ディズニーに対し「過重労働」と「パワハラ」訴訟…“夢の国”で何が?

カテゴリ:国内

  • 契約社員の女性2人が約755万円の損害賠償求め提訴
  • Aさん「声をあげることが恩返しになると信じたい」
  • Bさん「ディズニーが悪いわけではありません」

東京ディズニーランドなどを運営するオリエンタルランドに対し、契約社員の女性2人が従業員への安全配慮の義務を怠ったとして、約755万円の損害賠償を求めて提訴。13日に第一回口頭弁論が千葉地裁で開かれた。

契約社員の女性2人は、キャラクターのコスチュームを着てショーなどに出演していた。

「長く守ってきた人々の夢を壊した…」

今回、訴訟を起こした女性2人の主張を見ていく。

29歳の原告女性Aさんの主張は「過重労働」。

訴状などによると、Aさんは重さ10キロから30キロのキャラクターコスチュームを着て、1回約45分のショーやパレードに出演。

大きな動きを求められ、2016年11月の出演回数は22回、12月は28回とその前の2カ月に比べて倍以上だったという。その翌月Aさんは、コスチュームの重さで神経が圧迫され、肩から腕に痛みが出る「胸郭出口症候群」を発症。

2017年8月に労災が認定され、現在は仕事を休んでいる。

Aさんは「『守秘義務』として労災と認定されるまで、医師に業務内容を話すことも止められていました。私以外にもケガをしている人はいます。私は“出演者”という業務があることを外に出し、長く守ってきた人々の夢を壊したとされ、現場に戻ることは難しいと思っています」と震える声で明かした。

また、「皆さんに愛され求められる業務が、少しでも長く働き続けられる環境に変わることを願い、声を上げることが恩返しになると信じたいです」と主張した。

「複数の上司などから約5年間パワハラ被害」と訴え

38歳の原告女性Bさんの主張は「パワハラ被害」。

きっかけは2013年、Bさんが男性客から右手薬指を故意につかまれ、負傷したこと。

警察への被害届や労災申請を上司に相談したところ、「エンターなんだから、それくらい我慢しなきゃ」や「君は心が弱い」などと言われたという。

また、飲み会の席で上司のマネージャーに「楽屋でぜんそくが出る」と相談した際には「病気なのか、それなら死んでしまえ」や「30歳以上のババアはいらねえんだよ、辞めちまえ」と言われたといい、Bさんは「一番つらかった言葉」と話した。

他にも「俺の前に汚ねえ面見せるな」や「お前は来期、ディズニーシーに異動かな」などと、多くの仲間の前で暴言を受けたと主張した。

こうしたパワハラ被害は、複数の上司などから約5年間続き、Bさんは心療内科に通院することを余儀なくされたという。

Bさんは「何度上司に相談しても変わらず、相談することにより、逆にひどくなっていくいじめ。現在も続いているいじめをなくし、安心して働ける職場になってほしいと願い、今回の裁判に踏み切りました」と涙ながらに明かした。

また、「ゲストが第一なので、自分さえ我慢していればゲストの夢を壊さないという気持ちだけでやってきました。ディズニーが悪いわけではありません」と訴えた。

ディスニー出演者になるには何回もオーディションを…

オリエンタルランドによると正社員は約3000人で、ショーの出演者やガイドなどの契約社員は約2万人に上るといい、2017年4月には出演者の処遇の見直しと時給の改定を行っている。

訴訟についてオリエンタルランドは「ゲストの皆様をはじめとする日頃より当社を支えて下さるすべての皆様に対し、ご心配をおかけしておりますことをお詫び申し上げます。現在、訴状に関する事実関係の調査等に真摯に取り組んでおり、当社の見解につきましては、今後の訴訟手続きにおいて主張してまいります」としている。

テーマパークの労働問題に詳しい、東京経営短期大学の中島恵専門講師は「ディズニーの出演者になるのはとても難しいです。オーディションを何回も何回も受けて、受かる方が多いそうです。苦労してようやくつかんだ職ですからモチベーションが高いと思います」と話した。

オリエンタルランドは、「キャストへの日常的なサポート体制を引き続き整え、ゲストの皆様の体験価値の向上に努めてまいります」とコメントしている。

(「めざましテレビ」11月14日放送分より)

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