英国議事堂に車で突入図った男を逮捕=動機不明だがテロの疑いも

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  • 議会は夏休みで閉会中、人通りも少ない時間
  • 確保されたのは20代後半の男
  • 夏休み 日本人が気を付けるべきこと

目的は何?

現地時間の14日朝07時37分頃、日本時間で15時37分頃、ロンドンにあるイギリスの国会議事堂に乗用車が突入を図り、バリケードにぶつかって大破した。その場で車を運転していた男は逮捕され、取り調べを受けている。負傷者が2人出たということだが、いずれも命に別状は無いという。

車が突っ込んだのは、ウェストミンスター寺院の裏に当たる場所にあるセキュリティー・ゲートで、普段から議員や職員、彼らが乗った車が出入りするところ。

だが、現在、議会は夏休みで閉会中。出入りは少なかったはずである。
また、テムズ川沿いにあるイギリスの議事堂は観光名所の一つで、時間帯によっては周辺は観光客でごった返す。

しかし、事件が比較的早い時間帯に起きたからなのか、幸い負傷者の数は少ない。動機は現時点では不明である。

20代後半という男の身柄はテロの疑いで現場で直ちに確保されている。
もしも、普段からマークされている要注意人物であれば、すでに男の身元や背後関係さえある程度分かっているはずである。

しかし、仮に、最大限の死傷者を生じせしめるのが目的だったとすれば、狙った場所も犯行の時間帯も、その目的には余り適さない。

さらに言えば、本気で議事堂のゲートを突破して中に入り込み、何らかのダメージを与えようとしたのであれば、手口が単純すぎる。
普通乗用車で単に突っ込むという方法では端から不可能であることは周辺の警備状況を視れば誰でも一目でわかる。

もちろん、ある種の宣伝効果、例えば、英国観光が危険であることを知らしめることを狙って、男が混乱を引き起こそうとした可能性は残る。

しかし、現時点でテロ目的と断定するのはちょっと尚早かもしれない。
もっとも、この事件に続いて、第2・第3の事件が起きないという保証は全くないので、予断は禁物なのだが、少なくとも現時点では組織的な犯行の匂いはしない。

海外旅行で日本人が慎むべきこと

議事堂を巡っては、去年17年の3月に、すぐ傍にあるウェストミンスター橋で、車に乗った男が、歩行者を次々になぎ倒して3人を死亡させ、その後、車を捨てて議事堂の敷地内に入り込んで警備の警察官を刺殺するという事件があった。この事件は、いわゆるホーム・グロウン・テロであった。以来、議事堂周辺始め人気観光スポットの警備はさらに強化されている。

ところで、話は少し変わるが、この際、イギリスの議事堂周辺に限らず、テロの標的になる可能性のある場所に観光等で行かれる方々に、一言、申し上げたい。

歩きスマホは危険である。

周辺で異常が起きても気づくのが遅れる可能性があるからである。バイクを使ったひったくり等に狙われる可能性も高くなる。
歩道に乗り上げてきてひったくる輩もいる。もちろん、萎縮する必要はない。

しかし、世界の中でも特に平和な日本とは事情が異なる場所に居ることをお忘れなきようお願いしたい。
(執筆:フジテレビ 解説委員 ニ関吉郎)