夏休み明けの自殺を防ぐ!“学校に行く”は「絶対」じゃない ―プライムニュースイブニング 子どもの命を守るために―

夏休み明けのこの時期は、子どもたちの自殺が多くなるという統計が出ている。
過去10年の月毎の自殺者数を見ても、8月下旬から9月上旬に急増するのがわかる。
子どもたちのSOSを見逃さないためにどうすればいいのか、島田彩夏キャスターが取材した。

夏休みが終わる今こそ、子どもたちに手を差し伸べて

島田キャスターが取材に訪れたのは、8月25日から都内で始まったとある展示会。

壁には、あどけない子供たちの写真や、親から子供へのメッセージが掲げられている。
この「心と体を傷つけられて亡くなった天国の子供たちのメッセージ」展では、いじめや事件で心と体が傷つけられ、亡くなった13人の子どもたちの写真やメッセージが紹介されていた。

島田キャスターが目を留めた母親からのメッセージには、「あの日の朝ごはんおにぎりでごめんね」と書いてあった。
母親たちにとって、愛するわが子を亡くした「あの日」のことは、どんな小さなことでも忘れることのできない思い出であることがメッセージからもうかがえる。

夏休みが終わり、新学期が始まる9月1日前後は、子どもの自殺が最も多い時期として、国や教育委員会なども注意喚起を行いその防止に努めている。

先ほどの展示会を主催するジェントルハートプロジェクトの小森氏もこう話す。
「実は9月1日よりも前に亡くなっている子どもが今非常に多くなっています。その子どもたちにとってみれば、今、“命のカウントダウン”が始まっていると言っても過言ではありません」

夏休みが終わるこの時期は特に、子どもたちに手を差し伸べる重要なタイミングなのだ。

息子の自殺から12年 自問自答を繰り返す母の苦悩

この日、島田キャスターが取材した森美加さん(48)は、2006年10月、福岡県筑前町の中学校に通っていた、当時2年生の息子・啓祐(けいすけ)くんをいじめによる自殺で亡くした。

自宅倉庫で首を吊っているのを祖父が見つけ、傍らには「ダメな息子でごめん、いじめられてもう生きていけない」など、いじめを訴える遺書を残していたという。

「うざいとかキモイとか言葉の暴力がほとんどだったんですが、彼が自殺をしたその日の昼休みにズボンを脱がされる行為があり、そこで子どもたちの中で彼が『死ぬ』と言ったときに“嘘つきになるなよ”っていう…それが背中を押したんではなかろうかと想像しています」

中学入学直後からいじめを受けていたとみられる啓祐くん。

しかし家族にはそのことを決して話さなかったそうだ。

「いじめ問題は、目の前に線があれば、向う側の問題だと、自分たちには関係ないと思っていた。子どもが全く、私たちに言葉に出すことが無かったので、いじめを受けていたことが分からなかったことが逆に苦しい。親には心配をかけたくないという気持ちと、それを言えない状況を親が作ってしまった」

息子が亡くなって12年、母は自問自答を繰り返してきたという。

親は「子どもがどうしたいか」を尊重して

一方で、母・美加さんは、今だからこそ感じることがあると次のように話してくれた。

「(亡くなる前)ある時、下の子が怪我をした時に、普段なら病院なんかにはついてこない年齢なのに、『自分も一緒に病院に行く』と言ったことがあった。家族の時間を取る、(家族と)一緒にいたいという気持ちがあったんじゃないかと今なら思います」

そして、こどもたちの命を守るため、次のように、親たちに呼びかける。

「まず子どもがどうしたいかという事をしっかり聞いてあげてほしいなと思っています。例えば、子どもが『学校に行きたくない』と言えば、その意見を尊重してあげてほしい」

啓祐くんの13回忌にあたり、息子にかけてあげたい言葉を聞かれ、母・美加さんは息子に思いを馳せながらこう答えてくれました。「1番初めの息子(長男)だったので、私を母にしてくれたことにすごく感謝したい。それから、助けてあげられなくてごめんねと言いたいなと思っています」

まず親が子どもに心を開いてみる

子どもが自らの命を絶つことのないように、自殺を未然に防ぐためには子どもとどう向き合えばいいのだろうか。

不登校問題に詳しい「放課後NPOアフタースクール」代表理事の平岩国泰氏に話を聞いた。


平岩氏: 「
子どもは、学校にいけないと、親ががっかりするという事を物凄く重大事項だと思っているので、親は子どもに対して、“学校に絶対に行かなければいけない”という空気は作りすぎない方がいい」 と平岩氏は指摘する。

その上で、平岩氏が親御さんに勧めているのが、先に自分の話をしてみるという方法だという。

「『お父さん実は会社でこんなことあってさ、大変なんだよな』などと話してから、「でどう?」と、親が自分の悩みを子どもに聞いてもらいつつ、子供の悩みを引き出していくといい」

編集後記「サインを見逃さないで。一人で苦しまないで」 島田彩夏

命を絶つという行為に至るまでに、子どもたちは親には相談しないことも多いといいます。

ただ、息子さんをなくされた森さんもおっしゃっていたように、小さなサインを出していることもあります。それを見逃さないことが重要です。2学期が始まるこのタイミングで、お子さんの声に耳を傾けてください。

そして、今苦しい思いをしている子どもたちへ。

お父さん、お母さんに、家族にお話しはできますか?もし近くに話せる人がいないというときは

次のような窓口があります。

電話では緊張してしまうという人も多いと思いますが、LINEなどのSNSを使った相談を受けつける相談窓口も増えていますよ。ネットを調べられる人は、厚生労働省のホームページの

「メール・SNS等による相談」というページを開くと、SNSなどで相談できる団体が表示されます。そもそもどこに相談すればいいのかわからなくて、迷っている人は、

その厚労省のホームページにも掲載されている「ミークス」といったサイトや、「支援情報検索サイト」というサイトで、自分の悩みにあった相談窓口を簡単に検索することができます。また、電話の方がいい人は、「チャイルドライン」「いのちの電話」で、今まで通り、電話での相談も受け付けています。

悩みを抱えている人は、一人で苦しまずに、LINEでも、メールでも、電話でも、何でもいいので、自分のやりやすい方法で相談してみてください。

(プライムニュース・イブニング キャスター島田彩夏)

プライムニュース イブニングの他の記事