音声認識に限界が…「変なホテル」に目玉のはずの“ロボット激減”の理由を聞いた

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  • ピーク時は243体稼働していたロボットが85体に激減
  • 理由は「ロボットの音声認識に限界があり、問い合わせが増えたため」
  • 今後はどんな「変なホテル」にしていくのかを聞いた

ピーク時は243体の「ロボット」が85体に激減

長崎県佐世保市のハウステンボスにある「変なホテル」が、目玉だったロボットの数を大幅に減らしている。

2015年の開業時には6種類82体を導入し、ホテルに入るとフロントにいるロボットが迎え、案内や荷物運搬、清掃など多岐にわたって活用。

2016年には「初めてロボットがスタッフとして働いたホテル」としてギネスの認定も受け、その後も数を増やし、ピーク時の2017年10月に稼働していたロボットは27種類243体。

ところが、2018年9月時点で16種類85体にまで減らしている。

目玉だったはずのロボットの数をここまで大幅に減らした理由は何なのか?
ハウステンボスの担当者に理由を聞いた。

音声認識に限界があり、問い合わせが多かった

――ピーク時にはロボットが27種類243体も稼働していたが、今年の9月時点で16種類85体まで減らした。これはなぜ?

全144室ある客室に「音声認識ロボット」がおり、「照明のON/OFF」や「目覚まし」、「お天気案内」や「クイズ機能」が備わっておりました。

ただし、AIは備わっておりませんので、音声認識による受け答えまでとなります。

音声認識には限界もあり、お客様からの問い合わせも多いことから、こうした状況からの脱却を図るために全室から撤去しました。

ロボットの台数を大きく減らしたのはこのためです。


――台数を減らしたのは客室に置いた「音声認識ロボット」だけ?

「お荷物搬送ロボット」も約2年で終了しました。

こちらは雨の影響によって建屋の移動が困難で、6棟のうち1棟しか使用できなかったためです。

「コンシェルジュロボット」も約2年半で終了しました。

こちらは、お客様の質問内容も毎回、多岐に渡り、常に新しいイベントが始めるため、AIで学習させるというのが困難なためです。


――フロントの対応は今もロボットがしている?

今もロボットだけが対応しています。
ただし、今後はロボット以外の機器で対応する予定です。


充電に時間がかかり、従業員の負担に

提供:ハウステンボス

――ロボットの充電にも時間がかかると聞いたが?

1回のフル充電に6~7時間かかります。

利用できるのは開業当初で連続5~6時間。
徐々にバッテリーが劣化するため、最後は連続2時間程度で充電が必要となりました。

コンシェルジュロボットは、1回の充電で連続稼働4時間程度、ホテル(24時間、365日フル稼働)の環境では従業員に負担がかかってしまいます。

今後は「キャッシュレスホテル」を目指す

ハウステンボスにある「変なホテル」は今年12月、初めて和室を取り入れた第3期棟が完成する。
ただ、第3期棟ではロボットは稼働しないという。

提供:ハウステンボス

――第3期棟でロボットを稼働させない理由は?

海外からのお客様のご利用が2割以上で、海外からのお客様に注目いただいておりますので、満足度の高い和室を選びました。

なお、実証実験の意味合いもあり、1期棟、2期棟ともコンセプトが異なります。

3期棟も新しいコンセプトを設定することで、お客様の選択肢が増えることが魅力となります。


――第1期棟、第2期棟ではロボットは残す?

チェックインを行うロビーは共用棟で、ここにロボットが集中しており、3期棟のオープン後も変わりなくロボットが活躍します。

提供:ハウステンボス

――ロボットをここまで減らしているということは、「ロボットからの脱却」を考えている?

実証実験を兼ねて導入したロボットは、生産性を見極めて活用していきます。

――今後は「変なホテル」をどのようなホテルにしていこうと考えている?

キャッシュレス(電子マネーやクレジットカード決済)ホテルを目指し、最終的にはキャッシュレスの最上級である「顔認証決済」を推し進めていくことを考えております。

オープン当初は「変なホテル」の目玉だった“ロボット”。
今回の取材で、運用していく中で様々な課題があったことがわかったが、メリット・デメリットの見極めによって、ロボットの立ち位置は変わりつつあるようだ。今後どんな「変なホテル」になっていくのか見守りたい。


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