中間選挙 日本への影響は?もし議会がねじれたら…

  • 米大統領の任期である4年間の中間に行われ、任期前半の評価を問う
  • 下院では民主党が優勢、“ねじれ議会”になる可能性
  • 仮に“ねじれ”となった場合、米大統領が持っている切り札は…

トランプ大統領を評価する“中間テスト”

いよいよ日本時間6日夜、投票が始まるアメリカの中間選挙。
だが、そもそも「中間選挙」とは何なのだろうか?アメリカ政治に詳しい、上智大学の前嶋教授に伺ってみた。

上智大学・前嶋和弘教授:
中間選挙とは大統領選挙と大統領選挙の真ん中にある年に行われる議会選挙で、大統領の過去2年の政策をもう一回判断する、“大統領の中間テスト”のような位置づけもある。

アメリカの連邦議会では、2年に一度選挙が行われ、任期6年の上院では100議席のうち「1/3」が、任期2年の下院では「435議席すべて」が改選される。

この中で、大統領の任期4年の中間の年に行われる選挙が、「中間選挙」と呼ばれ、今回は“トランプ政権の任期前半の評価を問う”重要な選挙だ。街の人に聞いてみると、今回の選挙結果が与える日本への影響を、心配する声も聞こえてきた。

60代男性A:
(トランプ大統領は)負けるんじゃないですかね、日本が巻き込まれないようにしてほしいですね

60代男性B:
ねじれたらいいんじゃないですか。ちょっとブレーキがかかって

日米の違いと「ねじれ」の可能性

そもそもアメリカは、国民が直接リーダーを選ぶ「大統領制」で、議会が総理大臣を選ぶ日本の「議員内閣制」とは違う。大統領には法案を提出する権利はないが、大統領の政党が議会の多数を占めることで、政策が実現しやすくなる。

現在のアメリカがまさにこの状態で、上院・下院ともにトランプ大統領の与党・共和党が過半数を握っている。

こうした中、中間選挙の最大の焦点は、共和党が上下両院で過半数を維持できるかどうか。最新の情勢分析では、下院で民主党が優勢とみられており、「ねじれ議会」となる可能性がある。

前嶋教授:
民主党に多数派を奪われたとすると、大統領の政策が一気に止まるんですよね。だからトランプ大統領にとって大きな選挙ですよね。


実際に、アメリカの中間選挙で「ねじれ」が起きた場合、トランプ大統領はどうなってしまうのだろうか。街からは、2年後の再選が厳しくなるのでは?との意見も聞こえた。

過去の米大統領の「中間選挙結果」

1992年に誕生した民主党のクリントン大統領。1期目の中間選挙では、上下両院ともに共和党が過半数を取り、大統領と議会との関係が“ねじれ”たが、2年後の大統領選では勝利している。

2008年には、民主党からオバマ大統領が誕生。こちらも、2年後の中間選挙では下院で共和党に敗れ、やはり“ねじれ”となった。しかし、このケースでも2期目の大統領選では勝利している。

アメリカの選挙事情に詳しい、明治大学の海野教授に、中間選挙と再選の関係について話を伺ってみた。
 
明治大学・海野素央教授:
基本的には「中間選挙」と「大統領選挙」は“別物”と言われている。中間選挙を落としても、再選は可能ということです。

米大統領の切り札「大統領令」

さらにもう1つ、議会が“ねじれ”となっても、アメリカの大統領には強力な武器「大統領令」がある。議会の承認なく政策を実行できる大統領令。就任直後からトランプ大統領は「メキシコとの国境への壁の建設」や「TPP離脱」など、数々の大統領令に署名してきた。

海野教授:
仮に今回、民主党が下院を取った場合、議会を通さないで自分の思い通りにやりたい、政策を実現したい。そこで大統領令をたくさん切ることになります。(中間選挙でねじれた場合)トランプ大統領は、国内の民主党下院対策に時間を取られることになる。北朝鮮に対する時間やエネルギーを費やす、それが少なくなってくるということです。
 
その一方で前嶋教授は、国内で身動きがとれなくなることで、逆に貿易面などで日本に圧力をかけてくる可能性を指摘している。

前嶋教授:
トランプさんが内政で動けないのなら、逆に得点を稼ぐために、自分がより動きやすい外交で動いてくる可能性もあります。たとえば日本のTAG(日米物品貿易協定)交渉もより具体的な成果をあげられるように、強く望んでくるかもしれません。

日本時間6日20時から投票が始まり、7日午後には大勢が判明するものとみられている、アメリカの中間選挙。上院は共和党が過半数を維持、下院では共和党と民主党の接戦が予想されている。

(「プライムニュース イブニング」11月6日放送分より)

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