「女優は化け物」生涯独身を貫いた女優・江波杏子さんが語った恋愛の価値観

  • 転機は映画『女の賭場』。シリーズ化され看板女優に
  • 「長期の喫煙」は肺気腫となる主な要因。やめても元の状態には戻らない
  • 「女優は化け物」恋愛による不幸や悲しみも芝居に生かす

母親役から賭博師まで幅広い役柄を演じてきた女優・江波杏子さんが、先月27日に肺気腫のため亡くなっていたことがわかった。76歳だった。

亡くなる5日前にも、ラジオドラマの収録に参加し、今後の出演作について、スタッフとミーティングも重ねていたという。

初主演作の映画が転機に

1959年、江波さんは女優だった母親の後を追う形で大映に入社。

その翌年、市川崑監督の映画『おとうと』で映画デビューを果たす。

日本人離れした顔立ちが印象的だった江波さんは、デビューから数年はヒロインを引き立てる悪女役が多かったという。

転機となったのは、1966年で初めての主演作となった映画『女の賭場』。

当初、主役を務めるはずだった女優が怪我をしたため、急きょ指名されたのが江波さんだった。

父親の敵をとるため、復讐に燃える女賭博師を好演し、注目を集めると、「女賭博師」がシリーズ化。作品が17本作られるなど、大映の看板女優に成長した。

女優としてブレイクをすると、活動の場を歌手にも広げた。

さらに、昭和の文豪・三島由紀夫の写真集では、抜群のスタイルを生かして、モデルとして大胆なグラビアも披露している。

かなりの愛煙家だった

プライベートではかなりの愛煙家だったという江波さんについてサンケイスポーツ・山内倫貴さんは「若いころから麻雀が非常にお好きで、麻雀をしながら仲間とたばこを吸う、愛煙家だったというような話は聞いています。肺気腫を患ったのは60代ということで体のことを考えて禁煙なさったようです」と話した。

肺気腫とは、肺の組織が壊され、息切れや呼吸困難といった症状が出る病気。

主な原因は長期の喫煙と言われ、たばこをやめても元の状態には戻らないという。

アースクリニック池袋・根岸亮院長は「肺気腫は喫煙歴が長ければ長いほど発症しやすく、あとは加齢による肺機能の低下により症状が悪くなるという形だと思います」と話した。

恋愛による不幸や悲しみも芝居に生かす

亡くなる直前まで仕事をこなしていた江波さんは、近年では『大奥』や『ごくせん』、NHKの連続テレビ小説など数多くの映画やドラマに出演する名バイプレーヤーだった。

生涯独身を貫き、最期は弟に看取られて息を引き取ったという江波さんは、過去に出演した番組『ボクらの時代』(2013年10月27日放送)で自身の結婚観について語っていた。

江波さんは「パートナーはほしい!でも面倒くさいわね。はっきり言って自分の“さみしいわ、こういう時に誰かいてくれたらいいな”と思うときだけいてくれればいいけど…」と明かしている。

独身を貫く一方で恋愛については「好きになったり、別れるということは、そこに不幸があったり悲しみがあったりするわけでしょ。それは私たちの場合、悲しいかな、全部“栄養”にしていただいているの。業の深い職業だと思いますよ。職業と言うなら。そして、それを芝居に使用するわよね。その時の感覚を。そういうものなのよ、女優ってのは。化け物よ、普通じゃないわ」と女優としての独特の価値観を披露した。

また、江波さんは女優業を全うする自身の人生について「“孤独だな”とほんっとに思うことがある!ここにいる私が私しかいないんだわって。“ちりだわ、ちり”って思うことがある。寂しいと思うと同時にこれってすごく至福と思う!こんな自由ってないじゃないですか」と表現した。

所属事務所によると江波さんの葬儀は先週金曜日に近親者のみで執り行われたという。

(「めざましテレビ」11月5日放送分より)

めざましテレビの他の記事