Facebookの検閲は許されるのか。左右が問題視し、NYタイムズ紙も懸念の声

カテゴリ:話題

  • Facebookなど4社が保守系論客のアカウント削除・停止
  • Twitterは同調しなかったが、各社の対応を問題視する声も
  • リベラルなニューヨーク・タイムズ紙も対応を批判

とあるアカウントが削除、ないしは停止

フェイスブック、ユーチューブ、スポッティファイそれにアップルというハイテク大手4社は、6日、そろって保守系論客のアレックス・ジョーンズ氏のビデオや録音、論評などの掲載を禁止すると発表した。
禁止の理由についてフェイズブックは「我々にはヘイトスピーチや他人を攻撃したり人間性を否定するようなコンテンツを排除する原則がある」との声明を出した。

抗議活動でのアレックス・ジョーンズ氏(2016年7月)

アレックス・ジョーンズ氏は保守派の中でも過激な言動で知られ、特に移民やLGBTに対しては敵意をむき出しにして論評していたのでかねてCNNなどリベラル派から排除を求める声が高かった。

今回の措置に対してアレックス・ジョーンズ氏が反発したことはいうまでもない。自前のラジオやビデオ、ニュースサイトを総動員して「これは中間選挙を前にリベラル派が仕掛けた戦争だ」とまくし立てている。

自身が運営するサイトで反発するアレックス・ジョーンズ氏

同氏ならずとも、インターネット上のサイトもメディアと考えられる時に、その運営者が独断で検閲することに疑問が残るのは確かで「表現の自由」の問題もからんで議論が巻き起こった。

同調しなかったTwitter

そうした中で注目されたのが、SNS大手のツイッターはフェイスブックなどに同調しなかったことだ。同社のジャック・ドーシー最高経営責任者はその理由を7日(日本時間8日)次のようにツイートした。



「理由は簡単だ。ジョーンズ氏は我々の掲載基準を犯さなかったからだ」

つまりツイッター社の基準は、フェイスブックなどとは異なるということで、それはとりもなおさず各社の基準に客観的な統一性がなく、勝手にコンテンツの善悪を判断して対応していることを露呈した。

こうした対応についてさっそく問題視する声が上がった。

リベラルも「表現の自由」の視点から批判

保守系の政治サイト「ザ・フェデラリスト」のホーリー・シーヤーさんは「ハイテク大手が、我々が見聞きすることをコントロールするのは問題だ」と反対を表明、さらに「次は誰がこの規制の犠牲者になるのか」と心配している。

The New York Timesより

またアレックス・ジョーンズ氏の主張を最も忌み嫌うはずのニューヨーク・タイムズ紙も、表現の自由問題が専門の弁護士デビッド・フレンチ氏が物申す投稿を八日の電子版に掲載した。同氏は「ハイテク大手がジョーンズ氏を排除したことに問題があるのではなく、排除した理由が問題なのだ」とし、ヘイトスピーチという概念は漠然としていてどうにでも解釈できるので、客観性に乏しいと指摘する。

つまり、ハイテク大手は恣意的に運用できる制度をもてあそんで気に入らぬコンテンツを排除していると懸念を表明したのだ。

そのニューヨーク・タイムズ紙が読者に「ツィッターもジョーンズ氏を禁止すべきか」と聞いた世論調査では「禁止すべきではない」とする回答が78%にも上った。
この問題、ハイテク大手側の分が悪そうだ。

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(執筆:ジャーナリスト 木村太郎)
(イラスト:さいとうひさし)

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