【副業儲かってますか?】 カフェで“朝活”英会話! 元JAL講師のマンツーマン講座

カテゴリ:国内

  • 英語留学経験なし・独学10年の講師がマンツーマン指導
  • 「会話はプレゼンではない」英会話に必要な3つのこと
  • 本業は会社の一員、副業は自分が主体となって運営することにやりがい

「朝活」の副業

早起きをして運動や勉強、趣味などの活動をする「朝活」が浸透するなか、出勤前の時間を有効活用して副業に取り組む人がいる。

東京都在住の高野惠美子さん(31)は、留学先の紹介や手続きの代行などを行うEnginnier Limitedで、留学カウンセラー兼キャリアコンサルタントとして勤務。

その傍ら副業として、大学入学後からほとんど独学で身に付けた英語力を活かして、マンツーマンの英会話講座をカフェで開催している。

講座の運営には、Webデザインや料理、語学など、あらゆるジャンルでの知識・スキルを持つ人と、教わりたい人とをつなぐサービス「ストアカ」を利用。
今年5月中旬にスタートしたばかりだが、副業の平均月収は3万5000円ほどだという。

そんな彼女の1週間のスケジュールは、早寝早起きの規則正しいものだった。

朝型で「太陽の光を浴びると心身がスッキリする」という高野さん。
英会話講座は、平日開催の単発(1時間)・日曜日開催でオンラインサポートもする1週間・1ヵ月(それぞれ2時間)の3つのコースがあり、週3日ほど埋まっているという単発コースは、朝7時~9時半まで生徒の希望に合わせて受け付けている。

10時~19時の本業を終えると、自身の英語力アップのための勉強、講座での会話のネタ探しや資料作成などの準備も欠かさない。
土曜日は趣味の料理やヨガを楽しみ、ゆっくりと過ごしているという。

英語留学経験がないという講師が教える英会話とはどのようなものなのか?
早朝の英会話講座を実際に体験してみた。

「会話はプレゼンではない」マンツーマンで生徒に寄りそう

朝7時45分、六本木のとあるカフェで眠たい目をこすり待っていると、高野さんの「Good Morning !」と明るい声が響いた。
注文した飲み物を手にテーブルに着き挨拶を終えると、さっそく授業がスタート。

「Why do you want to study English ?(なぜ英語を勉強したいのですか?)」と聞かれ、頭が真っ白になった。
戸惑っていると、高野さんは笑顔を浮かべて「日本語でも英語でもどちらでも大丈夫。心配しないで!」と英語で返してくれた。

筆者は、職場付近で外国人観光客をよく見かけるのだが、時々、彼らに道を聞かれることがある。
言っていることはだいたい理解できても、言葉が出てこない。英語で伝えられないので、目的地の駅まで同行したこともある。
「観光客に道案内ができるようになりたい」と言うと、 何を目的に英語を学ぶのか、それを明確にすることが大切なのだと教えてくれた。
Near Goal(小さな目標)を設定するのが、英会話上達への第一歩だという。

(イメージ画像)

その後、高野さんの自己紹介に続いて、生徒も英語で自己紹介をする。
どんな仕事をしているのか、休みの日は何をして過ごすのかなど、話題を振ってくれる高野さんに助けられながら、なんとか言葉をつなげていく。

「英会話といっても、ただ英語を話すだけではプレゼンテーションになってしまいます。会話は用意されたものではなく、その場の流れによって柔軟に展開していくものです。日本語での会話も初対面の人となると続きませんが、英語だとさらにハードルは高くなります」

自分の好きなこと(My favorite thing)を話題にすると、会話上達の練習になるということで、映画・料理・フルーツを挙げると「映画の話から聞かせて」と言われ、どんなジャンルが好きか、鑑賞頻度や場所、憧れの役者、一番好きな作品などを聞かれた。
単語だけで答えていると「作品名の前にMy best one is ~と付けて、文章にしてみましょう」との指導が。拙いながらも言い換えると「Great !」と褒めてくれた。

高野さんによると、英会話に必要なのは、次の3つ。

(1)笑顔・ジェスチャー・アイコンタクト:外国人は身体のリアクションが大きい。お辞儀という文化がない代わりに笑顔やジェスチャーがマナーのように捉えられている部分がある。また、言葉を交わさなくても目だけで通じ合えることもある。

(2)英語の人格をつくる:外国人は話し方も感情豊か。Yes/Noの返事でも声のトーンを変えることで、どの程度の賛成/否定なのかを表現できる。恥ずかしがらずに気持ちをストレートに表現する「英語を話す自分」を新たにつくる。

(3)フレーズ:Can I have~?など、短くても単語にフレーズを加えていくと話せる英語表現が増えていく。


マンツーマンなので他者の目を気にせず、ミスを恐れずに取り組めるだけでなく、うまく英語に変換できず沈黙してしまっても、高野さんは笑顔で待っていてくれた。
そして、答えの一つ一つに「すてき!おもしろそう!」とリアクションが返ってくるので、楽しく会話を続けられるのだ。

講座参加者は、20~40代のビジネスマンを中心に男性1割、女性9割の比率だという。
受講理由は、仕事で必要だからというものが多いが、中には旅行好き、教養として通う人もいる。

初対面の壁を感じさせない明るく気さくな人柄の高野さんとの英会話は、レベルに合わせてくれたのか、難しい単語ではなく、中学高校で勉強したような単語を使った講義で分かりやすかった。


そんな高野さん自身は、どのように独学で英語スキルを身に付け、副業として確立するに至ったのか。
講座を運営する上での工夫などについても聞いた。

10年かけて英語を習得「間違えても話すことが近道」

ーー副業をはじめたきっかけは?

