中国は信用できる?安倍首相訪中を“熱烈歓迎”…なぜ日本へ歩み寄ってきたのか

  • 安倍首相訪中を中国が“熱烈歓迎”…なぜ?
  • 中国が欲しいのは「日本の信用度」か
  • “米中貿易戦争”で窮地に立たされている中国の内情

日中関係が“新たな時代”?中国歩み寄りのワケ

日本の総理大臣として7年ぶりに中国を公式訪問した安倍総理大臣。
李克強首相との26日の会談では、日中関係が“新たな時代”に向かっていると宣言した。

2010年の尖閣諸島漁船衝突事件以来、“反日”ムードの強まりとともに日中関係は悪化。
この状況で、“新たな時代”は築けるのか?

街の人からは「いろいろ過去にあるから、はいチャンチャンというわけにはいかないと思う」「中国がとても親切で優しくて善意に満ちてやってくれるとは、日本人は誰も思ってないでしょう」という声が聞かれた。

そうした中で、中国を訪問した安倍総理を、現地の人々は“熱烈歓迎”。
一体なぜ中国は、このタイミングで日本へ歩み寄ってきたのか。

その答えは、今回、日中が合意した内容の中に隠されていた。

中国が欲しいのは「日本の信用度」か

まず、経済面で合意したのが、『日中通貨スワップ』
通貨スワップとは、日中両国の中央銀行が、円と人民元を、緊急時に融通しあえる仕組みだ。

もし、中国でシステムトラブルなどが起こり、元が引き出せなくなった場合に、あらかじめ取り決めた為替レートで中国国内の日本の銀行に資金を供給できるメリットがある。

この合意について、中国事情に詳しい神田外語大学の興梠一郎教授は、「(中国が欲しいのは)日本の信用度、金融的な信用度、経済的な信用度。それがほしかったので、一緒に協力することになると中国側にとってありがたい」と話す。

“米中貿易戦争”で窮地に立たされている中国の内情

では、なぜ、中国は「国際的な信用度」が必要だったのか?
その背景にあるのが、いま、米中貿易戦争”で窮地に立たされている、中国の内情だ。

中国にとってアメリカは最大の輸出国。
中国は輸出を通じてドル、すなわち外貨を獲得している。

これにより中国経済は発展を遂げてきたが、アメリカとの貿易戦争で輸出が減少すると、獲得できる外貨も減少し、中国経済に大きなダメージが。
日中通貨スワップは中国にとって経済面で大きな後ろ盾となるものなのだ。

「一帯一路に日本が協力した」と宣伝したい?

さらにもう1つ。
今回、日本と中国の企業は東南アジアなどの第三国でインフラ投資を行う覚書を交わした。

これについても、興梠教授は、「一帯一路に日本が協力したと国内向けに宣伝できると思う」などと中国にとって大きな意味を持つと指摘する。

習近平主席が主導する「一帯一路」。
海と陸のルートでアジアからヨーロッパまでをつなぐ巨大経済圏構想だ。

これに対しては、トランプ政権は軍事拠点の拡大につながると非難。ヨーロッパなどにも警戒心が広がっている。

興梠教授は、「(中国は)何としても一帯一路を成功させないといけないが、そこに日本がかかわるということになると、国際的な宣伝効果も高い」と分析する。

経済協力の一方で、中国による軍備増強が進むことになれば、アジアの脅威につながる懸念があり、日本は注意深く対処していく必要がある。


(プライムニュースイブニング10月26日放送より)

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