『別れさせ工作』は公序良俗に反するのか? 報酬金巡る対立に注目判決

 

  • 『別れさせ工作』の報酬金をめぐり依頼人と業者が対決
  • 争点は公序良俗に反するのかどうか
  • 工作活動は法律に抵触するおそれも

『別れさせたい相手がいる』

そんな依頼を受けた探偵業者が工作員の誘惑、いわゆるハニートラップなどで恋人などを破局に追い込む『別れさせ工作』。

その『別れさせ工作』をめぐる注目の判決が8月29日大阪地裁で下された。

女性工作員が『別れさせ工作』

ことの発端は2016年4月。依頼人の男性が元恋人の女性とヨリを戻すことを目的に大阪市内の探偵業者に『別れさせ工作』を依頼。

着手金や成功報酬など、あわせて約130万円で契約を交わしたのだ。

探偵業者側の女性工作員は元恋人である女性の、新たな交際相手を待ち伏せし道を尋ねるふりをして接触。

連絡先を交換し、食事をするなどした。

その後、女性工作員は、元恋人の女性に接触し『彼氏が浮気をしている』と暴露したのだ。

その後、依頼人の要望通り、元恋人の女性は新たな交際相手と別れることになった。しかし…

報酬をめぐり依頼人と業者が対立

依頼人男性が報酬の支払いを拒否し、探偵業者と対立。

そこで業者側が未払い分およそ70万円の支払いを求めて提訴したのだ。

依頼人は「目的達成のためにとられた手段は肉体関係を迫ることもいとわないような方法でされた」などと、別れさせ工作が公序良俗に反するため「契約そのものが無効」と主張した。

一方、業者は「肉体関係を持つことで目的を達成することは禁止したし、実際にそのような方法で目的を達成したことはない」と反論。「関係者すべてが未婚で自由恋愛が認められる環境にあったこと」などを理由に公序良俗に反さないと主張した。

「公序良俗に反するとまではいえない」

裁判の主な争点は、今回の『別れさせ工作』が“公序良俗に反しているかどうか”だ。

今年1月、1審の大阪簡易裁判所は“反さない”と判断。依頼人はこれを不服として控訴した。

そして8月29日、大阪地裁の控訴審判決では工作の方法は“食事など”だったとして

『人倫に反し関係者らの人格、尊厳を傷つける方法や、関係者の意思に反してでも接触を図るような方法であったとは認められず公序良俗に反するとまではいえない』

と、報酬金を支払うよう求めた一審の判決を支持した

協会は『別れさせ工作』の自主規制促す

探偵業界内にも『別れさせ工作』をめぐっては

「依頼人の弱みにつけこむ不適切な行為がある」

「悪徳と言われても仕方ない探偵社もしくは探偵社を偽装するものが、人の弱みにつけこんでお金を騙し取るための1つの方法」

「我々探偵業者は調査によって真実を明らかにするのが仕事」

といった声があがっている。

一方、およそ200の探偵事務所が加盟する日本調査業協会は『別れさせ工作』について“法律に抵触する恐れがある”として自主規制を促している。

(「プライムニュース イブニング」8月29日放送分より)

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