【副業儲かってますか?】元スーパーの鮮魚担当が伝授!失敗しない「魚の捌き方」講座

カテゴリ:ビジネス

  • 包丁を握ったことがない初心者でも、約2時間後には「姿造り」が作れるように!
  • 客も従業員も魚に関する知識がない…14年の調理経験を活かして「教える場を作ろう!」
  • 「お世辞抜きの笑顔でのお礼が何よりうれしい」外国人向け講座も準備中

週1回の副業

突然だが、みなさんは魚を1匹丸ごと捌いた経験はあるだろうか?
魚は骨や血合いの処理など、調理に手間がかかる。さらに、鮮度を失わずに無駄なく身を捌かなければならないとなると、すでに下処理された切り身を選ぶことが多いのではないだろうか。

そんな魚調理に不慣れな人に「魚の捌き方」を教える副業をしているのは、兵庫県在住の大久保利也(おおくぼ としや)さん、54歳だ。
人材派遣会社の営業職として働きながら、2015年から鮮魚に特化した食育イベントを始めた。
現在の講座運営には、Webデザイン・料理・語学など、あらゆるジャンルでの知識・スキルを持つ人と教わりたい人とをつなぐサービス「ストアカ」を利用している。

1週間のスケジュールを聞くと、「副業は週末に1回」という本業に支障の出ない範囲で活動していることがわかった。

平日は、9時~18時までの本業勤務を終えてから、より充実した講座となるよう内容やPR方法を見直す。
そして、講座本番となる土曜日の朝は早い。7時に市場に出向いて新鮮な魚を仕入れ、開催場所のキッチン付レンタルルームで準備を行う。
レッスン開始は午後からで、その日使用する魚についての豆知識(10分)、調理実習(1時間半~2時間)、試食(20分)の最大2時間半の内容だ。

場所や食材に費用がかかるため、月2回の開催で平均月収は2万円ほど。今後は、月4回に増やすことも検討しているという。

大学卒業後、スーパーやデパートの水産部門で14年間魚の調理加工に携わり、魚捌きの腕を磨いた大久保さん。
その技術を活かした副業を始めたきっかけと、やりがいを聞いた。

切り身を持ったお客さんから「この魚どうやって泳ぐの?」

大久保利也さん

ーー「魚の捌き方講座」を副業に選んだのはなぜ?

50代を前にして、ふと「この先、今のままの生活を保てるのだろうか?自分のこれまでの経験値で武器となるものはなんだろう?」と考えました。
振り返ってみて残ったのは、水産加工の技術と10年近い営業のスキルでした。そこに学生の頃の夢だった教師を掛け合わせたら、もっとおもしろいことができる!と思いました。

講座開講を決意した理由には、2つの出来事があります。
それは、魚の調理加工時代のあるお客さまとの出会いと、水産・畜産加工技術者を企業に派遣する営業として働く中で交流するスタッフとの会話です。
百貨店勤務をしている時、サワラの切り身のパックを持ったお客さまに「このお魚、眼もヒレも無いけど、どうやって泳いでるの?」と真顔で聞かれたことがありました。
私は、冷蔵庫から調理前のサワラを出してきて、魚の名前を伝え「お持ちいただいたのは、この部分をカットしたものです」と説明しました。
当時は「こういうこともあるのだな」という程度の意識でしたが、営業に転職してみると、現場の管理職や従業員、パートやアルバイトも自分たちが扱っている商品である魚についての知識が乏しく、お客さまに食べ方を聞かれても答えられない人が多いことに気が付きました。
そして、彼らはきっと丸魚に触れ合う機会がないのだろうという考えに至り、だったら私がそういう場を作ればいいのではないかと、開講に踏み切りました。

