今どきの若者の恋愛観は“コスパ重視”!? 恋愛経験の減少が止まらないワケ

カテゴリ:暮らし

  • 2000年頃まで上昇していた学生の恋愛経験が、今では男女ともに減少傾向
  • 20代の給与も減少傾向で、恋愛にあてるお金が…
  • ただ、内閣府の調査では、20~30代の6割「恋人が欲しい」と回答

「今どきの若者は」「ゆとり教育」

「今どきの若者は〇〇」という決まり文句のようなフレーズは、誰もが耳にしたことがあるだろう。
“〇〇”の部分に入る言葉は、「やる気がない」とか「礼儀がなってない」とか、いずれにしても批判的なワードが入ってくる。また、褒める場合にしても「今どきの若者にしては」と、どこか引っかかるような言い方をする。

もうひとつ「これだからゆとり世代は…」というフレーズもある。
“詰め込み教育”ではなく、“ゆとり教育”で学校生活を過ごしてきた1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれの若者が、この“ゆとり世代”にあたる。
こちらも先にあげた「今どきの若者は」と同じで、批判的な意味合いで使われる。

若者の恋愛経験数は下降

そんな若者たち、中学生~大学生までの学生が抱く恋愛観をまとめた報告書「青少年の性行動 第8回調査報告」が、日本性教育協会から発表され、若者の“恋愛離れ”が進んでいることがわかった。

日本性教育協会『青少年の性行動』第8回調査報告(2018年)

デート・キス・性交といった主要な行動経験率についてまとめたデータを見てみると、2000年代前後までの調査では、数字は右肩上がりに増えているが、直近2回の2011年と2017年の調査では、軒並み数字は減っていた。

今どきの若者ほど恋愛に対しての関心が薄れているのか、それとも恋愛できない事情があるのか、いずれにせよ恋愛経験は減っているということがわかった。

筆者も年齢的には“ゆとり世代”に該当しており、言われてみれば周囲の友人たちから、そういったジャンルについての話はまったくといっていいほど耳にしない。

“恋バナ”の代わりに、話題に上るのはゲームやアニメなど趣味の話が大半を占める。スマホやパソコン、ゲーム機1台あれば休日はそれで事足りるし、1人カラオケや1人焼肉、1人旅などの言葉もあるように、外出する際も、自分以外に人がいなくても楽しめる。むしろ、1人の方が気を遣わない上に、自分の好きなことだけをやれる分、のびのびできるようにも思える。

一人で休日を過ごすイメージ

そう考えてる時点で、筆者もデータ通りに分類されているようで、どこか釈然としないが、データを見るとこれは男性に限った話ではなく、女性のデータも同じように、すべての項目において減少傾向がみられた。

低収入…今どきの若者は「コスパ」を考える

また、最近になってよく言われるようになったのが「コスパ(コストパフォーマンス)」という言葉だ。何をするにおいても、コスパ=費用対効果を重要視する傾向が強くみられるのだ。金銭面だけでなく、時間や労力・精神的負担なども含まれるため、恋愛や人間関係においてもコスパが求められる時代になってきている気がする。

国税庁「民間給与実態統計調査」(平成25年)を基に作成

そして国税庁が、民間の事業所に所属している給与所得者を対象とした「民間給与実態統計調査」(平成25年版)によると、20代男女の給与は2000年前後に比べて、だいぶ下がっていることが判明した。調査開始当初の1997年と2013年を比較すると、男性の平均年収は42万安い318万円、女性は24万安い260万5千円となっている。

これを月ごとに換算すると、男性の平均月給は26万5千円で女性は約21万7千円ほどだ。ここから食費や家賃を始めとし、光熱費・通信費、それに税金などが引かれていくと、手元に残るのは本当にわずかだろう。
それこそ、趣味や娯楽・交際費に使うか、将来のために貯金に回すかの究極の二択問題が発生してくる。

そんな中、恋人を作るとなると、もちろんそれなりの支出はかかってくる。そして、交際を始めたら自然と考えなくてはならないのが、結婚だ。さらに子供を作るとなると、恋人以上に多くの費用が必要となる。「恋愛はコスパが悪い」と立ち止まってしまうのもうなずける。

ネット上では「国や政府が少子化問題を訴えかけているが、この賃金でどうしろと?」と、揶揄する発言が見受けられた。捉え方によっては、若者は恋愛“しない”のではなく“できない”状況なだけで、関心・興味としては薄れているわけではないということなのか。

「恋人が欲しい」が約6割

内閣府HPより

それを裏付けるようなデータとして、内閣府が発表している「平成27年版 少子化社会対策白書」によると、20代30代の男女共に、「恋人が欲しい」としている割合が約6割にのぼっている。

また、調査では「多くの若者が将来家庭を持つことを望み、希望する子供の数は平均2人以上となっているものの、晩婚化が進むとともに生涯未婚率が上昇しており、結婚や妊娠・出産に対する国民の希望をかなえることができていない」としている。

若者の〇〇離れ」といったワードは数多く存在するが、少なくとも恋愛離れに関して損得勘定を気にしたり、どこか打算的になってしまうのは、こうした金銭面における背景も一因となっているかもしれない。

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