【パラアスリートの言魂】パラ陸上 井谷俊介

カテゴリ:芸能スポーツ

  • カートレースに夢中になっていた頃、足を切断する交通事故
  • 陸上を初めて1年弱で世界大会で優勝
  • 今は東京2020のため、陸上に集中している

パラ陸上短距離界にすい星のごとく現れた井谷俊介選手。
陸上を初めて1年にも満たない2018年5月、北京GP100mで優勝。7月には関東パラでも優勝した。
さらに驚くべきは、井谷選手はカーレーサーも目指していることだ。

陸上との出会い

「小さいときからずっと車が好きで、モータースポーツが好きで、やっぱりスピードに魅力を感じます」

そう話す井谷選手の小さい頃からの夢は、プロのカーレーサーになること。大学生の頃にはカートレースに夢中になった。
しかし今から2年半前の2016年2月、オートバイの事故で右足のひざから下を失ってしまう。大学3年生だった。

突然の出来事に自分はもちろんショックを受けたが、それ以上に家族、周りの友人の落ち込みは相当なものだったという。その様子を見た井谷選手は、落ち込んでいる場合ではない、何か出来ることはないか、と考え、出会ったのが陸上だった。

一瞬の時間を競う2つの競技

「初めて板バネを借りて走ったとき、風を物凄く切っているのを感じて、自分が走っているんだって感じました」

本格的に陸上を始めたのは2017年の秋。
小さい頃から野球を続けてきたため、運動には自信があり、走るのも得意だった。陸上を始めてまだ1年も経たない2018年の5月に行われた北京GP100mに初出場し、いきなり優勝したことは周囲だけでなく、本人も驚きのデビュー戦となった。

そこから立て続けに優勝、準優勝。年齢はまだ23歳とさらなる伸びしろを残す。

さらに井谷選手はモータースポーツチームのネッツ東京レーシングの一員としても活躍している。同じチームのレーシングドライバー、脇阪寿一さんは「井谷選手には僕のレースを助けてもらっています。僕の中では、彼は義足であることを忘れてしまうような行動をする人なんですよね」と話す。

井谷選手は、「陸上」と「モータースポーツ」のコンマ一秒という一瞬を競う競技を、日々楽しんでいるのだ。

恩返しは金メダル

脇坂さんは「レーサーになりたい、陸上もやりたい。誰よりも早く走り抜ける夢。それに対して向かうひたむきな彼の努力は、色々な人に夢や希望を与えたりすると思っているんです」と、井谷選手の夢を応援している。

井谷選手の小さい頃からの夢はプロのカーレーサーになること。事故にあって足を失った今も、その夢は変わらない。

「事故にあった時に凄く感じたのは、『これからの人生、やりたいことはとことんチャレンジしよう』ということです。僕としては今、陸上とカーレースの両方をやりたいなという想いはあるんですけど、今どちらが大事かと言われたら、陸上なんです。相手がいて、目の前で競っているというのが物凄く楽しいです」

今はカーレーサーの夢を封印し、支えてくれた家族や友人、お世話になっている方々への恩返しすることを目指す。それは、2020東京で表彰台の一番高い場所に上ること。

計り知れないポテンシャルは2年後、この日本で世界に衝撃を与えてくれるはずだ。

井谷俊介(イタニシュンスケ)

1995年4月2日生まれ 23歳 三重県出身 ネッツトヨタ東京所属。
2016年2月 大学生の時にオートバイ事故で右足ひざ下切断
2018年5月 北京グランプリ(国際クラス分け認定)100mT64クラス優勝(12秒91)
2018年7月 関東パラ陸上競技選手権大会(町田)優勝(12秒05)
2018年7月 2018ジャパンパラ陸上競技大会(前橋)準優勝(12秒01)
目標は2020東京パラリンピックで金メダル カーレーサーになること

(PARA☆DO!:毎週水曜夜10時54分放送
 https://www.fujitv.co.jp/sports/parado/

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