シャボン玉吹く「からくり人形」動画に中毒性…作者は、あの“アルミ球”生みの親だった

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  • 取っ手をクルクル…シャボン玉を吹く「からくり人形」が話題
  • 作者は今年"ピカピカアルミ球"でも注目された金工作家
  • 気になる仕組みを聞いてみた

シャボン玉吹くノスタルジーな「からくり人形」が話題

今年の春、Twitter上で突如流行った遊びをご存じだろうか?丸めたアルミホイルをハンマーで叩き、ピカピカの球を作るアレだ。
金工作家のアトリエpuchuco(@puchuco709)さんがピカピカな球の画像をアップすると、たちまち真似をする人たちが現れ、「アルミ球作ってみた動画」ブームは海外にまで広がった。
アルミホイルをハンマーで叩くだけ!みんながハマる謎の“遊び”をやってみた


「船を漕ぐひと」

アトリエpuchucoさんは、普段、生き物をモチーフにしたシルバーアクセサリーや、からくり人形などを制作・販売しているというが、最初に“ピカピカアルミ球”が誕生したのには、きちんとした理由があった。
実は、アルミ球はもともと「からくり人形」のパーツで、取っ手を回すと、アルミ球がクルクル回り船が進んでいくように見える『船を漕ぐひと』制作のためだった。


そんなアトリエpuchucoさんの新作からくり人形が、またしても今Twitterで話題になっているのだ。

それが、先月29日にアップされたこちらの動画。

シャボン玉を吹くからくり人形「一緒に遊ぼうよ」が完成しました。


長い耳か角のようなものを生やしたヒョロリとしたいきものが、箱にちょこんと腰かける『一緒に遊ぼうよ』。
動画を見てみると、取っ手を回すと、右手に持った筒をシャボン液の入った器から引きあげて口に当て、シャボン玉を吹くからくり人形だ。

取っ手を回し続けると手が元の位置に戻り、再びシャボン液に筒をひたし、またシャボン玉を吹く…そんなシンプルな動きに「ずっと見ていられる」「つい回しすぎちゃいそう」の感想が寄せられ、3万5000件を超える「いいね」がついている。(3日現在)

「一緒に遊ぼうよ」

シャボン玉が膨らむということは、どこかから空気を吹き込んでいるということだが…取っ手を回すだけの動きで一体どうやって空気を送っているのだろうか?その仕組みを、作者のアトリエpuchucoさんに聞いてみた。

「物語を感じてもらえる作品を」

――どうやってシャボン玉を吹いている?

人形の肩を軸としたクランクから通したワイヤーを箱の中のクランクと連動させて右手を上げ下げさせ、同時に右手が口元まで来た時にタイミングを合わせて箱の中に作った蛇腹の「ふいご」から体の中より口元まで通したチューブで空気を送っています。
尚、箱の中には複数のギアを入れて回転速度を変換させています。

『一緒に遊ぼうよ』の内部。 空気を送る「ふいご」や管が仕込まれている

シャボン玉を作る仕掛けは、箱の中で人形の腕の動きとタイミングを合わせて空気を送る「ふいご」なのだという。
写真に上がっているものは制作の途中段階のもので、ここから試行錯誤を繰り返し、完成品には更なる仕組みが加わっているそうだ。

シャボン玉を吹く瞬間に少しだけあごを上げるなどの魅力的な仕草は、細かな計算のもとに組み上げられているのだ。


『一緒に遊ぼうよ』という、遊びに誘っているようにも、遊び相手がいなくて寂しく思っているようにも感じるタイトルに加え、表情のわからないキャラクターや銅板の落ち着いた色合いが、どこかノスタルジックな雰囲気も感じさせるこの作品。
どんなイメージをこめて作ったのだろうか?

――このキャラクターはどんないきものをイメージしている?

特に何と言う訳ではないのですが、人間と動物の間位をイメージしました。


――タイトルにはどんな意味をこめている?

どこか寂しさを表現出来たらという思いから付けました。

学生時代に金工を学び、からくり人形やアクセサリーを作り始めたという、アトリエpuchucoさん。
Twitterには「シュールで少しショッキング」として、直立状態からおもむろに自分の頭をつかみ…スポン!と取り外した後、何事もなかったかのように頭を元の位置につけ直すなど、斬新な動きのからくり人形もアップしている。

おもむろに頭をつかみ…取り外す!

――動きのアイデアはどこから?どんなことを心がけている?

元々絵を描く事が好きなので、スケッチや落書き等をしている中から生まれることが多いです。
後は、常にではないですが、色々な心の想いを、佇まいやちょっとした動きでどうやったら表現出来るだろうかと考えたりもしています。
からくり人形を創作するにあたって心がけていることは、たとえ動かなくてもそこに物語を感じて貰えるような作品を作りたいと思っています。ですのでからくりの仕組み部分は見えない様に作っています。


Twitterでの反響については「素直に嬉しいですが、予想以上に伸びたりするとちょっと怖く感じたりもします。ただ、仕事をする上で、より沢山の人に自分の作品を見て頂けるのはとても有難く思います」と語るアトリエpuchucoさん。

次回作について聞いてみたところ、特別モチーフにしてみたいものなどはないようだが「色々考えたりスケッチしたりする中でまた何か自然と生まれて来ると思います」とのことだ。