初心者でも捌きやすいアジやサバを使用

大久保さんが教える初心者でも失敗しない「魚の捌き方」を簡単にご紹介。ポイントは「素早くやさしく丁寧に!そして常に清潔に」だ。

【使用する魚】
初心者でも捌きやすいアジやサバなどの青魚。
大久保さんいわく「アジをマスターすれば、大概の魚に応用可能」とのこと。

【手順】
ウロコ取り→エラ取り→頭取り→内臓除去→せいご除去→2枚卸→3枚卸→皮引き
あとは一口大に切り分ければ、刺身の完成だ。

各工程ごとに大久保さんが手本を見せ、参加者も魚捌きにチャレンジする。
2枚卸や3枚卸をする際には参加者の後ろから手を添えて包丁を握り、魚の中骨に当たった包丁から伝わる「カタカタ」という感覚を教えている。
この感覚を頼りに捌くと、尻尾から頭に向けて引き切りをする時に骨に沿って切ることができ、身を無駄にすることがないという。

最後までたどり着いたら、今度は大久保さんのアドバイスを思い出しながら自力で2匹目を捌く。
1匹目は身が崩れて失敗する参加者が多いため、大久保さんはこの刺身を使って、雑炊・なめろう・あら汁を作り、完成した2匹目の姿造りと一緒に試食タイムとなる。
講座料金は食材によって変わるが、大体5000円~6000円だという。

教材はあえて使用しない…外国人向け講座の構想も

参加者は、20~60代まで幅広い世代の男女(男性4割、女性6割)で、学生や会社員、公務員、主婦など、職業もさまざまだ。
「魚を釣るのも食べるのも好きだから、もっと魚を楽しみたい」「捌きたくても、技術を学ぶ機会がなかった」という理由で参加する人が多いという。
魚の調理はおろか包丁を握るのも初めてという参加者もいる中、教える上で大久保さんが大切にしていることを聞いた。


ーーどんな工夫をしている?

魚捌きを一から教えてくださった先輩たちの指導を参考に、包丁の握り方や調理時の魚の位置など、細かいところまで丁寧にわかりやすく教えるよう心がけています。
それから、当たり前ですが決して怒らず、小さな点でも上手く出来たこと見つけて褒めます!
私もスーパーの鮮魚部門に入るまで包丁なんて怖くて握ったこともなかったのですが、今では人に教えているのだから心配ないですよ、という気持ちで接しています。
デモンストレーションでは、手順などを記したプリントを配ると「後から見直しが出来るからいいや」となってしまうので、教材はあえて使用せず現物の魚を持って説明します。みなさん、集中して熱心に聞いてくれます。
また、講座の最後には魚捌きをマスターした証として、手作りの認定証書をお渡ししています。

認定証書が自信につながり、魚料理の幅が広がる

ーー副業をしていて楽しいこと、反対に大変なことは?

全くの初心者の方が、徐々に包丁使いや魚を捌くことに慣れていって、わずか2時間で姿造りを作り上げる様子は、見ていてうれしいです。
「魚ってこんなにおいしかったんですね!」なんてお世辞抜きの笑顔で言われると、感動の極みです。
また、後日に「魚を積極的に調理をするようになりました」「もっと上手くなりたいので包丁が欲しくなりました」という声を聞くと、本当にやっていてよかったという気持ちになります。
大変なことは、食材の調達くらいでしょうか。
相場の変動が激しかったり、その時々で入荷状況が変わったりするため複数の仕入れ先を確保していますが、気が抜けないですね。


ーー今後の目標は?

飲食店や旅館の方からお声掛けがあり、コラボイベントとして魚捌きの出張講座を行うなど、活動の幅が広がってきています。
今後は外国人にもドンドン参加していただいて「魚捌きはそんな難しいものではないんだよ」ということを教えたいです!
2020年までに開催することを目標に、語学力を磨いていきます。
それから、この講座をきっかけに魚や魚捌きに興味を持った方が、将来その方面に進んでくれたらいいなと思います。
一緒に魚料理を楽しんで、盛り上げていきたいです。

参加者作「アジの刺身」と大久保さん作「なめろうとあら汁」

副業を始めたことによって、自身の技術や知識も向上したという。
現場を離れて久しいため、魚捌きの勘を取り戻す練習を重ね、食育鮮魚士の資格を取得し、参加者の疑問や悩みに応えられるようになった。

今では、煮魚や焼き魚、昆布締めといった魚調理の新しい講座を開いてほしいという要望もあるという。
「これからも魚はおいしくて、楽しくて、ためになるものだということを伝えていきたい」と意気込みを語ってくれた。

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