移籍を選んで成長した。本来の力を発揮する為に必要なこと【Bリーグ】

小野龍猛(千葉ジェッツ)

カテゴリ:芸能スポーツ

  • 出場機会を欲し、トヨタから千葉に移籍した小野選手
  • 千葉ジェッツでチームの主力として活躍、水を得た魚となった
  • アーリーカップ、Bリーグ優勝目指して成長する

bjリーグからNBLへの移籍

千葉に移籍後は得点源の一人として活躍を続けている小野

小野龍猛の成長は、千葉ジェッツの発展と比例している。小野が出場機会に恵まれなかったトヨタ(現アルバルク東京)を飛び出したことと、千葉がbjリーグを脱退してNBLに加盟したことは、いずれも2013年に起こったことだ。

トヨタ時代の小野は、選手層の厚いチームの中で試合のほとんどをベンチで過ごしていた。3年目は合計出場時間が150分から92分まで減少し、フラストレーションを増すばかり。当時のチームメイトで現在栃木ブレックスに所属するジェフ・ギブスは、「もっと出場機会を与えられてもいい選手」と小野を評価していた。

オフのトレーニングで身体を絞り、練習でも動きにキレがあった小野

「僕はどこで判断されるかわからなかった。練習がすごく良くても使われなかったし、当時アシスタントコーチだった伊藤拓摩には言いました。“どこでアピールすればいいのか?”と。試合時間残り1分半でアピールしろということだけど、それは難しい。1本シュートを決めて、というだけじゃつまらないですよ」

こう振り返る小野は、自分の力を試すためにトヨタから移籍することを決断。千葉を選んだ理由は、bjリーグからNBLに入ることへの魅力だった。移籍1年目の2013-14シーズン、小野は平均14.3点、5.1リバウンドという現在も自己最高として残っている数字を記録。千葉への移籍が正しいことを証明した。

千葉で水を得た魚となった

ところが、チームは20連敗を喫するなど大苦戦。そんな状況であっても、小野はジェッツファン(ブースター)の温かいサポートを感じながら、試合に出られることを存分に楽しんでいた。レジー・ゲーリーコーチのスタイルが浸透した2014-15シーズン、小野は日本人選手でチーム最高となる平均12.2点をマークし、チームも34勝20敗という好成績を残してNBLプレーオフ進出。これは小野のキャリアと千葉の歴史にとって、大きな意味があった。

小野は言葉よりも行動でチームを牽引するタイプのリーダー

NBLとbjリーグが統一されてBリーグが誕生した2016年、千葉は新ヘッドコーチとして大野篤史を招聘。前のシーズンにパワーフォワードのポジションで苦しんだ小野は、本職のスモールフォワードでプレーする機会を与えられると、水を得た魚のように本来の力を発揮した。

「人の個性を殺さない。その人が持っているものを最大限出そうとしてくれますし、その中で篤史さんが求めるトランジション・バスケットからアドバンテージを出してくれていますので、そこは選手としてやりやすい」と話すように、197cmの身長とシュート力を武器に、8.6点まで下がった平均得点は12.3点まで上昇。チームはBリーグの1年目のレギュラーシーズンでは44勝16敗という好成績を残し、天皇杯初制覇という歴史も作った。

ポストアップからの得点は小野が持つ武器の一つ

B1制覇を目指して挑んだ昨季、小野はアシストで自己最多となる平均3.3本を記録し、得点機会をクリエイトできる選手へと成長していった。体重を落として身体のキレと機動力を増したことで、ディフェンスの貢献度もアップ。シーホース三河を破って天皇杯2連覇を果たした試合はその象徴であり、小野は4本の3Pを含む18点、5アシストを記録する一方で、得点力のある金丸晃輔を15本中5本のシュート成功に限定させたのである。

昨年の悔しさをぶつける

みずからの仕掛けからチームメイトを生かせるようになった昨季はアシスト数が増加

大野コーチの下でシーズンの経過とともに完成度を高めていった千葉は、激戦区のB1東地区を制覇し、チャンピオンシップもファイナルに進出。天皇杯との二冠達成まであと1勝に迫ったが、アルバルク東京にその夢を阻まれた。小野は昨季を次のように振り返る。

「チームとしての完成度がすごく高く、最初から機能していた感じがしていたので、勝ち星を順調に重ねました。(富樫)勇樹がケガ(で欠場)をしながら天皇杯を取れたことで、チーム力がアップしたと思いました。彼が戻ってきてからもう一度全員でバスケットができて、しっかりファイナルまで進めた過程まではすごくよかったと思っています。もちろんあの場面で勝てなかったのは、まだ何か足らなかった感じがしますけど、一発勝負なので何が起こるかわからない。でも、そこに持っていけなかった自分たちがいたので、そこはしっかり反省し、新チームがいい形で臨めればと思います」

チームの飛躍と自身の成長を比例していることからすれば、ミスター・ジェッツと呼ぶにふさわしい

9月7日に開幕するアーリーカップは、小野と千葉ジェッツにとって新たな歴史の1ページ、B1制覇を目指して戦う長いシーズンの第一歩。観客が入った中での試合にやりがいを感じ、開催地である栃木の雰囲気も好きという小野は、「僕は(在籍が)一番長い選手になりましたので、そういった選手がもっと引っ張っていけたらと思います。チームも会社とともによくなってきていますので、そこを壊さずに一つ一つのタイトル、昨季手にできなかったアーリーカップ、Bリーグ制覇を目指して成長できれば」と強い意欲を示した。

【B.LEAGUE EARLY CUP 2018 】
https://www.bleague.jp/earlycup2018
関東大会:9月7日(金)8日(土)9日(日)会場:ブレックスアリーナ宇都宮https://www.fujitv.co.jp/sports/basketball/earlycup/index.html

取材・文/青木崇 Interview and text by Takashi Aoki

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