五輪ボランティア応募“5万人超”にネットで驚きの声相次ぐ… 急がれる環境整備の現状は?

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  • ボランティア応募5万人超…ネットで驚きの声
  • 希望活動とのマッチングは?平昌では追加募集も…
  • 実際に活動できる?急がれる環境整備

ボランティア募集1ヵ月で5万人超…ネット「応募する人いるんやな」

ボランティア募集説明会(8月31日)

2020年東京五輪・パラリンピックのボランティアの募集開始から、26日で 1ヵ月が経過。

組織委員会が発表した大会ボランティアの応募状況によると、募集人数8万人に対し、約 1ヵ月で6割を超える5万2249人(10月22日時点)の応募があったという。
さらに、応募前の登録手続きを行った人は9万2920人と、募集人数を上回った。
約6割が女性、10~30代が約6割を占めるなか、70代以上など幅広い世代からの応募があるという。

組織委員会の武藤事務総長は「この時点であまり確定的なことは言えないが、順調に応募頂いていると考えている」と数字を評価。
組織委員会の事務方からも、「順調にきている」「こんなに集まるとは思わなかった」と安堵の声が聞かれた。

この応募“5万人超”に対しネット上では…

「うわぁ、応募する人いるんやな…」「なんだかんだで、5万人以上の応募があるのはすごい」などと驚きの声があがっている。

募集開始前には、「10日以上を基本」とする活動条件や、宿泊費などが自己負担であることが、「募集内容がブラックすぎる」「やりがい搾取」とネット上で炎上の的になり、交通費相当として1日あたり1000円が支給されるなど条件や待遇面の改善が図られた経緯がある。

そのため、予想以上の応募人数にネット上では「ツイッター世論はマイノリティに過ぎなかったということか」など、ネットの影響力に対し悲観的な書き込みも…。

安堵できない?応募者数の行方

しかし1ヵ月で5万人という数字に、安堵の声ばかりではない。
「関心が高かった人や、先着順ではないが、そう思い込んだ人が早めに応募を完了させた」との見方もあり、今後どこまで応募者が増えるのか、まだ見通せないからだ。

組織委員会は応募の締切を12月としているが、具体的な日にちはまだ決めていない。
応募者数の行方を慎重に見守っている状況だ。

募集説明会やビラ配りなど地道な活動を続けており、今後は“応募を迷っている人”への参加の呼びかけに力をいれていきたいという。

2012年ロンドン大会では7万人の募集に対し、応募者約24万人、今年の平昌大会では2万2400人の募集に対し9万人以上と、いずれも募集人数を大きく上回る応募があった。

東京大会では、残り2ヵ月程で最終的にどれくらい集まるのか、応募者数の行方が注目される。

平昌では追加募集も…希望活動とのマッチングは?

組織委員会が今後の課題として挙げるのが、活動ごとに必要な人数が集まるかだ。
大会ボランティアの活動内容は、大きく9つに分類されている。

・競技:競技運営等のサポート(1万5000~1万7000人)
・ヘルスケア:ケガ人の医務室への搬送、ドーピング検査サポート(4000~6000人)
・式典:表彰式での選手や関係者案内、メダル運搬等(1000~2000人)

このように活動内容ごとに人数の目安があり、応募の際、最大3つまで希望する活動を選択することができる。

取材実感としては、選手を間近に活動する「競技」や「式典」は人気があり、希望する声が多く聞かれた。

現時点で、活動ごとの応募状況までは分析できていないというが、応募者と希望する活動とのマッチングも重要だ。

実際、平昌大会では活動ごとの応募率に大きな差があった。

・通訳:応募者8131人(採用目標490人)
・競技:応募者10953人(採用目標2080人)
・交通案内:応募者756人(採用目標4030人)
(「ピョンチャンオリンピック・パラリンピックのボランティアに関する調査報告書」/日本財団ボランティアサポートセンター)より

応募率が最も高かったのは「通訳」、一方で「交通案内」「情報技術」の活動は、応募者数が採用目標に満たず、追加募集を行ったという。

組織委員会はこうした事態を避けるため、希望活動に偏りがないか分析を進め、応募期間中に早めに手を打っていきたいとしている。

とりあえず応募はしたけれど… 急がれる環境整備

ボランティア募集サイト

「応募はしたが、実際に活動できるかは、その時にならないと分からない」

応募者からは、“とりあえず”応募した、との声も聞く。
参加に前向きな気持ちはあるものの、2年先の状況が見通せないからだ。

私は先月、ボランティアへの参加を検討する母親たち4人を取材した。
「1日8時間程度」の活動条件が厳しいと感じており、幼い子供の預け先や、急に体調を崩した場合は休めるかといった不安を抱えていた。
あれから 1ヵ月…、実際に応募したのは4人中1人だけだった。
30分はかかるという応募入力に時間の余裕がなかったり、活動条件へのハードルから応募を躊躇しているという。

この他にも「会社を休めるか」「地方からの参加で宿泊先を確保できるか」などと応募した人たちの中にも不安があり、このまま順調に応募者が増えていっても、2年後実際に活動できるのか、課題は残されている。

辞退者が続出せず、大会に関わりたいと意欲ある人たちが活躍できるよう、託児所の整備や、ボランティア休暇制度の導入促進など、環境整備が急がれる。


(取材:フジテレビ 経済部 酒井志帆)


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