「ややもえるゴミ」「やたらもえるゴミ」の違いは?遊園地で話題の“細かすぎる分別”ゴミ箱の狙い

カテゴリ:国内

  • ひょんなことから燃える、ゆるぎなく燃えない…投入口が10もあるゴミ箱が話題
  • 開催中のイベント“枚方万博”展示品のひとつ。どこに何を捨てるべき?
  • 担当者「ひらパー流に真剣に、身近な問題を考えました」

「分別しまくりゴミ箱」が話題に…

秋も深まり、行楽シーズン真っ只中の10月。
3連休には、各地で多くの人がイベントや旬の味覚を満喫したことだろう。

そんな中、大阪・枚方市の遊園地「ひらかたパーク」を訪れたあるツイッターユーザーが園内で発見した衝撃的なゴミ箱が、注目を集めている。
1912年の開園以来、関西を代表する遊園地として「ひらパー」の愛称で親しまれ、近年ではアニメ作品とのコラボ開催や映画のパロディポスターを作成するなど、攻めの企画でファンを獲得しているが、今度はどんなことをやってくれたのか…!?

発見したのは、小学生ぶりにひらパーへ遊びに来たというイセリア・クイーン(@ethereal_bind)さん。
正面ゲートを抜け、右手に進んだ先にあるローズガーデンとメリーゴーランドの近くに、そのゴミ箱はあった。

「地球の未来のことを諸々考えて開発 分別しまくりゴミ箱」という長めの名前が記された可燃と不燃の2種類のゴミ箱が、並んで設置されている。
その投入口を見てみると…なんと10個も穴が開いているではないか!
しかも、「ややもえるゴミ」「やたらもえるゴミ」「そこはかとなくもえるゴミ」など、同じ可燃ゴミでも“どれくらい燃える”のかを細かく分類し、ユーモラスに説明している。
中には、「この冬いちばんもえるゴミ」と映画の予告編のようなものや、「徐々に奇妙に」というどこかの冒険漫画を彷彿とさせるものまである。

分別しまくりゴミ箱

ゴミ箱の名前を見て、「細かく分別させることでゴミを捨てることに興味を持たせ、分別意識を向上させる意図」を感じ、感動したという投稿者。
しかし、多すぎる投入口と独特の分別基準に気が付くと、驚きと動揺を隠せなかったようだ。

どこに入れるべきか、しばらく考え込んでしまいそうな面白いゴミ箱にユーザーたちは大興奮。
「めっちゃ笑った!こういうの好き」「空気を読むようなワードセンス」「弾けてるのはポスターだけじゃない」「ひらパーに住みたい気持ちが抑えられない」といったコメントが寄せられ、5万超の“いいね”を獲得した(10月11日現在)

さすが大阪、さすがひらパー!と感服のセンスあふれるゴミ箱だが、実は、10月5日から園内で開催されている“枚方万博”のコンセプトモデルで、使用することはできないのだという。
一体なぜこんなにも個性的なゴミ箱を制作することになったのか? そのこだわりをひらかたパークの事業部に聞いた。

「ひらパー流に真剣に、身近な問題を考えました」

ーー“枚方万博”とは?

今年のひらかたパークのテーマは「どこいくねん。ひらかたパーク」です。
どこを目指しているのか分からないが、何か気になることをしているということをテーマに様々な企画を考案しています。
これを前提として、2025年国際博覧会の大阪開催が期待される中、そのパロディとしてひらパーならではの総力を結集した“枚方万博”を開催しました。

世界が注目する2025年、万国博覧会。
いま、ひらパーに出来る事ってなんだろう。未来をまっすぐに見据え、発見し、力強く歩む、そんな次の世代に笑顔を届けたい。
しかし2025年はだいぶ先。だから2018年、そんな想いを(勢い余って)カタチにしました。
心ばかりの数々のパビリオン、どうぞ皆様でお楽しみください。
(「枚方万博」特設ページより)

展示パビリオンは、全部で5つ。
世界の都市をひらパー色に染めるジャック空間、日常に潜むミイラ(ヒントは食べ物)を集めた展示、“ひらパー式”リニアモーターカー、万国旗のついた肩パッドを装着して写真撮影ができるスポット、そして「地球の未来を考え抜いたゴミ箱」だ。


ーーなぜ「ゴミ箱」なのか?

2025年に大阪が招致を目指して掲げている万博のテーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」なので、未来のことを考えてみました。
その中でも身近な問題が来園者にも分かりやすいと考え、「ゴミ箱」をとりあげました。
ただし、見ていただければわかるように、“真剣に”ではなく“ひらパー流に真剣に”です。
分別の基準が細かくあるという、あくまでネタであり、分別を啓蒙するような意図は全くありません。

ひらパーの通常のゴミ箱(缶、ペットボトル用)

スタッフが苦労して考案「真面目<面白いこと」

ーー可燃と不燃、全20のゴミの種類はどうやって考えた?

少ないよりは多い方が面白いだろうということで、各10種類をパークスタッフで考案しました。
同じような表現の言い換えばかりにならないように考えるのが大変でした。


ーー枚方市の実際の分別ルールを参考にしている?

“枚方万博”は、本家の大阪万博とも枚方市とも全く関係がなく、あくまでパロディとして勝手に企画しています。
可燃ゴミの他、ビンや缶、ペットボトルは、近くに設置している本物のゴミ箱に捨てられます。

(枚方市の家庭ゴミの分別方法を市のホームページで確認したところ、可燃物、空き缶やビン・ガラス類、ペットボトル・プラスチック製容器包装の3つに分類され、収集日が定められていた)


ーー「やや」「やけに」などの基準は、人によって異なるのでは?

曖昧な基準を人ぞれぞれで考えてもらい、「結局どうちがうねん!」というツッコミ待ちのボケです。
映画や漫画を彷彿とさせるものもありますが、想像できる方には「あれのパロディだ」と、できない方には「どういうことやねん」と突っ込んでもらえれば良いという考えです。


ーー力を入れたのはどんなところ?

真面目でなく、面白いことを最優先に考えています。
「ちょっと見てみたい」から来園につながれば良いと思い、爆笑を狙ったネタではなく、クスッと笑ってもらう小ネタを揃えました。
ちなみに、ゴミが捨てられる“穴”があるように見えていますが、実際は黒いプラスチックを貼っているだけで捨てられる構造になっておらず、内側にも10種類の投入口に合わせた仕切りはありません。

よく見ると、穴が黒く反射しているのがわかる

「分別しまくりゴミ箱」は、“枚方万博”の開催にあわせた来年3月3日までの期間限定。
来場客からの反響は大きく、投入口に書かれたフレーズに「この差は何?」と面白がったり、「実際に捨てるとしたら、このゴミはどれに分類されるかな」と話し合ったりしている姿が見られたという。
ネット上では使ってみたい!という声も多数あるが、残念ながら「実用化の予定はございません」ということだ。

現在、ハロウィーンイベントも同時開催中のひらパー。
週末には、来場者も参加できるキャラクターたちのダンスショーも披露されているので、仮装姿で出掛ければいつも以上に楽しめそうだ。
そして、「分別しまくりゴミ箱」の前で思いきり笑ったら、実際に物を捨てることはできないが、疲れや悩みが吹き飛ぶこと間違いなし!