豊洲市場開場まで2か月…小池知事の発言に築地女将さん会が「悔し涙」 今後の知事の戦略は?

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  • 豊洲市場の開場(10月11日)まで2か月…小池都知事は先月末に「安全宣言」
  • 小池知事が会見で「築地女将さん会」に言及、女将さん会の新井さんが「私 泣いています」と反発
  • 任期4年の後半戦に突入…小池知事は再選するのか

豊洲めぐり小池知事と「築地女将さん会」が…

築地市場から豊洲市場への移転まで2か月。
豊洲市場を巡っては、土壌汚染対策の追加工事、都の専門家会議による調査などを経て、ついに先月31日に小池知事が豊洲市場の「安全宣言」を行い、農水省に市場開場の認可申請を提出した。
さらに10月11日の開場を前に9月13日には、開場記念イベントもすでに予定されている。

開場に向けた手続きもほぼ終わった中、小池知事のある女性達への発言が関係者に波紋を広げた。

女将さん会、いつもご意見を頂戴いたしております。また、女将さん会のご主人も、一方で(移転の)準備もされておられるようでございますし

これは3日の記者会見の際に小池知事から飛び出した、移転に反対している「築地女将さん会」についての発言だ。

記者会見する小池都知事(8月3日)

都知事選の時には豊洲移転について「いったん立ち止まって見直す」とした小池知事に拍手を送った築地女将さん会。
その後、豊洲移転にむけてプロセスを踏んでいった小池知事に築地女将さん会は強く反発、農水省に「認可申請を受け取らないように」と要請活動も行った。

そして、記者会見でのこの発言にも築地女将さん会の新井さんはツイッターで「私 泣いています。悔し涙です。きょうの記者会見で女将さん会を鼻で笑われました」と怒りを露わにした。

築地女将さん会の新井眞沙子さん(2017年7月)

心の中はどうあれ築地の業者の多くの人が移転準備を進めているのは事実だ。
キャスター出身で“リアリスト”である小池知事だからこそ、そうした状況に率直に言及したかったのかもしれない。

ただ、都庁内からは「確かにそうだけど、あの発言はないよね」という声が上がった。
一方である都庁幹部は「知事は女将さん会のことを気にしている。ずっと(心に)ひっかかっているようだ」と話していた。

そもそも小池知事は「興味がない」とか、「ネガティブにとらえている対象」については発言しないし視線を向けることもない。

先週の記者会見は「安全宣言に踏み切った一番大きな理由」を質問されたその文脈の中で記者が築地女将さん会にふれただけで、築地女将さん会自体についての質問ではなかった。
にもかかわらず、築地女将さん会について発言したのは女将さんたちのことをかなり「気にしている」からだと言えそうだ。

10月11日に開場する豊洲市場

任期後半…小池知事の戦略は変わるのか

2ヶ月を切った豊洲移転。小池知事の任期も折り返し地点を過ぎ2年を切った。

激しく戦った知事選以降も様々な局面で“ファイティングポーズ”をとり続けていた小池知事も、任期2年めの半ばごろから敵対してきた相手と手を結ぼうとする動きが出てきた。

特に全会派を集めるという異例の会議「東京と日本の成長を考える検討会」では、敵対してきた都議会自民党と「都の税収を守る」という目標で手を結ぼうという思いが見え隠れする。

開場まで2か月の大詰めで、小池知事が築地女将さん会を「気にしている」ことだけは間違いないだろうが、「築地を守る」という目標で手を結べるのだろうか。

小池知事が豊洲市場「安全宣言」(7月31日)

小池知事の再選は?

ところで、都庁内には都市伝説のように言われていることがある

現職知事は3割の支持率があれば再選できる

小池知事の支持率は先月30日の朝日新聞では49%、 報道ベンチャーJX通信社 でも50.7%と、3割を大きく超えている。
このため都庁内では小池知事が再来年2020年の都知事選も再選するだろうとの見る人も少なくない。

一方、前回の都議選で小池都知事側に惨敗した都議会自民党に関しても、選挙に関する気になるデータがある。

2005年 自民党48議席>民主党35議席、
2009年 自民党38議席<民主党54議席、
2013年 自民党59議席>民主党15議席 、
2017年 自民党23議席<都民ファースト55議席

このように自民党は選挙毎に第一党になったり転落したりを繰り返しており、その時の政治状況もあるだろうが、知事選の翌年に行われる今度の都議選では自民党が大勝すると見る関係者は多い。

都議会で演説する小池都知事(6月)

小池都知事再選」と「都議会自民党の復活」 

この2つの可能性に、都の職員の反応は様々だ。
「都庁は大統領制だから」 と知事の方を向く人、「都議会議員が当選落選を繰り返すとはいえ、知事より議員との付き合いの方が長くなるから」と都議会自民党の方を向く人、さらに「小池知事が再選されても(現在少数派で)知事と敵対している自民党が3年後には多数派になる→自民党と事をかまえたくない」と考えて両者の間で身の処し方を悩む職員も少なくない。

このような状況の中、小池知事は選挙も見据えた今後の戦略として、大胆な政策を打ち出し都政を展開していくのか? それとも、一時より下がったとはいえ一定の支持率を確保していることに重きをおき、できるだけ波風立てずに2期目の選挙まで進んでいくのか?

以前、自宅でフジテレビのインタビューに応じ「 船の航路のように全体を考えれば遡って今何をすべきかわかる」と話していた小池知事。 
「機を見るに敏」な“政治家”が頭に描く航路図とは・・・
残り2年弱の任期の舵取りに注目していきたい。

(執筆:フジテレビ 都庁担当 小川美那)

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