ベンチャー300社が集結!アジア最大級の大企業とのマッチングイベントで見えた『3つの壁』

カテゴリ:国内

  • 大企業とタッグを組みたいベンチャー企業約300社がブースを出展
  • 日本では技術流出を恐れ、ベンチャーと協業する大企業は少ない
  • スピード感とリスク感を乗り越えるためのポイントは?

11日、東京都内で行われたイノベーションサミット。
国内外のベンチャー企業約300社が参加して、大企業とのアジア最大級のマッチングイベントが開かれた。

デロイト トーマツ イノベーションサミット

大企業とタッグを組みたいベンチャー企業がブースを出展。
ベンチャーと組んで、新たな事業を展開したい大企業の担当者が、真剣に話を聞く様子が見られた。

「大企業とベンチャーをつなぐ機能が不足」

デロイトトーマツグループの永田高士CEOは、「大企業とベンチャー企業をつなぐ機能が、非常に日本は不足している」と指摘。
大企業とベンチャー企業がマッチングすることで、事業や技術など新たなイノベーションを生み出すきっかけになるという。

デロイトトーマツグループ・永田高士CEO

永田CEOは、「日本自体の成長性はスローダウンしているが、非常に成熟された社会とテクノロジーは、まだまだ日本は一日の長があると思っている。その間をわれわれが取り持って、ベンチャー企業と大企業をつなぐ役割をしたい」と話した。

「リソースや資金力が乏しいので大企業はパワーになる」

イベントに参加したベンチャー企業に、何を求めているのか聞いてみると…

ベンチャー企業・株式会社I&C
「少人数で、本当にコアなところの開発をするのはわれわれにできるが、いろんな人の意見を取り入れながらという意味では、大手との協業はメリットがあると思う」

ベンチャー企業・株式会社マッシュルーム
「我々はどうしてもリソースや資金力がスタートアップということで乏しいので、サービスをともに同じ方向に成長させていただけるような会社であれば、大企業というのはすごくパワーになる存在」

ベンチャー企業・株式会社マッシュルーム

「とんがった技術を求めている」

これに対し、大企業側は...

イオンフィナンシャルサービス
「開発に関するスピード感や、いろんな組み合わせが自由にできるのが、大手のベンダー(販売会社)とは違うと思う」

NEC
「我々だけではなかなかできない新しい発想や新しい技術を、ベンチャーはある領域にすべてかけているので当然スピードも速い。特に我々は、とんがった技術を求めているんですけど、そういうところには長けているんじゃないかなと思う」

一方、すでにタッグを組んだ経験のあるベンチャーや大企業からは、お互いの認識のギャップを感じたという意見も。

株式会社I&C
「販売までに時間がかかるケースが多いので、そこは若干ストレスになるところもある」

みずほ証券
「世の中を知らないで夢を持っている人もいるし、あるいは、知りすぎてビジョンが小さいところもある。そのへんの視野をどうやって大きくしていくかというところで、努力して、面白い話に持っていければ」

マッチングは欧米を中心に広がっているが…

ベンチャー企業と大企業のマッチングの動きは、すでに欧米などを中心に広がっているが、日本では技術流出などをおそれ、ベンチャーと協業する大企業はまだ少ないという。

今回のようなイベントを通して両者のマッチングを行うことで、世界における日本の競争力強化につながることが期待される。

“スピード感”と“リスク感”に大きな壁

経営コンサルタントの松江 英夫氏は、日本企業のマッチングの難しさについて、「日本はどうしても優秀な人材やお金は大企業に集まりがち。欧米の企業はトップダウンでものごとを決められたり、人も動かしやすいのでマッチングがうまくいくが、日本の大企業は自前主義で自分の中で解決しようとするのでベンチャーと組むときに非常に大きな壁がある。特にスピード感とリスク感に大きな壁があり、これをどう越えるかがポイント」と話し、そのための3つのポイントを指摘する。

まず、一番大事なのは「世界観の共有」。
どういった社会の問題を解決したいのか、そのビジョンを共有できるかどうか。

次に「役割分担」。
ベンチャーと大企業はそれぞれ持ち味が違う。ベンチャーであればとんがった技術や独特なノウハウがあるが、一方で、人材や資金、ブランド力と信用力は不足している。
これをお互い理解したうえで補完できれば双方が成長できる。

最後に「短期的な成果」。
スピード感を持って、短期的な成果を出すことにお互い合意することが加速させていく上で大事になる。

この3点を乗り越えられるかが、日本のチャレンジになるという。

(「プライムニュース α」9月11日放送分)

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