「東京五輪で通訳したい」90歳のおばあちゃんがLINEで孫と英語レッスン!

カテゴリ:国内

  • 毎日1つ、孫が出題した英単語を使った英文を作って返信
  • 時々カンニングもするお茶目なおばあちゃん
  • おばあちゃん「100歳で英語ペラペラは格好いいだろうなと」

新しく覚えた英単語で短文作成

2020年7月24日開幕の東京五輪まで2年を切った平成最後の夏。

電車の混雑回避のためのテレワークや猛暑を懸念したサマータイム導入など、さまざまな課題への対策が検討される中、今年90歳を迎えるおばあちゃんが、五輪期間中に日本を訪れる外国人の通訳を目指して、英語を学んでいる。

その勉強法は、「孫に毎日1つ英単語をLINEで送ってもらい、その単語を使った英文を作成する」というもの。

やり取りの一部を孫の「おばあちゃん英語」(@Grandma_English)さん(30代女性)がツイッターに投稿しているのだが、おばあちゃんはとても熱心。

きっかけは今年1月頃、家族のLINEグループでほぼ毎日連絡を取り合うほど仲が良い父方の祖母から「東京オリンピックで通訳をやりたいから英語を教えてほしい」と頼まれたこと。それ以来、仕事の合間を縫ってたまにサボりながら英語のレッスンを続けているのだという。

90歳という年齢を感じさせない飽くなき向上心に励まされ、時折みられる勘違いにほっこりさせられる…おばあちゃんの勉強の軌跡をご覧いただきたい!

時々“カンニング”も…お茶目なおばあちゃん

おばあちゃん、それ「娘」です!

2人の英語レッスンは、「読む」ことよりも「話す」ことに重点を置いている。

孫は、英単語を(1)アルファベット表記のスペル(2)カタカナ表記の発音(3)日本語表記の意味  の3段階で解説してお題を出す。それに対して、おばあちゃんは外国人を相手に話すことを想定して、お題の英単語を使った文章を、日本語交じりのカタカナ表記の英文で作って返す。

この日の英単語は「peanuts ピーナッツ(落花生)」。
孫からの出題に、おばあちゃんは「私の息子は畑でピーナッツを収穫した  マイ ドータ イズ 畑でピーナッツ ゲット」と返信。

孫はそれを「My son harvested peanuts from the farm.」と正しい英文に直し、「harvest ハーベスト(収穫する)」「son サン(息子)」「daughter ドータ―(娘)」と新出単語の発音と意味を教えていく。

まさかのカンニング

両親と共に離れて暮らすおばあちゃんとは、月に数回顔を合わせる度に、口頭で復習をしているという。
「覚えられない単語はずっとうろ覚え」だということで、4月からは、LINE上でも日本語を英語に訳す復習テストを始めた。

第1問の「きゅうり」には、「アイライク キュウカンバ」と回答。
孫が「正解!」とほめると、「うれしい」と喜ぶおばあちゃん。笑顔の写真のアイコンも相まってかわいらしい。

しかし、続く第2問「なす」は分からなかったようで、「エッグブラント カンニング」と返信している。
まさかの不正行為に孫も笑ってしまったようだが、隠さず申告してくれた潔さと、何としてでも答えを導き出そうとする姿勢には感服である。

90歳とは思えない柔軟な発想

カンニングその2

実は、おばあちゃんのカンニングは一度ではなく、「お箸」を英語で答える問題にも「チョップスティックス カンニング」と答えている。
「どこでカンニングしてるの?」と聞いてみると、「父」と教えてくれた。
投稿者である孫の父親、つまりおばあちゃんの息子(ピーナッツを収穫していた人)であることが判明!

ギャグセンスも高い!

そして、第3問「しょうが」の英訳には「ペッパー」と答えたおばあちゃん。
それはコショウのことで、しょうがはジンジャーだと訂正されると、「そうでした!! ボケエッグブラント」と返している。

何のことかと思いきや、「ボケ+エッグブラント(なす)=ボケなす」ということのようだ。
日本語と英語が融合した新単語を生み出してしまうとは、さすがである。蓄積された知識と抜群のセンスが成せる技だ。

他にも、「朝食(breakfast)」を「ブラックファースト」とする惜しい答えも。
「暗い夜が明けて最初に食べる食事だから」という理由で、「ずーっとブラックファーストだと思って海外旅行していた」と勘違いしていたことがわかった。

