月面探査機の注文も…孫請け町工場から大変身!“1点モノ”で世界が注目の鉄工所

  • 孫請けの町工場から世界が注目する鉄工所へと大変身!
  • “脱大量生産”で1点モノを開発、“脱職人”で技術をデータ化
  • 月面調査機の部品など世界中から受注、売上は10年で4倍に

危険な油まみれの3K、5Kの職場だった…

京都・宇治市にある鉄工所「HILLTOP」。 
アルミの削り出しなどで部品を作る工場で、ウォルト・ディズニーのキャラクターの部品やNASAといった誰もが知る企業の仕事をしている。

しかし、約35年前は油まみれの工場で、孫請けとして自動車部品を大量に生産していた。

「HILLTOP」(京都・宇治市)

当時のことを山本昌作副社長は、
「油まみれの3K、5Kの職場を見て良いと思う人はいないと思う。入社した時からですから、ルーティンと油のにおいがする危険なところから離れたいと思った。鉄工所大嫌いですから(笑)」 と話す。

およそ35年前の工場

「脱大量生産」し「多品種単品生産」に転換

既存の町工場をやめたい。
その思いから山本副社長は大改革を行った。

それが… “脱大量生産”
 
大量生産は安定した収益が見込めるが、利益率は5%程度と高くない
また、取引先から常にコストダウンが求められる
 
山本昌作副社長
「安定して受注できて、薄利多売かもわからないけど、それは逆にいうと面白味がない。労働で楽しむというのがないでしょ」

“多品種単品”生産

代わりに導入したのが“多品種単品生産”
主に1点モノといわれる試作品に絞ることで、開発を楽しみながら、利益率を20%以上にまで高めた
 
とはいえ新たな部品を作り続けるには優秀な職人が多く必要となるが、ここにも工夫があった。

職人の技術をデータ化して誰でも職人技が可能に

山本昌作副社長
「職人には2つある。本当の職人とにわか職人。残念ながら日本にはにわか職人が多い。ちょっとできるからってすぐ天狗になる。それは定量的におとせるはず」
 
本当の職人にしかできないものもあるが、それ以外の技術はデータにしてIT化。  
職人の技術をデータ化することで、自動で誰でも簡単にものづくりができるシステムを独自に開発した

これまでは5年以上の修行が必要だった複雑な加工も、この会社のシステムを使えばわずか2週間でできてしまうという。

IT化で複雑な加工もわずか2週間で完成

月面探査機に使われる部品など世界中から注文

この「脱職人」「脱大量生産」で売上はこの10年で4倍に
月面探査機に使われる部品など、1点から発注できるという他社にない強みで世界中から注文を受けているという。

しかし、この好業績も副社長にとっては副産物。
ただ面白い仕事を社員に提供したいだけだという。

山本昌作副社長 
「私たちは人の働き方とよく言うけど、ほとんどの会社は仕事があまり楽しくないので福利厚生で豊かにするんでしょうけど、私は、仕事自身を楽しめる会社にしたいんです」

(「プライムニュース α」10月22日放送分)

プライムニュース αの他の記事