心理的虐待、19人死亡・・・データで浮き彫りになった児童虐待の実態

カテゴリ:国内

  • 今年上半期の通告児童数は過去最多
  • 最も多い「面前DV」とは 
  • 保護児童数は初の2000人超

少女はわずか5歳でこの世を去った。
船戸結愛ちゃんは2018年3月、東京・目黒区で虐待され死亡。
「もうおねがい ゆるしてください」などと悲痛な言葉を綴って・・・。

過去最多 虐待通告は全国で3万7000人超

こうした児童虐待に関する今年上半期の状況を警察庁が発表。

虐待の疑いで全国の警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは3万7113人。
今年は去年の同じ時期より6851人も増加し、過去最多となった。
警察庁は「児童虐待に対して国民の意識が高まったことで、近隣住民からの通報などが積極的になった結果ではないか」と分析している。

圧倒的に多い“心理的虐待”とは?

では通告された子どもはどのような虐待を受けているのか。
ある警察幹部は「心理的虐待は年間を通して本当に多い。しょっちゅうある」と言う。

実際に今年1月から6月の統計でも心理的な虐待は全体のおよそ7割を占め、2万6415人と最も多い。

急増する“面前DV”

「殺すぞ!」こうした暴力的な言葉ももちろん心理的虐待の一つだが・・・
「夫婦喧嘩の通報で警察官が駆け付けたら、子どもが見ている前で、両親間で殴るなどの暴力行為が行われ、即座に子どもを保護した。」
先に出てきた警察幹部は、実際にこうしたケースがあると話す。

(イメージ画像)

こうした虐待行為は「面前DV」と呼ばれ、統計でも伸びが顕著になっている。
今年1月から6月のデータでは「面前DV」は1万6869人にのぼり、心理的虐待全体の6割強を占めている。

「児童が1人で道を歩いていて保護したらネグレクトだった」
「実際に親が子どもを殴って保護した」
警察が今年1月から6月に“命の危険がある”などと判断して緊急的に保護した子どもは2127人。

去年は1787人で、今年初めて半年間で2000人を超えた。
これは警察が早期発見、早期保護につとめている結果ともいえるだろう。

(イメージ画像)

しかし、今年上半期だけでも、すでに0歳~10歳までの19人の幼い命が虐待を原因として失われている。
未来ある幼い命を守るためには警察と児童相談所の連携だけでなく、社会、地域全体で「子どもを守る」という意識の高まりが今後より一層重要になってくるだろう。

(執筆:フジテレビ社会部警察庁担当 山下高志) 

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