この祖母と孫のやり取りに心動かされたユーザーからは、「90歳でLINEを使いこなしていることに驚き」「学びを忘れない人、尊敬する。こういう年の重ね方をしたい」「楽しく英語が学べているのがいいですね。お孫さんも素敵」といったコメントが寄せられ、投稿は8万を超える“いいね”、3万以上リツイートされる話題となっている(8日現在)。

仲睦まじい祖母と孫の英語レッスンはスタートから約8ヶ月が経過したが、現在どれくらいのレベルまで上達したのか?
孫の「おばあちゃん英語」さんを通して、おばあちゃん本人に話を聞くことができた。

「100歳で英語ペラペラは格好いいだろうな」

ーー90歳を前に英語を学ぼうと思ったきっかけは?

2020年の東京五輪で、英語を使って外国の人を案内したいけれど「もう遅いかな」と思っていたら、孫が「まだ間に合うよ」と言ってくれました。
それから、毎日英語を送ってくれています。孫は師匠で、私は弟子です。
戦争を生き抜いた私たちは100歳まで生きるといいますが、100歳で英語ペラペラは格好いいだろうなと。


ーーそれまでは英語に触れる機会がなかった?

海外旅行によく行くので、英語の勉強はずっとしたいと思っていたのですが、なかなか覚えられずいつも長続きしませんでした。
(これまでに訪れた国は、インド、ネパール、マレーシア、タイ、オーストラリア、ロシア、韓国、中国、イギリス、フランス、スペイン、イタリア、アメリカ、カナダなどたくさん!)

海外旅行では市場に買い物に行くのが好きで、買い物で値切りをするのは得意です。
値切りの交渉で使う英語の数字はある程度言えますが、あとはジェスチャーでやりとりしています。
中学校で美術の教師をしていた頃に、英語の先生に参考書をもらったこともあったのですが、それを見てもひとつも面白くないので挫折してしまいました。



ひょっとして、孫は英語教師なのだろうかと思いきや、「全くかけ離れた仕事をしています」とのこと。
洋楽が好きだったことから英語の勉強を始めたが、祖母とレッスンを始めるまで、誰かに英語を教えるなど考えたことはなかったそうだ。


ーーお孫さんとのレッスンはどうですか?

楽しいことばかりしかありません。
小さい頃、手間がかかるうちは「あれやって、これやって」とつながりが近いですが、ある程度育つと段々接点が少なくなっていくものです。
なので、こうやって毎日必ず孫と連絡を取り合えるのは、世の中のおばあちゃんという立場の人にとって、最高のものだと思います。

外国人と「世界」について話したい

今日のレッスン、まだかな?

ーー勉強する英単語の選定基準は?

私から単語のリクエストはしていません。師匠のご指導の元で勉強しています。
孫が私に身近なものを選んで出題してくれていて、最初は息子が家庭菜園で育てている野菜の名前を扱ったため、食べ物の単語が多くなっています。


ーー教えてもらった英語は、どのように復習している?

毎日忙しいので、復習はほとんどしていません。
外来語として日本語に入って来ている言葉は、大体すぐに覚えられます。
それ以外の単語は、すぐに覚えられる単語と全然覚えられない単語があるのですが、どういう違いがあるのかは自分では分かりません。
カンニングをしてしまうのは、どこからも取っ掛かりがない時です。
記憶のどこかに取っ掛かりがある時は、カンニングせずに答えていますが、どうにも分からない時は、息子夫婦と勉強会を開いてカンニングしています。

ーー道案内の他に、外国人と何を話したい?

話したいことはいっぱいあります。
どこの国から来たのか、どういう国なのか、いま地球が抱える問題やその国の問題など、いろいろです。
この前「ワールド」という単語を勉強しましたが、ワールドのことについて聞きたいです。

野菜の問題は連続正解!

“英語ペラペラの通訳”という目標に向かって日々レッスンに励むおばあちゃんだが、現在のレベルを聞くと、「本音から言うと、東京五輪までにペラペラになるなんて、できっこないと思っています」という答えが。
しかし、「ペラペラになれたらいいな、そうなりたい」という気持ちは強いのだという。

さらに、「そういう希望を持って生きているほうがずーっと日常が楽しいので、英語を勉強しています」と前向きな意気込みを話してくれた。
頑張れ、おばあちゃん!


画像:おばあちゃん英語(@Grandma_English)さんツイッターアカウントより

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