キャッシュレス後進国の日本に、いま必要なもの

  • 「Suica」に「Edy」乱立する電子決済サービス…LINEはオンライン証券取引を開始
  • 「現金お断り」完全キャッシュレスの飲食店登場も日本は“キャッシュレス後進国”
  • 電子決済が浸透している中国を取材。競争を勝ち抜くためには何が必要?

拡大する電子決済…あなたは使ってる?

無料通信アプリ大手LINEが、18日スタートさせた新サービス。
それは、LINEアプリを使った株の売買など、オンライン上の証券取引だ。

LINE株式会社の出澤剛社長は、「投資というものをユーザーの方の生活圏に入れていくということが、我々もアプローチしたいところ」と話す。
今後は、取引の決済を自社の電子決済サービスLINE Payと連動させる考えだ。

そこから浮かび上がる狙いのひとつは、16日に始まった「LINEほけん」などと共に金融サービスを充実させ、自社の電子決済サービスを増やす、いわゆる囲い込みだ。

電子決済について街の意見を聞いた。

「コンビニとか電車の移動とかで使います」(20代女性)
「使ってます。SuicaとかスーパーのWAONカードとか」(70代女性)

至るところに溢れるさまざまな企業の電子決済サービス。
現代はまさに、群雄割拠の「電子決済戦国時代」といえる。

都内のあるラーメン店の入り口には、WAON、nanaco、楽天Edyなどの電子マネーが使用できるステッカーが貼られていた。
また、コンビニエンスストアでは、SuicaやPASMOなどの交通系を含めた電子マネー20種類以上が使用可能だ。

コンビニの利用可能電子決済サービス一覧

さらに、どこか懐かしい雰囲気が漂う東京・新宿区の「こだわり商店」でもAmazon Payで支払うことができた。

店長の安井浩和さんにその理由を聞くと、「中国人の方が単価の高い商品、高い果物などをいっぱい買ってくれるので、うちの店にとってはかなりのプラスだと思います」という。

取材を続けると、なんと「現金お断り」の完全キャッシュレスの飲食店に出会った。
Gathering Table Pantry(東京・中央区)は、ファミリーレストランを運営するロイヤルホールディングスが手掛ける実験店舗。

現金でのやり取りはなく、注文や支払いはテーブルのタブレットで行う。
閉店後に必要だったレジ締めの作業を省くなどして、働き方改革につなげようという狙いだ。

“キャッシュレス先進国”中国に見るサービス普及の理由

いま急激に拡大している電子決済。
しかし、経産省がまとめた2015年時点の各国の比率を見ると、日本は18.4%と他の国に比べて低い水準だ。

この時すでに60%だった中国の現状を18日に取材すると…

飲食店の店員は「高齢者が段々増えています。以前はいなかったですが、みなさん電子決済を使いますよ」と話す通り、年配の女性がスマホを使いこなして支払いを済ませるなど、老若男女問わず電子決済をフル活用していた。

都市部では、現金を持ち歩かなくても不自由なく生活ができるという。
店側は「現金だとお釣りを渡さないといけない。偽札をもらう恐れもある」と話し、客側からも「便利、早い、安全。日本は時代遅れだ」という声が聞かれた。

また、一部の地域では、中国で広く普及している電子決済「アリペイ」を使って電子結婚証を取得するサービスなども始まっている。

では今後、電子決済で後れを取る日本での戦いを勝ち抜き、新キャッシュレス時代の覇権を握るためには、何が必要なのだろうか。

フジテレビの智田裕一解説委員は、「ATM網が整備されている日本では、消費者が現金を簡単に持てる。一方で、手数料負担などから電子決済に二の足を踏んでいる店が多いのが現状です。顧客データを分析して新たなサービスにつなげ、システムのコストを下げるなど、消費者・お店双方に『使ってみたい』と思わせるビジネスモデルを展開できるかが、競争を勝ち抜くカギになります」と見解を語った。

(「プライムニュース イブニング」10月18日放送分より)

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