いくつも発生した積乱雲同士が合体!? 関東で2万回も落ちた雷と豪雨の理由

カテゴリ:暮らし

  • 帰宅の足に大打撃!関東を襲った激しい大雨 
  • 電車運転見合わせや各家庭で停電など、落雷の影響も大きかった
  • 台風のような風も吹き荒れていた

数年に一度の危険な雨量

27日夜、関東地方は局地的に雷や突風を伴った激しい雨に襲われた。
東京・世田谷区では午後9時までの1時間におよそ110ミリの雨が降ったと見られ、数年に一度の危険な雨量とみなされる「記録的短時間大雨情報」が発表された。

東京・目黒区では、大雨の影響で目黒川が増水。午後9時ごろにはいつ氾濫してもおかしくない「氾濫危険水位」を一時的に越えた。

さらに落雷により、関東全域で約8000軒が停電。京王線や京王井の頭線の全線で運転を見合わせるなど、帰宅時間帯の足にも影響が出た。

この時、いったい上空では何が起きていたのだろうか?「直撃LIVEグッディ!」スタジオで、寺川奈津美気象予報士が解説した。

安藤優子:
27日の夜、東京中心を襲ったゲリラ豪雨。改めて各地の様子をまとめて見ると、こんなことになっているなんて、驚きでしたね。北村弁護士はこの時、どちらにいらっしゃいましたか?

北村晴男弁護士:
私は赤坂の事務所にいたんです。遠くで雷が鳴ってるな~とは思ってたんですけど、全然わからなかったです。

安藤:
そうなんですか!高橋さんは?

サバンナ高橋:
僕はちょうど午後8時くらいに目黒川のあたりを車で通ったんですけど、その時は全く降ってなくて。午後9時くらいにまた通ったら、その時には雨は止んでいたんです。1時間くらいの間にめちゃくちゃな雷と雨で。室内にいても怖いくらいでしたね。

安藤:
本当に短時間に起きたことだったんですね。

次から次へと発生した積乱雲

寺川気象予報士:
それでは、27日の雨雲の様子を振り返りましょう。午後3時から点々と雨雲が発達し、夜になるにつれ局地的に発達しました。そして積乱雲同士が合体するような形で南下し、比較的大きな積乱雲が都心周辺を襲いました。1つの積乱雲でしたら寿命は数十分なんですが、このように大きなものになってしまうと、寿命が1時間以上続きます。さらにこういったものは動きも遅いので、同じ場所で降り続き、記録的な大雨をもたらしました。

安藤:
次から次に積乱雲が発生したということですか。

寺川:
そうなんです。27日は35℃以上の猛暑で、空気は熱くなると軽くなるので上に持ち上がりやすくなっていました。さらに秋雨前線が南下してきていたので、積乱雲が発生しやすい状況でした。そしてその積乱雲が、運悪く合体してしまったんですね。

関東で約2万個も落雷

木下康太郎フィールドキャスター:
こんなに落ちるのかというくらい、ものすごい数の雷が落ちました。落雷レーダーを見ていくとこのようになっています。

・関東で確認された雷の数は約2万個
・関東で落雷が最も多かった地域は東京23区内西部(世田谷区・杉並区・目黒区・練馬区・板橋区など)
・東京電力によると、東京都で約5600軒、埼玉県で約2200軒、茨城県で約200軒が停電
・京王線、京王井の頭線では一時運転を見合わせ

木下:
スタジオの皆さん、停電の影響を受けた方はいらっしゃいますか?

安藤:
身近にはいました。練馬区にお住まいの方が、自分の家の目の前の家はついてるのに、自分の家からは停電して、3時間くらい復旧しなかったって言ってましたね。

高橋克実:
この暑い中、停電ってなかなかつらいですよね。冷蔵庫も気になるし、冷房も使えないなんて。

安藤:
そうですね。落雷数2万個って、想像のつかない量ですね…

克実:
空が光っただけじゃなくて、どこかに落ちてるわけですもんね。

台風のような風速“ダウンバースト”現象

木下:
27日は雨もすごかったんですが、風もすごかったです。栃木・宇都宮市では13.6m/s、そして東京・練馬区では最大瞬間風速25.1m/sを記録しました。

安藤:
え!?台風みたいですね!なんでこんなに風が吹いたんですか?

寺川:
これは、ダウンバーストという現象が起こったと推測されます。ダウンバーストは発達した積乱雲からもたらされるものなんですが、先ほど説明した通り、27日は積乱雲が発生しやすい状況でした。

寺川:
これは26日に関東で目撃された“かなとこ雲”というものなんですが、大気の状態が非常に不安定で、このような形の雲ができました。

克実:
すごい形ですね。“ラピュタ雲”とも言うんですか。

寺川:
はい、雲の中で雷が光るんです。こういった雲の中では何が起こっているのか?これだけ大きく発達すると、積乱雲の上部にはやがて冷たい空気が生じるんです。この冷たい空気が、雨粒とともに下に落ちてくるんですが、冷たい空気は重いので、ものすごいスピードで降りてくるんですね。この吹き下りてきた風が水平に広がって、瞬間的に25m/sなどと観測されるような、突風をもたらすんです。場合によっては竜巻と同じくらいの突風をもたらす恐れもあるので、ダウンバーストは非常に危険なものです。

安藤:
そうなんですね。27日、私たちが放送中に、栃木県全域に竜巻注意報が出ていましたよね。あれも前兆のようなものなんでしょうか。

寺川:
まさにそうですね。竜巻注意情報が出てきたということは、“発達した積乱雲がすぐ近くにできてるよ”ということを表しています。こういった雲の中で竜巻もできますし、ダウンバーストのような突風をもたらす恐れもあるので、注意が必要ですね。

木下:
最後に、28日の天気について教えてください

寺川:
28日は、27日ほどではありませんが、北陸や東北付近に発達した雨雲があり、新潟県には土砂災害警戒情報も継続して出ています。夜は特に東北や北陸を中心に警戒をしてください。関東付近もパラッと雨の降る可能性はありますが、27日ほどの状況には結びつかないと思います。ただ、週末はまた前線が南下してきそうで、雷雨となる恐れがあります。土曜日を中心に天気の急な変化にはご注意ください。

(「直撃LIVE グッディ!」8月28日放送分より)

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