来日意向のローマ法王。厳しい“逆風”は「フランシスコ」という名前も関係?

カテゴリ:ワールド

  • ローマ法王フランシスコが来年に来日の意向を示した
  • 教会関係者による未成年者への性的虐待問題で苦しむ法王
  • 『フランシスコ』 という名前の意味が、厳しい立場の理由?

全世界のキリスト教・カトリック教徒の精神的指導者、『ローマ法王』。
ローマ教皇の選挙である“コンクラーヴェ”には全世界からメディアが集まり、日本でもニュースで扱われる程、話題になるものだ。

そんなカトリックのトップ・ローマ法王フランシスコが「来年日本を訪問したい」と、訪日の意向を示したことが話題になっているが、来日の目的とその人物像について、国際政治学者の高橋和夫氏に聞いた。
(聞き手:ニッポン放送『飯田浩司のOK!Cozy up!』飯田浩司)

実現すればヨハネ・パウロ2世以来、38年ぶり

カトリックの総本山『サン・ピエトロ大聖堂』

飯田:
実現すれば38年ぶりです。1981年の故ヨハネ・パウロ2世の来日以来、ローマ法王は日本に来ていなかったんですね。

高橋:
カトリック教徒の数が限られていますからね。もっと多い国に行かなければならない、という考えがあると思います。

飯田:
なぜこのタイミングなのかが、気になります。

高橋:
1つは、今年長崎・天草の潜伏キリシタンが世界文化遺産に登録されたことがあると思います。前回ヨハネ・パウロ2世がいらしたときも、長崎で隠れキリシタンの子孫の方と面談して、敬意を払って下さいました。ですから、いいタイミングだと思います。

もう1つは、これは申し訳ないことですが、ローマ法王は現在どこに行っても、ローマ教会関係者による未成年者への性的虐待問題について「おまえは知っていたのだろう!」とか「責任をとれ。訴訟だ!」などと罵声を浴びせられることが続いています。
日本では癒しの旅にしていただきたいですね。

アイルランドで行われたデモ

飯田:
確かに、その類のニュースはあまり日本では聞きませんね。

高橋:
法王にとって幸いなことに、日本ではカトリック教会者がそういった行為に及んだ、ということは大きく報道されてはいません。
つい最近も法王はアイルランドに行かれたばかりで、そこは伝統的にカトリック教会に熱心な島です。ヨハネ・パウロ2世が行ったときは大歓迎でした。今回も大歓迎だったのですが、罵声を浴びせる方もたくさんいて、なかなか厳しい旅になりました。

贅沢に異を唱え、教会改革を進める

飯田:
そうした性的なスキャンダル部分でのバッシングもありますが、ローマ法王フランシスコは、ローマ教会内の改革もしようとしているために、恨まれているという話もあるそうですね。

高橋:
そうですね。
ローマ法王の名前の『フランシスコ』は、非常に貧しい生活をした僧侶の名前から採ったそうです。そういったこともあり、ローマ法王フランシスコは「聖職者はあまりに贅沢をしすぎている。イエスの使従がそんな贅沢をしてどうする」という立場で、貧しい人に寄り添う姿勢を示し、改革を行っています。
その改革が面白くない人が色々発言しています。例えば「実はローマ法王は性的問題を知っていたのを黙っていた!」と非難したり。事実なのか、それとも単に改革路線を脱線させたいのか。様々な議論があって、なかなか厳しい立場に立たされているのです。

飯田:
ローマ法王は、自分で名前を選ぶのですか?

高橋:
そうです。日本で天皇の代が変われば元号も変わるように、ローマ法王の場合は自分で選びます。そこで「フランシスコ」を選ばれたのが、貧しい人に寄り添いたいという強いメッセージだと思います。そういう意味では非常に人気や期待の高い法王です。

そもそも日本にキリスト教を伝えた方はスペイン・ポルトガルからやってきた方です。ローマ法王フランシスコはアルゼンチンの方ですから、その血を引いています。だから、日本に来るには相応しい方です。前回訪日を果たしたヨハネ・パウロ2世は、ポーランドの方でした。

飯田:
日本でキリスト教というと、「フランシスコ・ザビエル」の名前が浮かびます。「同じ名前だ!」となると親近感がわきますよね。

(FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』9月13日放送分 )
http://www.1242.com/lf/articles/program/cozy/

ニッポン放送の他の記事