ファン・ビンビンさんの“間違いだらけ”の「謝罪文」が中国で学校教材に【中国トンデモ事件簿】

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  • 「間違い」だらけの謝罪文
  • 「ココが変」授業で指摘された点
  • 「言葉の乱れ」への懸念

間違いだらけの謝罪文

脱税で追徴課税、罰金などおよそ144億円の支払いを命じられた中国のトップ女優ファン・ビンビン(37)さん。脱税の事実や処分が発表された直後に、中国のSNS「微博(ウェイボ)」に公開謝罪文を発表し、中国でも大きな話題となった。
しかし、この謝罪文をめぐり、中国語の語彙や文法に多くの間違いがあるとの指摘がネット上で広がった。

皮肉にも高校授業の教材に…

高校の授業では、この謝罪文を「反面教師」として、誤りを訂正する教材として使われた、というニュースが中国で話題になっている。
教室に設置されたモニターには、ファン・ビンビンさんの謝罪文が表示されており、誤りの部分には赤字で訂正と解説が書かれている。

謝罪文の間違いを指摘する授業

指摘されている誤りは以下のようなものだ。
日本語に訳すと分かりづらいものもあるが、ご容赦頂きたい。

【原文】「映画『大爆撃』とその他の一部契約で」
【修正】「映画『大爆撃』とその他映画の一部契約で」
   (「映画名」と「契約」は並列関係にない)

【原文】「税務機関の調査後、法に依り行った一連の処罰の決定に対し、私は完全に受け入れます」
【修正】「私は税務機関が法に依り行った一連の処罰決定を完全に受け入れます」
   (文が簡潔でなく略が西洋化しており、中国語の習慣に合致しない)

【原文】「全力を尽くして全ての困難を克服し、資金を調達し、追徴課税金を納め、罰金を納めます」
【修正】「全ての困難を克服し、全力を尽くして資金を調達し、追徴課税金を納め、罰金を納めます」
   (「全力を尽くして」の位置が不適切)

【原文】私はルールを守り、・・・(中略)文化的素養豊かな良い会社になるよう努力します。
【修正】私はルールを守り、・・・(中略)会社をいっそう文化的素養豊かにするよう努力します。
   (主語と目的語の関係が不適切。「私は・・・会社になる」になっている)

【原文】「真誠説一句、対不起!(心から一言言います、ごめんなさい!)」
【修正】「」ではなく「」を使うべき。
」と「」は発音が同じな上、文法上の役割も似ている助詞(土地の地の意味ではない)のため、中国人でも間違うことがあるが、この識別は外国人向けの中国語試験の出題では初中級レベルの“定番”のものだ。

「言葉の乱れ」への懸念

浙江省杭州の高校教師は「謝罪文を読んですぐに10か所の誤りを見つけた」と語った。
授業では思わぬ出題に生徒は驚きながらもワクワクして数分で全ての誤りを見つけたという。
日常の口語では問題とされず、必ずしも「誤り」と言えないものもあるが、正式な文章では適切でないことから、これを機に、学生に正しい語法を学ぶことの重要性を伝えたかったという。

また、別の中国語の教師は、「この謝罪文の誤りは全て典型的なもので、教材にするにはちょうど良い」と語った。一方で、「著名人が母国語の語感を失っていることは青少年にとって一定の悪影響がある」と芸能人らによる「言葉の乱れ」に懸念を示した。
日本語も「乱れ」が指摘されることが少なくない。思わぬ恥をかかないよう他山の石としたい。

(執筆:FNN北京支局 高橋宏朋)

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