「名古屋は行きたくない街」2年連続“魅力度”最下位のワケは?市の担当者に聞いてみた

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  • 全国主要8都市で調査「最も魅力に欠ける都市」の項目で大差の1位
  • “魅力向上戦略”を展開し、ロゴマークやご当地ソングを作成したが…
  • 「地元をほめない名古屋市民」という特徴もマイナスに…

「魅力度最下位」返上ならず

この3連休を利用してどこかへ旅行に行った人も多いだろう。そんな旅行先の候補となる都市の魅力に関する興味深いデータをご存知だろうか。

日本の中間に位置する愛知県の県庁所在地、名古屋。
各地へアクセスが便利で、味噌煮込みうどんやひつまぶしなどに代表される“名古屋めし”は、全国的にも有名だ。

そんな名古屋市が5日、2018年度の「都市ブランドイメージ調査」を発表。
全国主要8都市(札幌市・東京23区・横浜市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・福岡市)の中で、最も「魅力に乏しい街」という結果になった。

「最も魅力的に感じる都市」の質問では、札幌市が22.8%でトップ。
東京23区が22.4%、京都市が18.1%と続き、最下位の名古屋市は3.5%だった。
反対に「最も魅力に欠ける都市」を聞くと、1位の名古屋市が31.9%と2位の福岡市の15.7%を大きく引き離した。
下位は7位が横浜市の5.3%、8位が京都市の4.7%となった。

調査は2016年に次いで2回目で、それぞれの都市に5年以上住む20~64歳の男女を対象に実施され、各都市から418人が回答。
名古屋市は、前回と同じく「魅力度最下位」となってしまったのだ。しかも、名古屋市が主体となって調査した結果が連続最下位というのも物悲しい。
名古屋市出身の筆者としても、東京、大阪に次ぐ大都市に数えられる名古屋がこれでいいのか?と危機感を覚える。

この結果を名古屋市はどのように受け止めているのだろうか? そして、名古屋の魅力は本当にゼロなのか?
観光文化交流局ナゴヤ魅力向上担当部の担当者に話を聞いた。

ロゴマークやご当地ソングを作成も…「まだ足りない」

ーー率直に、この結果をどう思う?

2016年の調査を受け、名古屋の魅力向上戦略を立てて様々な活動に取り組んできました。
前回の結果と比較すると、「買い物や遊びで訪問したいか」という質問では、1.4から2.7(10点満点で採点し、その数値をもとに「訪問意向」を指標化)に伸びており、その他の項目でも改善傾向がみられます。
魅力発信の方向性は間違っていないと思っていますが、今回の結果を見ると、まだまだ足りない部分があるのだと受け止めています。
1年間では、大きな数値向上は難しいなという印象です。

ーー具体的にはどのようなPR活動をしてきた?

「名古屋なんて、だいすき」というキャッチコピーと、2つのハートが重なった“金のしゃちほこ”をイメージしたロゴマークを作成しました。
市内で行われるイベントや広告物に使用しています。
また、同じ名前のアプリも開発しました。ユーザーが名古屋の観光スポットやグルメ情報などを投稿・シェアすることができます。
今年2月には、歌詞に名古屋の名所などを盛り込んだPRソング『でら凄っ!名古屋』を作成し、地元のアイドルグループ「チームしゃちほこ」や「BOYS  AND  MEN」のメンバーに歌っていただきました。
幼稚園や学校にCDを配布して放送してもらうなど、市民のみなさんに知っていただく活動をしています。

地元をほめない名古屋市民

ーーそれなのに再び「魅力度最下位」になってしまったのはなぜだと思う?

名古屋が他の都市と著しく差があるのは、住んでいる都市に買い物や遊びで訪れることを友人等に薦める「推奨度」の低さです。
他の7都市の市民は、自分の街を1番に挙げる人が多く、大阪市は名古屋市の2倍以上、東京区部では1.8倍です。
しかし、私たちは街にひとつも魅力がないとは考えていません。
内径35mという世界最大のプラネタリウムドームを備える名古屋市科学館や、コアラを始め500種以上の動物たちがいる東山動植物園、名古屋めしなど、全国に誇れる観光資源があるのですが、市民がその魅力を認識していないのではないかと思います。
名古屋市民が地元のことをほめないので、他の都市の人々も「名古屋は魅力がない」というイメージを持たれるということもあるのでは、と。

ーー自分ならオススメしたい名古屋の名所は?

去年4月にオープンしたレゴランドもいいですが、やはり名古屋の象徴でもある名古屋城でしょうか。
2009年にかつて天守閣の南側にあった本丸御殿の復元に着手し、今年6月に完成公開しています。
江戸時代の文献や写真、実測図などをもとに忠実に再現していて、今なら約400年前の建築当時と同じ光景を見ることができます!
内部も木材の良い香りがして、タイムスリップしたような気持ちになりますよ。
ちなみに、お土産は日持ちのする和菓子がオススメです。名古屋には老舗の和菓子店がたくさんあるので、それぞれの味を楽しんでください。

名古屋城本丸御殿 表書院一之間

5か年計画だという都市の魅力度調査。
中間報告となる今回も最下位という結果だったが、次回に向けての意気込みを聞くと「なんとか順位を入れ替えることができるように、積極的な活動を続けていきます」と答えてくれた。

「地元をほめない」ということに関しては、筆者も思い当たる節がある。確かに、他の都市に比べて観光名所も多くはないし、流行の最先端というわけでもない。
しかし、住んでいる時にはわからなかったが、東京で暮らすようになって感じた名古屋の良さは、「程よく都会で程よく田舎」ということだ。
リニア中央新幹線の開業を見越して再開発が進む名古屋駅周辺や栄といった中心エリアには、流行のファッションや日本各地のグルメが集まっている。
もちろん、モーニングや味噌・甘辛い味付けの名古屋めしも自慢の食文化だ。

地下鉄や電車に乗って少し離れると、緑に囲まれた静かな住宅街があり、ゆったりとした時間を過ごすことができる。
信長・秀吉・家康の三英傑ゆかりの地でもあり、歴史を感じる街並みも残っている。
そんな都会的要素と田舎的要素のどちらも楽しめる「ちょうどいい」ところも、魅力のひとつではないだろうか。

名古屋市民の「魅力が思い付かない」という認識を変え、次の調査までに「魅力に乏しい街」というイメージを払拭することはできるだろうか。
がんばれ、名古屋!