大統領選でヒラリー・クリントン氏を破っている。その10州での戦いは、民主党にとってとりわけ難しいものになると投票前から指摘されていた。

それでは、その10州での勝敗はどうなったのか?
民主党は6勝3敗1未決(フロリダ州)だ。
トランプ大統領の立場から言えば、最大で10戦4勝。負け越し確定である。

3つの激戦州で共和党全敗

それだけではない。トランプ大統領にとってもっと悪い結果があるのだ。
それは2年前にトランプ大統領誕生を決定づけたとされる3つの激戦州で共和党が全敗したことだ。
その3州はミシガン、ペンシルベニア、ウィスコンシンで、トランプ氏はそれぞれの州で0.2ポイント、0.7ポイント、0.8ポイントの僅差でヒラリー氏を破った。その結果、3州で46人(夫々16、20、10)の大統領選挙人を獲得し、過半数の271人を超えて305人とした。あくまでも IF の話だが、この3州でヒラリー氏が勝っていれば、大統領選挙人の獲得数が273人となり、ヒラリー大統領の誕生だったのだ。3州合計の票差は79,646票でしかなかった。

もつれようもない負け

では、中間選挙(上院)でこの3州の共和党の負けっぷりはどうだったかというと、ミシガン州6ポイント差、ペンシルベニア州13ポイント差、ウィスコンシン州10ポイント差の負けだった。もつれようもない負けである。

2016年大統領選でトランプ氏は、東海岸や西海岸の民主党の牙城地域は最初から顧みず、いわゆるスイング・ステイツと言われる勝てる見込みがある州だけを選り分けた上で、それらの州の白人労働者層にターゲットを絞った「選択と集中」型選挙活動で、まさか!の勝利を収めた。その鍵となったこれら3つの州は、2020年の再選選挙では絶対に負けられない州だ。だからこそ、大統領にとって赤信号点滅のバッド・ニュースなのだ。

赤信号点滅でも「一対一の戦い」なら自信あり

2017年1月 大統領就任式

とは言え、大統領はポジティブ・シンキングの人。「負けたのは共和党であってトランプじゃない!」と思っていることだろう。
あるいは「2年前はトランプかヒラリーかの二者択一だった。今回はトランプはYESかNOかという相手のいない選択。2020年はまたトランプかXかの戦いだ。それなら俺は誰が相手となっても負けない!」と考えているに違いない。

選挙資金は着々と貯め込み中。民主党側にスター候補者が見当たらない事情もトランプ大統領にはプラスだ。
恐怖と不満をあおり分断を深めるトランプ流は、支持層が広がらないという決定的な欠陥がある。しかし、2016年大統領選の成功体験は、小さくても固い支持層にこぞって投票してもらえば、大きいがゆるい支持層の民主党候補を凌駕できるということ。僅差であっても勝ちは勝ちだ!

赤信号が点滅しようが、トランプ流を貫く。再選をねらう大統領のデスクにはプランAしか置かれていない。

(執筆:フジテレビ 解説委員 風間晋)

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