信頼できる指揮官との再タッグ。目指すはブースターも楽しい100点ゲーム【Bリーグ】

川村卓也(横浜ビー・コルセアーズ)

カテゴリ:芸能スポーツ

  • B1に残留できたこと以外は、モヤモヤ感があるシーズン
  • 新ヘッドコーチとの再タッグで、モチベーションは上がっている
  • 今季こそチャンピオンシップ進出目指し、内容のある勝利を

全ての人の覚悟が足りない

川村はブースターと勝利を味わう機会を増やすことに貪欲©B-CORSAIRS/T.Osawa

2018年5月19日。B1生き残りをかけた富山グラウジーズ戦で、川村卓也はゲーム最多となる22点を奪い、横浜ビー・コルセアーズを勝利に導いた。17本中3本しかシュートを決められなかった1年前のサバイバルマッチと違う結果になったが、B1に残留できたこと以外は、モヤモヤ感があることを否定しない。

「過去2年間同じことを繰り返してしまったということは、チームという組織としてまったく成長できなかった部分だと思うんです。日本人選手はほぼ変わらず迎えた2年目も、すばらしいアメリカン・プレーヤーが来てくれたというところでも、うまくそこを生かせない時間帯も長かったですし、足踏み状態が続くことが多かった2年だなと、入れ替え戦を終わってから振り返りましたね。
このチームに関わっている人間すべてに覚悟が足りないと思うことが結構あって、CSに出るためにどれだけ死に物狂いになっているかというのが、結構チームの中でも温度差を感じることが正直ありました」

信頼するヘッドコーチと結果を出す

今の川村はチームリーダーとして辛抱強さ、エゴを出すタイミングのバランスを重視している©B-CORSAIRS/T.Osawa

ひざの故障に長い間苦しみ、まったく役割に順応できずに苦しんだ三菱電機時代(現名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)に比べれば、川村は横浜での2年間で日本人トップレベルのスコアラーであることを改めて証明。しかし、チームは苦戦が続き、ヘッドコーチがシーズン途中で交代する事態が2年連続で起こってしまう。

横浜の経営陣は事態の改善を図るため、栃木ブレックスを初代B1王者に導いたトーマス・ウィスマンをヘッドコーチとして招聘。栃木時代の2010年にJBL制覇を果たした指揮官との再タッグが実現したことに、川村のモチベーションはさらに上がった。

「今シーズンで一番楽しみなのは、過去一緒にチームで戦ったことのあるトムがヘッドコーチにいてくれるところ、それは僕にとって心強いですし、一度彼には優勝させてもらっているので、彼を信じ、彼のやることをコートの上でレベル高くプレーすることができれば自信となり、のちに結果につながっていくと思っています」

試合中の川村は勝利にこだわるからこそ喜怒哀楽が表に出る©B-CORSAIRS/T.Osawa

ウィスマンの目指すバスケットボールは、厳しいディフェンスから速い展開のオフェンスに持ち込むこと。そのやり方を熟知している川村は、「僕のことを得点源として考えてくれていますし、フォーメーションを含めていろいろ作り出してくれています。過去に一緒に戦ったことがある分、彼のやりたいバスケットは他のみんなより理解しているつもりです。それをうまく言葉にして、身体で表現して、他の選手に一つでもきっかけを与えて、チーム力(アップに)つなげていければと思います」と、自身の役割がいかに重要かを認識している。

長い間ひざの故障に苦しんだ川村だけに、ウィスマンの走るバスケットをシーズン通じてやりきれるのか?という不安を感じる人もいるだろう。しかし、「横浜のケア体制というのは今までのキャリアの中でもトップに位置する能力を持っている方々がいたり、病院だったりというところはレベルが高い」と語るように、ひざと上手に付き合う術を覚えた。オフの間にシーズンを戦い抜くための準備、身体のケアをしっかりやってきたという自信が川村にはある。

今年のビーコルを表現したい

“B1残留争いはもうこりごり。今季こそチャンピオンシップ進出”というのが、川村と横浜にとっての大きな目標だ。アーリーカップで東地区の強豪と対戦できることは、チームの現状と課題を知る絶好の機会。内容のある勝利であれば、チームにとって大きな自信になると川村は感じている。

ウィスマンコーチの走るバスケットを表現する術を知っている川村©B-CORSAIRS/T.Osawa

「自分たちがその場でやりたいバスケットを完成度高くやって勝つかが大切だと思っていますが、その時期は完成度の高いものにならないものです。例えば、今シーズンのテーマで言ったら走るバスケット。どうやって総得点を伸ばせるのか?100に近づければ見ている人も楽しいでしょうし、日本のバスケットボールの中で100点ゲームはなかなかない。そういった意味ではより簡単なレイアップや速い展開が出ることによって、楽しさを共有できるし、チームとしての求めているものというのが合致してくるので、走るバスケット、縦に切るバスケットを展開しながら、今年のビーコルを表現したいなと思っています」

ブースター(ファン)と勝利の喜びを1試合でも多く共有したいという強い思いを胸に、川村はトップリーグの選手として14年目のシーズンを迎える。

【B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO】
https://www.bleague.jp/earlycup2018
関東大会:9月7日(金)8日(土)9日(日)会場:ブレックスアリーナ宇都宮https://www.fujitv.co.jp/sports/basketball/earlycup/index.html

取材・文/青木崇 Interview and text by Takashi Aoki

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