会社の極秘書類「タダ」で処理します!クラウドファンディングで8000万円超を集めたサービスとは?

カテゴリ:国内

  • カギ付きのゴミ箱(溶解処理ボックス)をオフィスに無料で設置
  • デジタルサイネージ広告の費用で無料化を実現する
  • ベンチャーキャピタルに全て断られたアイディアだった

「タダより高いものはない」こんな言葉は過去の遺物なのかもしれない。
今や、タダで使える公衆Wi-Fiはそこら中に飛んでるし、YouTubeなら動画はタダ、LINEを使えば通話もタダ。
さらに、機密書類をタダで処分する新しいサービスがクラウドファンディングに登場すると、開始3時間で8,500万円に達し(8,290万円で確定)、注目度の高さを示した。

それにしても、企業の製品開発や契約に関わる書類、顧客や社員の個人情報の含まれた書類といった、社外に漏れたらまずい機密書類をタダで処分というのはどういうサービスなのだろうか。

その新サービスは「e-Pod Digital」。
ベンチャービジネスに詳しい人なら、この「e-Pod(イーポッド)」という名前に聞き覚えがあるだろう。

「e-Pod」は、オフィスで不要になった書類などを専用ダンボール箱に入れて発送すると、コピー用紙やメモ帳などのノベルティグッズにリサイクルして送り返すという世界初のサービス。
書類は溶解処理を行うので文字や形も全く分からなくなり、機密書類にも対応しているという。

「e-Pod」は、2017年9月にスタートして以来、日本郵政などの大手が取引先になったことなどで注目されていた。
今回は、その基盤を生かした新たなサービスだ。

デジタルサイネージ広告の費用で無料化

新サービス「e-Pod Digital」は、賛同する企業にデジタルサイネージ(電子モニター)広告を表示するカギ付きのゴミ箱(溶解処理ボックス)を無償で設置し、これまで有料だった溶解処理費用を広告費で無料化しようというもの。
リリースによれば、溶解処理は焼却よりCO2排出量を抑えた環境に優しいリサイクルができるので、設置する企業も広告を出す企業もSDGs・ESG領域での貢献に寄与できるとして、すでに国際特許も出願済みだという。

SDGsとは、2015年9月に国連本部で掲げられた、人間、地球及び繁栄のため、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標」のこと。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)に配慮した優れた経営をしている企業。

ただ、機密書類については社内でシュレッダーにかけるなどの対応もできる中、なぜここまでの資金が集まったのか?
カギが付いているとはいえ、情報管理など機密書類を安全に処理しているかどうやって証明するのか?
「e-Pod」を運営する TAAS 株式会社、代表取締役兼 CEOの大越隆行さんに聞いてみた。

シュレッダー処理より優れている点は3つ

――シュレッダーと比べた「e-Pod Digital」のメリットは?

メリットは大きく3つで、
1、処理コストがゼロになったことによる圧倒的な経費削減効果
2、生産性が上がる(シュレッダーにかける工数が無くなるため)
3、SDGs実践企業として、本取り組みや活動をPRできる
この3点でシュレッダーよりも優れているため、引き合いのお話を多数頂戴しています。 

――情報管理など安全に処理しているか、どうやって証明するのか? 

「e-Pod」と同様に、処理された段階で「処理証明書」を発行します。
プラットフォームのマイページで関係者がいつでも閲覧・ダウンロードできるようになっています。

さらに、提携している処理工場は、24時間365日、監視カメラで入館・退館を管理しているという。
関係者以外が限りなく侵入しにくい高セキュリティレベルのエリアで適切に処理を行なっているとしている。

――「e-Pod」は利用者が発送していたが、「e-Pod Digital」はどうなるのか?

「e-Pod Digital」も発送処理する際は、導入企業さまの従業員の方がカギを開け、ガムテープで箱詰めをした状態で日本郵便に集荷してもらうという事には変わりありません。
原則として、その企業の方ではない者が勝手にe-Pod Digitalを開けさせるようなことは致しません。

――料金面と溶解処理ボックス以外は同じなのか?

はい。溶解処理をしてノベルティグッズが還元されてくる、という点は踏襲しています。
ただe-Podは1ヶ月毎にノベルティが還元されてくるのが、今回のe-Pod Digitalでは、3ヶ月に1度にまとめて発送するオペレーションへ変化させています。

ベンチャーキャピタルには全て断られた

「e-Pod Digital」のデジタルサイネージ(電子モニター)は、今まで「チラシ」「電話」「飛び込み営業」などが主だった、企業から企業へのPRの新しい手段となるとしている。
しかしオフィスの端の方に置かれたら誰の目にも止まらないのではないだろうか?

――置き場所は自由なのか?電子看板が見えないようにしてもいいのか?

置き場所や置き方、活用手法は設置企業さまにお任せする形となります。
ただ、原則シュレッダーやコピー機、現状ある溶解処理ボックス付近に置かれるのが良いかと思います。
看板が見えないようにしてもダメではありませんが、デジタルサイネージの機能として設置企業さまの社内のイントラ情報を社内周知用として発信する機能が付いていますので、見えるようにしておいて頂いた方が活用する上では便利だと思います。

――デジタルサイネージは24時間ずっと広告を表示しているのか?

いえ、ずっとではありません。 
たとえば朝10:00~19:00までなど、就業時間内をベースにする形になります。

――目標募集額を上回る多額の応募があったことを、どう受け止めている?

何より、今回の資金調達までのスピード感に未だに信じられない、それが本音です。
起業家にとって、新たな資金調達の手段の1つになると本気で感じています。

私の場合、ベンチャーキャピタルに約60社ほど駆け寄りましたが、全て断られ、相手にもされませんでした。
今回のような調達スピードの速さは、何より起業家の私にとって重要に思っています。


――最後に、赤い紙を大量に廃棄するとノベルティも赤くなるのか?

他社の廃棄物も混在していますので、自社が出した廃棄物が赤だからと言って赤いノベルティになるということはありません。

ベンチャーキャピタルには断られたアイディアが、クラウドファンディングでは支持されるというのも今の時代っぽくて面白い。情報管理が厳しく求められる時代に、今回の新サービスがどのように受け入れられていくのか今後を見守りたい。