「ストレートだけどすごく気遣いの人…」文学座同期の寺田農さんが語る樹木希林さんエピソード

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  • 寺田農が感服!樹木希林さんの魅力は「気配り」と「非凡な才能」
  • 「18歳のかわいい笑顔とともにあった」 ストレートな物言い
  • 生前インタビューで語った役者論「自然体こそ役者の醍醐味」

9月15日、75歳で亡くなった女優・樹木希林さん。

「直撃LIVEグッディ!」では、希林さんが生前に残したエピソードや“死生観”について連日取り上げている。
20日は、文学座で希林さんと同期で長年に渡り親交のあった寺田農(75)さんをスタジオに招き、希林さんとの思い出を振り返っていただいた。

大村正樹フィールドキャスター:
寺田農さんと樹木希林さんは高橋克実さんが生まれた年に出会ったということで、57年のお付き合いとなります
数年に一度、文学座の同期生で集まるそうで、何年か前には体調が悪い時期もあったそうです。
そんな時の集まりであった樹木さんのエピソードがこちらです。

“全身がん”告白後も参加した飲み会で見せた「気配り」

【樹木希林さんの魅力 “気配り” 】

・飲み会で席のバランスが悪く、盛り上がっていない場があると…
皆が楽しめる席順に仕切り直し、場が和んだ

・“全身がん”を告白した後の飲み会で、体調不良でも約束を守り参加
中座すると心配をかけて空気が悪くなると思い、最後まで付き合った


安藤優子:
そういう細かい気配りも、できる方なんですね。

寺田農:
希林さんは最期までものすごく気を使う人だったんです
優しかったし、そういう同期の会なんかでも、希林さんが一番声かけてやっていたんじゃないかなって。会おうよ、会おうよって。

安藤優子:
樹木希林さんの発言って、ちょっと毒があるように聞こえるじゃないですか。
でも、きわめて常識的な方なんじゃないかなと思うんですけど、どうですか?

寺田農:
それはね、毒というよりも若いころから、ものの言い方がとてもストレートなんですね
それは相手にとってはズサッと突き刺さるもので、あの野郎って思う人もいると思うし…その辺は最初から、18歳のかわいい笑顔とともにあったからね(笑)

安藤優子:
18歳のころからズバッと来てたんですか?

寺田農:
平気で、いろんな人に。
ぼくも含めて18歳って(文学座の中で)一番下なのよ、みんなお兄さんとかお姉さんばっかりで。だけど、なぜか2人は可愛がられたね。


樹木希林さんの女優としての非凡な才能についても話を伺った。

大村正樹
文学座に合格できた理由について、希林さんはこのようにおっしゃっていました。

「ブスな私が合格できたのは、耳が良いから」それ故の弊害も…

【樹木希林さん】

ブスな私が文学座に合格できた理由…耳が良いからって先輩に教えられた


大村正樹:
寺田さんも、希林さんは芝居の最中に相手のセリフをよく聞いているなとお思いなんですよね。

寺田農:
(樹木さんが)あなたは耳がいいのねって言われた時、「私福耳じゃないし、何で耳がいいの?」なんて言っていて。
でもそれは、きちんと人のセリフを聞いているということ。
後々までそうだけど、芝居はもちろんのこと日常生活でも、ちゃんと話を聞く耳がありましたよ。

安藤優子:
人のセリフをちゃんと聞いてるから、あの独特の間ができるんですか?

寺田農:

間があるし、やっぱりキャッチボールだから、芝居って
往々にして若い時は「次にあれ言わなきゃいけない」なんて思うと、相手のセリフなんて聞いていない。
それを彼女は、若い時からそういう耳でちゃんと聞いて、それに対するリアクションというものがはっきりとできていましたね。

大村正樹:
さらに思い起こしてみると希林さんは、方言を使った役どころって思いつかないですよね。
実は耳がいい分、関西弁の役はやらないようにしていたそうです

【樹木希林さん】

関西弁の役はやらないようにしてる。違いがすぐに自分でわかるから。何気ないアドリブがきかないのよ。

大村正樹:
希林さんの真骨頂であるアドリブも使えない
無理に関西弁を覚えて、本場の人から違うと言われてもいけないし、自分でもわかっちゃう
だから、関西弁の役はやらないようにしていたそうです。

寺田農:
広島弁の役はやっていましたけど、基本的にいわゆる関西弁っていうのが嫌だって。それはとってもよくわかります。
彼女も言っていましたけど、関西弁って多くの人がいて、例えば大阪の芸人さんとか、関西弁って今はみんなになじんでるわけでしょう。
それを役者が教えられてやったって、なんか違うなっていうことがすぐバレてしまうから

高橋克実:
関西弁って、特に市民権を得てますもんね。
東北弁とか九州の鹿児島弁とか、そういうのと比べて間違えたことがたくさんの人にわかっちゃうんですよね。

樹木さんの役者論「自然体こそ醍醐味」

樹木希林さんは、生前最後のインタビューで「食べる・眠る・日常のおしゃべり。誰もがするそういうのの中で人間を描いていく。違う人間を描いていく、これはもう役者としての醍醐味だと思っています」と「自然体こそ役者の醍醐味」であると語っていた。


安藤優子:
先ほど“自然体”という言葉がたくさん出てきましたが、自然を演じるってどういうことなんですか。

寺田農:
自然を演じるって難しいこともあるけど、自然だったら何でもいいのかっていう問題もある。
ナチュラルとリアリズムはちょっと違うでしょう。彼女の演技が自然に見えるのは、“自然”を演じてるわけ

安藤優子:
よく女性でも、ナチュラルメイクとすっぴんは違うんだって言われて。何もしないのとナチュラルに見えるメイクは違うんだって。
いま寺田さんのお話を聞いて、自然に見えるということは、きちんと“自然”を演じているんですね。

寺田農:
そうです。僕も自然を演じようとして「そんなの自然じゃない、お前は何もやってない」ってよく言われましたよ。

ヨネスケ:
自然っていうのが一番難しいんですよね。
 

たくさんの魅力を持つ樹木希林さん。樹木さんの安らかなご永眠をお祈りいたします。

(「直撃LIVE!グッディ」9月20日放送分より)

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