前職は7年間、日本航空でグランドスタッフとして勤務し、国際線では日常的に英語を使っていました。
それ以降もずっと、これまで学んできた英語をフィードバックする仕事がしたいと思っていました。
しばらくは今の本業に専念しなければならないかと思っていたのですが、その思いを社長に伝えると「やってみなよ」と。
事業分野のひとつに英語教育があり、社長自身も英語力を磨きながら人に教えています。
会社の理解とサポートを受け、思い切ってはじめました。


ーー英語留学をせずに、どうやって英会話のスキルを身に付けた?

とにかく映画をたくさん観ました。英語の字幕を付けて、目と耳から英語を吸収していったのです。
リアルな英会話は、世界で話題のニュースを会話形式で紹介する「バイリンガルニュース」というラジオを聞いて勉強し、知らない単語や表現に出会ったらすぐに調べることを心掛けました。
それから、実際に外国人と話すこと。音楽が好きなので六本木のクラブなどにも出掛けて、外国人と積極的に話しました。
必死にもがき続けて、英語習得まで10年かかりました。

(イメージ画像)

ーー英会話の学習において大切なことは?

重要なのは継続することです。毎日30分でも週に1回でも、英語を浴び続けること。
それから、間違えても大丈夫なので、恥ずかしがらずに自分で声に出して話してみること。多くの日本人は“正しい文法”を考えすぎてしまうから、英語が出てこないのだと思います。
WhatとHowどっち?と難しく考えないで、知っている単語を使って言いたいことを伝えていかなければ、話せるようにはなりません。

講座では、細かい文法よりも人とのコミュニケーションを重視しています。
「コーヒーについて1時間話して」と言われたら難しいと思うかもしれませんが、外国人はとにかく「話す」ことが好きです。
1つのテーマについて私が質問し続けて生徒さんに答えてもらったり、「Well(えっと~)」や「All right(そうですね~)」などの英語での相づちだけの練習もします。

モチベーションを上げる方法も伝授

ーー継続するためのコツは?

英会話は、筋トレとは違ってわかりやすく結果が目に見えず、「これ以上学ぶことはない」というゴールがないので、モチベーション管理が難しいです。
「もっと上達したい」と思ってもらえるように、小さなことでも生徒さんができたこと、できるようになったことを本人に伝えて、自信に繋げています。
また、オンラインでも英語でメッセージや動画を送り、「英語をやらなくちゃ」と思い出してもらえるように働きかけています。
生徒さん自身が自発的にモチベーションを上げるコツとしては、「自分の好きなことを英語で考える」習慣をつけることを勧めています。
日常生活と英語をリンクさせることで、英語を身近に感じて楽しくなるはずです。
 
ーー高野さんの英会話講座の特色は?

ネイティブではなく、日本人の私だからこそ教えられる英会話があると思っています。
講座にいらっしゃる生徒さんは初級から中級の方が多いのですが、初級は英語を発音するところからのスタートです。
単語もスラスラ出てこない状態でいきなりネイティブの人と対面しても、うまく会話をすることはできません。
欧米への留学経験はありませんが、単身でバックパッカーの旅をしてインド、ミャンマー、カンボジア、中国などを訪れ、多くの人に出会いました。
ホステルで同室になった外国人たちと「Hello,how are you? Where are you from?」から始まり、仕事や恋愛といったプライベートな話をして、コミュニケーション能力がぐんと上がりました。
そして、やりたいことが見つけられない、先週恋人と別れたばかり、といった話を聞いて、「生まれ育った国は違っても人は同じなんだ」ということを知りました。
この経験と日本語で補助できる点を活かして、効率的に英語を身に付ける手助けができるのではないかと思っています。



「その人に合った英語の授業」の提供には、生徒がどのような人なのかを知ることがポイントだという。
会話の受け答えの瞬発力を鍛えるための教材も自作する。英語の質問文をカードにまとめて、生徒の苦手な音を集中的に練習するフォニックスという発音カードと共に使用している。

(上)自作の質問カード と(下)発音カード

目標は「悩みも話せる英会話」

しかし、やはり早朝からの副業は大変なのではないだろうか。
「レベルの高い生徒さんが来たときは、ちょっと困ります」という悩みはあるものの、高野さんらしいポジティブな答えが返ってきた。

「自分が経験したことことをシェアすることで、生徒さんの役に立てることが一番のやりがいです。『英語のスイッチが入った』とか『朝から元気になった』と言ってもらえると嬉しいです。本業では会社の一員としての仕事ですが、英会話の副業は、自分が主体となって運営していかなければなりません。そこにもやりがいを感じます」

今後の目標は、マンツーマンだけでなく5人程のグループを教えて、全員に満足してもらえる授業をすること。
さらに、英会話での悩み相談・ライフコーチにも興味があるという。
「転職活動に疲れてしまった」という英語が堪能な参加者から英語で悩みを打ち明けられ、アドバイスをした経験がその理由だ。
留学先から帰国して転職活動をしていたが、うまくいかず苦労していたその人は高野さんと話すことで、2日目は初日よりも表情が生き生きとしていて、気持ちを切り替えることができたと言ってくれたそうだ。

「趣味や目標といった楽しい話だけでなく仕事やプライベートの悩みまで、英語を使って何でも話せるような講座にしていきたいです」と話す高野さんは、どんな話題も笑顔で受け止めてくれる、1日のはじまりに会いたくなる人だった。

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