沖縄にゼロからイヌマキの森を作る。首里城を守るためにできることとは?

<SDGsのランナー>高良倉吉さん

  • 沖縄県の首里城に必要な樹木イヌマキ
  • 1992年の復元作業で調査をすると沖縄に1本も無かった
  • 将来の修復で使うため、25年前から地道な植樹作業を続ける

沖縄以外のイヌマキを使う悔しさ…

沖縄県が誇る世界文化遺産『首里城』。

琉球王国の政治・外交・文化の中心地として発展し、14世紀に作られたと推定される琉球王朝最大の建造物である首里城は、沖縄で古くから高級建築材として利用されてきたイヌマキという樹木を材料に建築された。イヌマキは沖縄では「チャーギ」と呼ばれ、シロアリの被害を受けにくい、沖縄の風土に適した耐久性の高い樹木だ。

しかし、1992年まで行われた首里城の大規模な復元工事の際に、首里城公園友の会事務局の副会長で、首里城復元の委員だった高良倉吉さんは信じられない事実を知った。

「沖縄県内で調査をしてみたら、首里城の復元に使えるイヌマキは一本も見つからなかったんです。“一本も”ですよ…」

結局、当時の首里城の修復には、沖縄以外の場所のイヌマキを使うことになった。

「私達は戦争で首里城を失っただけではなく、それを支えるイヌマキという木さえも失ったんだと…。ショックでしたね」

沖縄伝統の建築材料を未来に残すために、高良さんはある行動を起こすことにした。

首里城の次の修復に向けて

この日、国頭村の辺野喜ダム付近には100人近いボランティアが集まっていた。

首里城の修復で悔しさを感じた高良さんは、1993年からイヌマキの植樹を始め、今では毎年2回行われる植樹祭には多くのボランティアが参加するようになり、草刈りや肥料入れなどの樹木管理を行っている。

琉球王朝時代に行われていた、首里城の修復などのための計画的な森林保護が復活していた。

イヌマキを育てて25年。
今では1200本程のイヌマキが沖縄の地に根を張り、50年、100年先に必ず訪れる首里城の次の修復に向け出番を待っている。

「将来の首里城のために必要な材木が育っています。当然イヌマキが育つスピードというのは物凄く遅いんですけど、『木の成長』と『人間の成長』が触れ合っているというか、つながっているというか、それが大事だなと僕は思うんですね」

高良さんは、笑顔でそう語った。


沖縄のイヌマキで、沖縄の大切な首里城を守るため、高良さんは走り続ける。

SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。2030年を年限とした17の国際目標の中に、今回の「12.つくる責任 つかう責任」「15.陸の豊かさも守ろう」という項目がある。

SDGsをテーマとした日本初のレギュラー番組「フューチャーランナーズ~17の未来~ 」は毎週日曜17:25~17:30にフジテレビで放送中。それぞれのゴールとその先の未来に向かって、情熱を持って走り続けている人を取り上げている。

高良さんの取り組みなど、過去のオンエア動画はこちら
http://www.fujitv.co.jp/futurerunners/archive.html

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