“乗り捨て自由”で通勤短縮!アメリカで急拡大する「電動スケーター」

  • GPS搭載でQRコードを読み込み、クレジットカード決済
  • 運営する大手2社は非上場のまま約10億ドル以上の価値を持つ、いわゆる「ユニコーン企業」入り
  • 時速30km、自由に乗り捨て可能だが、急拡大の裏で規制が不十分

アメリカで働く人たちの間に、電動スケーターが大流行。
投資熱も高まっている。

アメリカ・ワシントンD.C.のホワイトハウス前。
観光客たちが使うセグウェイが目立つが、そのそばを通り過ぎる乗り物「電動キックスケーター」。

このシェアサービスが、今、全米各地で急速に拡大している。

QRコードを読み込み、クレジットカード決済

日本でもよく目にするキックスケーターに電動モーターを取り付けた乗り物で、GPS(衛星利用測位システム)が搭載されているため、利用者は登録したアプリで、最寄りの電動キックスケーターを探すことができる。

車体のQRコードを読み込めば、すぐに利用が可能で、基本料金は1ドル。

1分ごとに15セントが加算され、料金は登録したクレジットカードで決済する。

最寄りの電動キックスケーターを検索

時速30km、自由に乗り捨て可能

乗り心地は、地面からの振動が体に直接伝わる感じだが、ハンドルやアクセルは非常に簡単。

自転車のシェアサービスは、“ドック”と呼ばれる駐輪場まで取りに行くケースがほとんどだが、電動キックスケーターは、街のいたる所に置いてあり、時速30kmほどでの走行も可能。

到着後は、自由に乗り捨てができる。

シェアリングのブームの背景にあるのは、交通渋滞。
日本と比べ、公共交通機関の便が悪く、頻繁に渋滞が起きるワシントンD.C.。

記者が、帰宅ラッシュ時に使ってみたところ、渋滞でバスでは30分以上かかることもあるところが、電動キックスケーターでは約9分と圧倒的に早かった。

運営する大手2社は「ユニコーン企業」入り

利用者は、「病院2カ所とランチ、用事を2つをこなした。車の代わりにどこにでも行きたい所に行ける」「タクシーより安いし、簡単だし、とても面白い」などと話した。

シェアを運営する「バード」や「ライム」といった大手の会社は、2017年に創業したばかりだが、その企業評価額が、それぞれ20億ドル、10億ドルを上回り、非上場のまま、約10億ドル以上の価値を持つ、いわゆる「ユニコーン企業」入りをしたとして注目を集めている。

追いつかない規制

一方で、歩行者とぶつかりそうになり急ブレーキをかけたり、車道を逆走、また、歩道でスピードを出す「電動キックスケーター」も。

ナンバー取得が必要なく、法律上はモーター付き自転車やセグウェイと同じ扱いだが、急拡大の裏で、規制が追いついていないのが現状だ。

ワシントンD.C.交通局は、これまで、歩行者への配慮や駐車に関する指針は示してきたが、8月末、長期的な運用を念頭に新たなルールを発表。
2018年12月までを施行期間として、規制を準備。
2019年1月には、その規制を正式に導入するとしている。

いち早くルール作りを…

津田塾大学の萱野 稔人教授は、「日本でも広がる可能性があるならシェアリングサービスを提供しようとしている企業は国や自治体と早くから緊密に連携することでルール作りを進めてほしい。サービスが広がってからルールを作ろうとすると民泊のように住民からの反発が出て規制がより厳しくなって市場が縮小する。いち早くルール作りをするのが重要だと思う」と指摘する。

(「プライムニュース α」9月3日放送分)

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