“金魚電話ボックス”は著作権侵害! “金魚の町”商店街を美術家が提訴

  • 商店街のシンボル「金魚電話ボックス」 は著作権侵害として美術家が提訴
  • 提訴した現代美術家は1998年に金魚電話ボックスの原型作品を発表
  • 商店街側は著作権侵害を認めないまま別の理由で金魚電話ボックスを撤去

“金魚の町”のシンボルを提訴

たくさんの金魚が優雅に泳いでいるのは金魚鉢…ではなく、まさかの電話ボックス。
 
金魚の日本三大生産地として知られる奈良県大和郡山市の『柳町商店街』に今年4月まで設置されていたその名も『金魚電話ボックス』。“金魚の町”のシンボルとして親しまれてきた。

このオブジェをめぐる“騒動”が、9月19日ついに“裁判ざた”に発展した。

「あまりにも節操がなさすぎたので、腹を決めて提訴することにしました」と決意の会見を開いたのは福島県いわき市の現代美術作家 山本伸樹さん(62)。

金魚電話ボックスで「著作権を侵害された」として商店街側を相手取り、約330万円の損害賠償などを求めて提訴した。

芸術作品と商店街のオブジェが類似

山本さんは1998年に、電話ボックス型の水槽内をメダカなどが泳ぐ『メッセージ』と題した作品を発表。
2000年以降は、中身を金魚に変えライフワークとして全国各地で展示してきた。

この作品と商店街の金魚電話ボックスを比べると、屋根や電話機の色は異なるものの受話器から空気が出る工夫など細かい部分にも類似点が…

山本さんはこの状況について、会見で「創作活動してる人がどんどんパクられてる現状を相当昔から目にしてきた。今回は私のもっとも顕著な例だと思う」と指摘。

訴状などによると、2011年に京都造形芸術大学の教授の指導で創設された学生グループ『金魚部』が『テレ金』という作品を発表。

これについても山本さんは 「作品が酷似している」として抗議した。

その後『テレ金』は解体されたが、作品の部材が、大和郡山の地元有志による『金魚の会』に引き継がれ、2014年に地域活性化を目指す地元の団体により『金魚電話ボックス』として商店街に設置された。

これは山本さんが最初に作品を発表した時から16年後のことだった。

山本さんは「僕の作品と、はっきり言って同じなのに僕の作品じゃない形で独り歩きしてる。とにかく僕のオリジナルを認めてほしい」と訴える。

商店街と解決策を模索するも…

山本さんは商店街との話し合いの中で展示を続ける方法を模索。「山本さん自ら費用を負担する」としたうえで、オリジナルのデザインに修正し「自身の著作物」として展示してはどうかと提案した。

山本さんによると一度は合意に至ったというが、商店街側は一転『著作権を侵害しているとは認識していません』と主張。

意見が平行線をたどるなか、今年4月商店街は「著作権の問題」や「大勢の観光客が集まることに苦情が来ていた」などの理由からオブジェを撤去した。

撤去から5カ月での提訴について山本さんは「金銭的なことが目的ではありません。全くありません。目的はあくまで著作権を認めてもらうこと。そこはきちっと決着をつけなければいけないということも今回の提訴の理由の一つ。この問題を放置すると、美術界の後進たちにも悪影響があることを懸念しています」とコメント。

商店街側は『訴状が届いておらずコメントできない』としている。

(FNNプライム イブニング 9月19日放送分より)

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