相次ぐ『脱プラ製ストロー』は追い風か?代替素材バイオプラスチックのメーカーに聞いた

カテゴリ:国内

  • 脱プラ製ストローの動きが広がる中、注目は「バイオプラスチック」
  • 三菱ケミカルが昨年から製造しているのが「BioPBS」
  • 「代替素材として顧客からの強い要望が多数寄せられています」

大手企業で相次ぐ「脱プラスチック」の動き

アメリカのスターバックスが7月、プラスチック製ストロー提供の中止を発表した。
理由は、プラスチックごみによる深刻な海洋汚染。

こうした動きは日本にも波及し、「ガスト」などを運営するファミリーレストラン大手のすかいらーくホールディングスは、2020年までに国内外約3200店全てでプラスチック製ストローの利用をやめると発表した。

日本の外食大手では初めての取り組みで、年内に「ガスト」約1370店でストローを廃止。必要に応じて代替ストローの導入を検討している。

また、家具販売大手のイケア・ジャパンは、2020年までにストローやごみ袋といった使い捨てプラスチック製品7種類の販売を中止することを発表した。
再生可能な原材料に切り替えるなどして、環境保護に取り組むという。

環境省はプラスチックごみ削減を後押し

こうした中、環境省が、プラスチックの代替品として注目されている紙ストローやトウモロコシなど植物に由来する「バイオプラスチック」と呼ばれる素材への切り替えを後押しする方針であることが分かった。

製造企業の設備投資に補助金を出す制度をつくり、2019年度予算の概算要求に50億円を計上することにしている。

「バイオプラスチック」メーカーに追い風?

世界的な脱プラスチックの流れや環境省の方針は、「バイオプラスチック」を製造するメーカーにとって追い風となっているのか?

バイオプラスチック「BioPBS(バイオピービーエス)」を2017年5月から製造している、三菱ケミカルホールディングスの広報担当者に聞いた。

提供:三菱ケミカルホールディングス

――「BioPBS」はどのようなプラスチックなの?

主な原料は植物由来で、土の中の微生物の力によって水と二酸化炭素に自然に分解される「生分解性プラスチック」です。

一般的な生分解性プラスチックの中では高い耐熱性を持ち、繊維などとの相溶性(※複数の物質を混合した場合、分離せずに混ざり合う性質)も高いという特徴を有しています。

――「BioPBS」は主に何に使われている?

従来の用途である「農業用フィルム」や「コンポスト袋」に加え、「コーヒーカプセル」など食品包材用途における使用が増加しています。

最近は、ヨーロッパにおけるプラスチック製品を規制する動向に対応した需要として、ホームコンポスト、多層バリア包材、バイオ度の向上が求められており、顧客とプロジェクトを推進しています。

提供:三菱ケミカルホールディングス

「需要動向を注視し、増産も検討予定」

――BioPBSは年間、どれぐらい製造している?

現在、BioPBSは主な原料の約半分が植物由来ですが、これを今年度中に100%にすべく取り組んでいます。
足元の生産量は非公開ですが、年に2万トンを生産する能力はあります。

――今後、増産する予定は?

現時点では具体的な増産計画はありませんが、需要動向を注視し、増産も検討していく予定です。

――世界的な脱プラスチックの動きはビジネスチャンスと捉えている?

プラスチックの代替素材として生分解性プラスチックへの置き換えに向けた顧客からの強い要望が多数寄せられており、BioPBSにとってのビジネスチャンスと捉えております。
また今後、このような動きが他のプラスチック製品へも波及することを期待しております。

――今後、BioPBSを使用したストローが販売される可能性もある?

今は、ストローメーカーにBioPBSのサンプル品を見せ、売り込みをかけているところです。

担当者によると、ストローはこれまで製造していなかったが、メーカーに対して売り込みをかけているところだという。
環境保護の観点から「脱プラ製ストロー」の流れは続くと思われるだけに、代替素材に“ストロー特需”がもたらされることはあるのだろうか。