トランプ大統領のちゃぶ台返しと世界最大級巡航ミサイル原潜「ミシガン」の横須賀寄港

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  • トランプ大統領、突然のポンぺオ訪朝キャンセル
  • 5月の「米朝首脳会談キャンセル」では、米核兵器の使用も示唆
  • 世界最大級巡航ミサイル原潜「ミシガン」が横須賀に展開

ポンぺオ訪朝で日米首脳が協力を約束

8月23日、ポンぺオ米国務長官が記者会見を行い、翌週に平壌入りする予定だと発表。
ポンぺオ国務長官の訪朝を前提に米側からの呼び掛けで、日米首脳は日本時間22日夜、40分にわたる電話会談を行い、北朝鮮の完全な非核化に向け、引き続き協力していく方針を確認。

また、安倍首相が拉致問題の解決に改めて協力を求めたのに対し、トランプ大統領は「日本の考え方に沿って協力していく」と応じた。
ところが23日、米国務省のアデナウアー報道官は、ポンぺオ国務長官が、金正恩委員長と会談する予定はないことを会見で明らかにした。

まるでちゃぶ台返しな対北朝鮮外交

ポンぺオ国務長官といえども、北朝鮮の最高権力者である金正恩委員長に会えなくて、非核化や拉致問題について、何らかの進展を北朝鮮側から引き出せるのか。

すると、トランプ大統領は24日、「非核化に向けた十分な進展がみられないため、今回の訪朝を取りやめるよう、ポンぺオ国務長官に指示した」とツイートした。

トランプ大統領のツイート

5月にもトランプ大統領は、6月に予定されていた金正恩委員長との会談を、北朝鮮高官の言動が示す「露わな敵意」を理由に書簡でキャンセルしたことがある。

その書簡には「あなたは自国の核能力を自慢したが、米国の核能力は非常に大きく強力だ。これらを使わずに済むことを神に祈っている」と米核戦力の使用を示唆。一度は決まっていた米朝首脳会談をトランプ大統領が、まるでちゃぶ台返しのように一方的にキャンセルした。

すると、北朝鮮側はトランプ大統領の「前例のない努力に敬意を払ってきた」との金桂冠・第1外務次官の言葉を朝鮮中央通信を通じてアピール。6月の会談を再決定した。

今回は、ポンぺオ国務長官の訪朝とはいえ、やはり前と同じで、ちゃぶ台返しのようなキャンセルの仕方だ。前述のように、5月の書簡では、金正恩委員長に対し、しっかり核の使用を示唆したが、今回はそれはなく、トランプ大統領は「付け加えれば、中国との通商についてのスタンスを非常に厳しくしたため、私は彼ら(中国)がかつてのように(国連の制裁にもかかわらず)非核化の過程を手伝っているとは思わない」

トランプ大統領のツイート

「ポンペオ長官は近い将来、中国との通商関係が解決された後、北朝鮮へ行くことを楽しみにしている。 その間、私は金委員長に最も敬意を表する。 私は近く彼に会うことを楽しみにしている!」とツイート。中国を非難している。

だが今回、トランプ大統領は軍隊の態勢という裏付けのないまま、ちゃぶ台返しのような、国務長官の訪朝キャンセルという、外交上、強引な手段に打って出たのだろうか。

トマホーク最大154発搭載、原潜「ミシガン」

気になることがあった。インターネット番組「能勢伸之の週刊安全保障」宛に、視聴者のナカムラさんから24日に投稿された画像で、「米海軍・横須賀基地に、世界最大規模の巡航ミサイル原潜“ミシガン”が入港している」というのである。

ナカムラさんが#週刊安全保障に投稿した「ミシガン」

ミシガンは、全長170メートル、排水量1万7000トン余りと言う巨艦。海上自衛隊最新の「そうりゅう」型潜水艦が、全長84メートル、水中排水量4200トンと比較しても、その巨艦ぶりが知れよう。

ミシガンは、その巨体に、最大射程1600㎞級のトマホーク・ブロックⅣ巡航ミサイルを最大154発搭載し、連射ができる。最大射程1600㎞を単純に地図にあてはめれば、日本の一部太平洋側からでも、平壌は射程内だ。

昨年4月25日には、北朝鮮の朝鮮人民軍・創建記念日に、韓国の釜山港に入港するなど、潜水艦でありながら唐突に“見える抑止”となったこともあった。

ナカムラさんが#週刊安全保障に投稿した「ミシガン」

ミシガンは、8月22日に入港し、トランプ大統領がポンぺオ国務長官の訪朝中止をツイートした時にも、横須賀にいたという。
グアムのB-52H爆撃機の動き、それに、ウエーキ島を再び、米軍機の給油ポイントにするという動きもあり、再びミシガンが事実上の“見える抑止”の役割を担うのかどうか、興味深いところではある。

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