9年間いじめをうけた少女を救った一言

  • 9年間のいじめを1人で抱え込んだ少女
  • 「親には心配かけたくなかった」しかし、心は限界に・・・
  • どんな方法でもいいから、SOSを

命を絶つ子供が急増する夏休み明け─。
いじめや引きこもりに悩む子供たちの相談にのる ”駆け込み寺”を島田彩夏キャスターが取材し、子と親の切実な思いを聞いた。

「この子の将来、どうなってしまうの? 」

8月最終日、都内で開催されたのはその名も「出張駆け込み寺」。
新学期を前に、いじめや引きこもりなどに悩む子供やその家族に向けた相談会が開かれていた。

参加した母親の一人が思いを打ち明けた。
「うちの子には行きたい気持ちがある。でも行けない。絶対行きなさいとはやはり言えないし、この子の将来どうなってしまうんだろうという不安を日々抱えている」

母親の相談にのった、イベントの主催者で小学校元校長の仲野繁さんは、「不登校をよしとしてはいけないんです。我々は相談で終わりませんので、解決まで持って行きます」と励ます。

一人で悩みを抱え込まずに打ち明けてほしいーそんな思いから、「出張駆け込み寺」の会場には、弁護士や臨床心理士、いじめ防止に取り組む専門のスタッフが集結していた。

9年間いじめに・・・親に言えず一人で抱え込んだ少女

現在、高校1年生のAさん(15)。
小・中学校の約9年間いじめを受け、 不登校も経験したというAさんと父親に話を聞くことができた。

1さんは自らが受けたいじめについてこう語る。
「小1の時、クラスメイトの男の子のお道具箱が自分の手に当たって落としてしまった。それを拾おうとしてしゃがみこもうとしたら、急に蹴り始めてきた。2年生くらいの時からは、悪口など精神的な攻撃をしてくるようになった」
以来、小学校では言葉の暴力や精神的な苦痛をずっと受け続けたという。

「親には心配かけたくなかった。」しかし、心は限界に・・・

小学校卒業間近の冬、ついにAさんの心は限界に─。
両親が娘のいじめを知ったのは、Aさんが小6の冬だった。

父親は当時のことをこう振り返る。
「親に心配かけるからということで、いじめのことを言わなかったんですよ。ある日、突然、本人が母親の前で泣き出して、"実はこうだったんだ"って言ってくれた。正直、娘がいじめられているというようなことは気付かなかった」
小学校6年間のいじめを一人で抱え込んでいたというAさん。
当時の心境について、「泣いたりもしたけど、親には心配かけないって・・・家では、親の前では泣かなかったかな・・・」と振り返る。

「夏休み明け、またあの人たちに会わなくちゃいけないと思うと、 学校に行きたくなかった・・・」 

いじめは小学校だけで終わらなかった。
卒業後、地元の中学に進学すると、クラスの半数以上が同じ小学校出身だった為、Aさんへのいじめはおさまらなかった。
夏休みなど、長い休みのあとは学校に行きづらかったという。

「長い休みが終わったりするとまたあの人たちに会わなくちゃいけないんだとか、また何かされるのかなっていう不安もあったりして、それで行きたくなくなって、だんだん行かなくなっちゃったりして・・・」

島田キャスターがAさんに尋ねた。
「辛い質問ですが、ちょっとでも自分なんて、いなくなってもいいやと思うことはあったんでしょうか?」

これに対し、Aさんは 「だんだん悪口とか陰口とかで否定されていくにつれて考えたくなくても自分は必要ないんじゃないかとか、本当にいなくなってしまいたいと考えるようになってました」と胸の内を明かした。

中学卒業後は、自宅から離れた高校に進学したAさん。
現在は新しい環境で、学校生活を送っている。

Aさんは最後にこう訴えた。
「親とか、誰でもいいから話せる人に相談して。逃げたかったら逃げても、いろんな道がある夏休みが終わっても、お休みとかは全然していいと思います」

編集後記 「あなたがいなくなったら悲しいよ」の一言 島田彩夏

取材したイベントの主催者の仲野さんは小学校の元校長で、子供が学校に行けない状況を許しているのは学校の怠慢だとおっしゃっていて、学校の環境を変える取り組みもしていらっしゃいます。

そして、話をしてくれた15歳のAさんは、いじめを受けていたとき、「消えてしまいたい・・・と思ったことが何度もある」と話していました。
しかし、友達の「あなたがいなくなったら悲しいよ」という言葉に勇気づけられ、踏みとどまったと話してくれました。
今苦しくて学校に行けそうにない人に対しては、Aさんは、「行かなくても大丈夫だよ」と言っていました。
「新しい道は色々ある」とも。

まずはお父さん、お母さん、信頼している友達に話してみてください。
近くに相談できる人がいない人には、先日も紹介したように、SNSで相談を受け付ける窓口や電話で相談できる連絡先があります。
取材した「HLA(ヒューマン ラブ エイド)」もメールなどで相談を受けていて、弁護士や臨床心理士につないだり、問題の内容によって専門家と連携して具体的な解決につなげようとしています。

どんな方法でもいいので、SOSを出してください。

(「プライムニュース イブニング」8月31日放送分より)

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