“就活ルール”廃止で悩める大学生続出…過去には“種もみ買い”も

  • “ルール”廃止で学生「就活めちゃくちゃ早くなるかも」
  • 大学の担当者「学生の混乱を招いている」
  • 過去に“青田買い”より早い“種もみ買い”も…

経団連が“就活ルール”廃止…活動時期が大幅に前後?

今年4月、中央大学商学部に入学した小林健悟さん(19)。大学1年の今、ある悩みを抱えていた。

小林健悟さん:
なんか就活がめちゃくちゃ早くなるかもって話で、もしそうなったら勉強が全然できなくなるから不安。

不安の理由は、就職活動=“就活”をめぐり、9日に経団連が発表した、この決定だ。

経団連・中西会長:
2021年度以降の入社する方を対象とする採用・選考に関する指針というのを、経団連としては(就活ルールを)策定しない。

経団連は現在、大学4年生の6月に採用面接を解禁し、10月以降に内定を出すなどのいわゆる“就活ルール”をもうけている。しかし、2021年春以降に入社する学生に向けては“就活ルールを廃止”することを発表した。

政府は15日に会議を開き、その一期目にあたる2021年卒業組については、“現行の日程を維持”するよう政府主導で呼びかける方向で検討するとしている。

しかし2022年に卒業する現在の大学1年生については白紙の状態だ。

「正直困ります。予定も立てられなくなる」と語る大学1年の小林さんが抱く将来の夢は“商社マン”。
これまでは就活が始まるまでの間、バンド活動や50ヵ国に及ぶ旅行で、見分を広げる計画を立てていた。
しかし…。

“就活ルールの廃止”によって活動時期が大幅に前後することを懸念している。

小林健悟さん:
できるだけ早くから仕事で使える力がつく授業をとろうという方向になって、文学もそうだがビジネスと関係ない分野の授業はなくそうと。

「学生の混乱を招いている」との声も…

学生の就職支援などを行う中央大学キャリアセンターは、今回のルール廃止について…

中央大学キャリアセンター・池田副部長:
一言でいうと、学生の混乱を招いている。やはり一番大事なのは学生の声。学生たちがどのように大学に来て、学ぶ場にあるのかを理解した上で、一つのルールを決めて頂きたい

では、大企業に比べて知名度が低く人材確保に苦労している、中小企業側の受け止め方は…

山﨑商会・山﨑社長:
ルールが全くない、ノーガードで打ち合うとなると、今でも大変なのにどうなっちゃうのか不安。

過去に“青田買い”より早い“種もみ買い”も…

そもそも“就活ルール”の始まりは、1953年に企業と大学の間で結ばれた『就職協定』。

しかし、1962年に今回と同様、当時の日経連が協定から一時撤退し、事実上無効化。
企業が採用活動を前倒すなどして“青田買い”よりも早い“種もみ買い”と呼ばれるほど競争が過熱した。

今回の決定で、60年以上の歴史に終止符が打たれた経済界主導の“就活ルール”。
今後は“政府主導”に変わる。

閣僚からは、新卒者を対象に、決まった時期だけ求人を行う『新卒一括採用』を見直す“転機”と捉える発言が相次いた。

現行ルールの廃止で、就活のカタチ、そして、日本の企業経営はどう変わっていくのか。
学生と企業の未来を見据えた仕組みづくりが求められる。


(「プライムニュース イブニング」10月10日放送分より)

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