40代の半数が寄生されている「まつ毛ダニ」。症状は?予防法は?眼科医に聞いた

カテゴリ:暮らし

  • 「まつ毛ダニ」とは、人のまつ毛に寄生するダニ
  • 40代は5割、70歳を超えると8割が寄生されている
  • 眼科医「一般的には無害だが増えすぎるとよくない」

人のまつ毛に寄生するダニ

まつ毛に寄生する「まつ毛ダニ」というダニをご存じだろうか。

ある調査によると、40代では5割、70歳を超えると約8割の人に寄生しているという。

この「まつ毛ダニ」、一体どのようなダニで、人の体にどのような害をもたらすのか?

筑波大学医学医療系眼科の加治優一准教授に話を聞いた。

――「まつ毛ダニ」って、どんなダニ?

人の皮膚に寄生する「ニキビダニ」の仲間で、人の毛根、特にまつ毛に寄生するダニです。

提供:筑波大学・加治優一准教授

家のホコリの中に住んでいるダニや、動物の皮膚に寄生しているダニとは異なります。

まつ毛を抜くと、まつ毛ダニの雄や雌だけではなく、卵なども観察され、まつ毛の中で生活していることがよくわかります。

写真を見てみると、根元の透明な部分が毛根で、そのまわりにボコボコついているのがまつ毛ダニだという。
加治准教授にご提供いただいた動画を見ると、まつ毛ダニが動いている姿を確認することができる。

無害だが増えすぎるとよくない

――「まつ毛ダニ」は有害?

年齢を重ねるとともに、まつ毛ダニを持っている人は増えてきますが、一般的にはダニに寄生されていても無害と考えられています。

ただ、肌荒れのひどい方などは、ダニが異常に増えている場合があるために、ダニが増えすぎることはあまりよくないと考える人もいます。


――まつ毛ダニに寄生させると、どのような症状が現れる?

多くの場合、無症状です。

ただ、ダニの数が多くなると、まぶたがただれたり、ごろごろしたり、充血がおさまらなかったりします。

ダニが“多い少ない”の見極めは難しいのですが、子供のまつ毛を3本くらい抜いて、複数のダニがいたら、正常ではないと考えます。

ご高齢の患者さんのまつ毛を3本くらい抜いて、ダニが2匹までなら、正常範囲と見なします。

40代は5割、70歳を超えると8割が寄生されている

提供:筑波大学・加治優一准教授

――どのぐらいの年代の人に寄生する?

過去にNornという先生が論文にされていて、まつ毛を全部抜いて、1匹でもダニがいる確率は40歳代で50%、70歳を超えると80%ぐらいの方にダニがいるといいます。


――寄生されやすい人の特徴は?

まぶたがただれている人、ステロイドホルモン製剤(まぶたのただれを治すために眼科や皮膚科から処方されている)を長期間使っている人、肌荒れが治らない人などの特徴があります。

――男性と女性、どちらの方が寄生されやすい?

男性より女性の方が、寄生率が高いと言われていますが、年齢とともに寄生率が高まることは共通しています。

――まつ毛ダニが多い季節、時期、気候などはある?

あまり関係ありません。

予防法と治療法は…

提供:筑波大学・加治優一准教授

――まつ毛ダニを増やさないための予防法は?

まつ毛ダニは、少数であれば、誰のまつ毛にもいると言っても過言ではありません。

まつ毛ダニの数が多い人は、何かきっかけとなることをしていないか、考えてみても良いでしょう。

たとえば、「顔を洗わない」、「強い薬を目の周りにつけすぎる」、「顔を何度も強い石けんで洗いすぎる」、「目をこすりすぎる」などです。


――まつ毛ダニが増えてしまった場合の治療法は?

悪化因子を取り除くことが第一で、目の周りを1日1回、きれいに洗浄することも有効と言われています。

「Tea tree oil」という エッセンシャルオイルを希釈(化粧品用のオイルなどに加えて薄めること)して、まつ毛の周りに塗ることも海外では行われていることもありますが、日本で治療を行っている施設は限られています。


40代は半数、70歳を超えると8割が寄生されているという「まつ毛ダニ」。
無害ではあるが、増えすぎるとよくないということなので、目元を清潔に保つことが重要なようだ。