【AI×人間ドック】で将来の病気を予測! その精度は何と90%!!

カテゴリ:暮らし

  •  AIは10数秒で解析・予測
  •  精度は今後どんどん高まる
  •  AIは医師に取って代われるのか?

「医療・ヘルス」特集に、日頃から寄稿頂いているドクターから
「人間ドックにAIを導入しました」との連絡が。
【AI×人間ドック】とはどういうものか、早速クリニックに伺うことにした。
ドクターからは「出来れば、ご自分の人間ドックの結果をお持ちください。将来の病気の予測が出来ます」との言葉が…!

2つのデータ入力すると、10数秒でAIが解析!

JR常磐線 金町駅近くにある「かなまち慈優クリニック」。
ビルの2階にあるごく普通の〝街のクリニック“だが、胃カメラや腹部エコーでの検査が可能で、ここで人間ドックも行っている。

院長である、高山哲朗ドクター(医学博士)は、消化器内科が専門(だから胃カメラ等はお手のモノ)。
またかねてより、『予測医学』にも取り組んできた。

――人間ドックにAIを導入したとのことですが、これまでの人間ドックとどう違うのでしょうか?
高山哲朗ドクター:
「今年になってから、いくつかの医療機関で導入され始めた新しいシステムです」
「血液検査やレントゲン、内視鏡検査などの検査はこれまで通りに行います」

――検査自体は、これまでと同様な訳ですね。
「さらに25項目にわたる【生活習慣設問シート】にも記入して頂きます」
「すべての検査結果のデータと、【生活習慣設問シート】の回答を、この画面に入力します」

そこで、持参した私のドックの検査結果と、その場で記入した、【生活習慣設問シート】の回答を入力してもらうことに。

――そうすると、将来 私がどんな病気になるかがわかるんでしょうか?
…と聞いている間に、PCの画面にはAIが解析した結果が表示された!

――解析するのが早いですね!
「だいたい10数秒で結果が出ます」

驚くべき精度で将来を予測

画面には「検査値 60/100 生活習慣 34/100」の文字が。
「正常な検査基準値の達成率と、正しい生活習慣の達成率です」
つまり、私の検査結果と生活習慣の〝採点“は、60点と34点(!)。

そして、いよいよ【将来予測】が表示される。

<このままだと、あなたの将来は…>
<死や寝たきりに直結する心筋梗塞や狭心症に1.5~4倍ものリスクを持っている>!

――(ショックを受けつつ)これが私の将来の病気の予測という事ですね。…精度はどれくらいなんでしょうか?
「高血圧症、脂質異常症、糖尿病、メタボリックシンドロームについては、85~90%の精度で予測します」

――えっ、そんなに精度高いんですか!将来、9割の確率で糖尿病になると予測されたら、かなりの衝撃がありますね。では、先ほど出た、私の心筋梗塞なんかについては・・・?
「あなたの心筋梗塞や狭心症の将来リスクについては、高血圧症やコレステロール値が深く関わるので、そうした疾患の無い方と比べて数倍程度と考えてもらっていいでしょう」

――数倍ですか…(汗)。回避する方法はあるんでしょうか?
「はい。生活スタイルと疾患の予測結果を反映させたオリジナルの予防方法が提案されます」
「今回は昨年の人間ドックのデータを入力しましたが、過去数年間の検査データを入力すれば、さらに精度は上がります」

かなりの精度で、AIが将来の病気の予測が出来るようだ。

導き出すのは<医師全体の総意>!

この『予測医学』に特化したAIには、慶應義塾大学医学部と兵庫県立大学工学部の協力のもと、日本人約4000人分の過去のデータと、医学論文で明らかにされた多くの200を超えるエビデンスが蓄積され、新たな情報が常にアップデートされている。さらに、現在は新たに3万人のデータが加わることになった。
また、将来予測のアルゴリズムには、現役医師や栄養学の権威などが開発に携わっているとのこと。

「このAIには、名だたる名医の知見や見解が反映されています」
「仮に、2人のヒトの検査数値が似通っていても、他のデータを含めた解析によって、将来の予測や予防方法は、それぞれ違う結果が出てきます」

――名医の知見などが反映されると聞くと、安心感やおトク感がありますね。
「端的に言えば、たとえ対面している医師が経験の浅い若手であっても、AIに解析させれば、ベテラン医師を含めた<医師全体の総意>が聞けるのと同じと考えていいでしょう」

<医師全体の総意>が聞けるとは、ちょっと怖くもあるが、頼もしくもある。
新たなデータをどんどん蓄積していくことで、AIは更に“学習”し、予測の精度は今後さらに高まっていくという。

AIは医師に取って代わるのか?

医療の世界でも存在感を増していくAI。
未来の医療を変革したり、課題を解決する切り札になるのだろうか?

――現在は医師にしか出来ない『診断』という行為を、近い将来、AIが行うことは可能になると思われますか?
「近い領域までは行く可能性はあります。ただ、AIには得意なことと、苦手なことがあるのです」
「例えば、画像からの診断。AIは、レントゲンのような、白黒の静止画像から経時変化を読み取るのは比較的得意です」
「一方、エコーや胃カメラ・大腸内視鏡などの動く画像からだと、現時点では診断のサポートには有用ですが、微妙な色の変化や影などを読み取ったり、重大な病気ではないと判断したりするのは、経験ある医師の眼ではないと依然として難しいのです」

AIが医療のクオリティを担保する

――医学部入試における女性差別が問題になっています。もちろん差別はアンフェアで許されないことです。
一方、女医さんが出産などで休業した場合、他の医師がその穴埋めをするのが不可能なくらい、医療現場はオーバーワークだと指摘する声もあります。
AIが医療現場に導入されることで、医師の負担は軽減されるでしょうか?
「部分的または長期的にはあり得ますが、全体としてはそれほどの負担軽減にはならないでしょう。やはり医師にしか出来ないことの方が多いと思います」

――では、AIの導入で、患者にとっての医療は変わるのでしょうか?
「AIの導入は、医師にとってと言うより、患者さんにとってメリットが大きいと思われます。多くのデータや多くの論文、多くの医師の知見が蓄積されたAIを使うことで、どの医療機関・どの医師に診てもらっても、ある一定レベル以上の医療は担保されます」
「例えば、疾患の大きな見逃しなどは、かなりの確率でなくなっていくのではないでしょうか」

※かなまち慈優クリニック
(東京都葛飾区東金町1-41-3 / 03-3609-0133)

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