歩行者がいても、一時停止しない車が約9割…県別最下位の栃木県に聞いてみた【信号のない横断歩道 調査】

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  • JAFが調査、一時停止した車は全国で8.6%だけ
  • 1位は3年連続で長野県、58.6%。最下位の栃木県は、驚きの0.9%
  • 栃木県「原因をお教え頂きたい」

歩行者横断時における車の一時停止率

警察庁によると、平成29年の交通事故の発生件数は、47万2165件。

そんな中、自動車の交通ルールの遵守についての驚くべき調査結果が発表された。
日本自動車連盟(JAF)が発表した「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」(2018年)によると、2018年8月15日~9月13日の10時~16時の間、各都道府県で信号機が設置されていない2箇所の横断歩道を通過した11,019台を調査したところ、歩行者が通行しようとしている場面で一時停止した車はわずか948台(8.6%)だった。

信号機のない横断歩道における車の一時停止率(JAF調べ)

JAFが行った、具体的な調査概要は以下の通り。

・JAF職員が横断歩道の立ち位置や横断タイミングを統一し、横断
・調査回数は1箇所50回(各都道府県合計100回)の横断
・横断歩行者側の車線を走行する自家用自動車、自家用トラックを対象
・センターラインのある片側1車線道路で、原則(箇所により例外あり)として、調査場所の前後5m以内に、十字路及び丁字路交差点がない箇所で、道路幅員が片側2.75m~3.5m、交通量が3~8台/分(目安)とし、制限速度が40~60km/h程度の箇所

JAFは2016年から当該調査を実施しており、2016年の全国平均は7.6%・2017年の全国平均は8.5%だった。今回の調査は前年より0.1ポイントのプラスだったが、依然として9割以上の車が、信号機がなければ止まらないという結果だった。

道路交通法では、「車両等は、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない」と定めていて、歩行者優先のルールが守られていないことが明らかになった。

都道府県別では最下位は栃木県

2018年・信号機のない横断歩道における車の一時停止率(JAF調べ)

また、都道府県別のデータを見てみると、一時停止した車両が最も多かったのは「長野県」で、58.6%となっており、2台に1台は止まっている計算だ。2位の静岡県39.1%を20%近く上回っている。

JAFによると、長野県は3年連続で1位をキープしており、いずれも全国平均に比べてかなり高い結果となっているそうだ。ただ、2017年と2016年の各都道府県の数値については公開していないため、長野県以外の過去のデータは未詳だ。

そして、調査の結果、最も車両が一時停止しなかった県は「栃木県」で、0.9%だった。
1%以下ということは、ほぼ止まらないに等しいだろう。

今回の結果を、栃木県はどう見ているのだろうか。栃木県庁のくらし安全安心課 生活・交通安全の担当者に話を聞いてみた。

「7月に広報啓発キャンペーンを始めたばかり」

ーー今回の調査結果を受けて、どう思った?

私共としましては、今年7月から「マナーアップ!あなたが主役です」キャンペーンというのを推進しておりまして、県民全員に交通安全意識の浸透を図り、相手の立場に立った「優しさ」と「思いやり」のある運転を促進しております。

交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣づけ、交通事故のない安全で安心な栃木県の実現を目指していた矢先に、このJAF様の調査結果が飛び込んできたものですから、より一層、広報啓発していきたいと思っております。


ーーこの数値の原因はどこにあると思う?

JAF様がどちらの道路で、どのように調査を行っていたのか、実際に見たわけではありませんので、何とも言えません。むしろ、原因をお教え頂きたいくらいです。

断トツ1位の長野県「優しい県民性」

また、例年高い数値で1位をキープしている長野県庁の広報部にもお話を聞いてみた。

ーー今回の調査結果を受けて、どう思った?

長野県では2020年まで使用予定のスローガンがありまして、それが「思いやり 乗せて信濃路 咲く笑顔」というものなんですね。年に4回、交通安全運動を実施しているのですが、歩行者も運転者も互いに思いやりをもって頂くよう努めています。

横断歩道に歩行者がいた場合、ドライバーは止まるのはもちろんのこと、積極的に道をゆずってあげるようお願いしております。今後も、交通マナーの向上に努めていきたいと思います。


ーー3年連続で1位、それも平均を大きく引き離しているが、その理由はどこにあると思う?

うーん、なんでしょう。他都道府県とも、全国平均とも、全然数字が違いますからねぇ。なんといいますか、「優しい県民性」でしょうか。



ドライバーの意識改革が必要な今回の調査結果となったが、歩行者側も普段から横断歩道の通行時は注意することを常に心掛けよう。特に、近年問題とされている「歩きスマホ」は要注意だ。