「俺が若い頃はさぁ~」おっさんの“先輩風”を見える化したら社内の空気が変わる!?

カテゴリ:国内

  • 「上司に武勇伝を聞かされた」ことがあるビジネスマンは64.4%
  • AIが会話のキーワード・内容・音声感情で“先輩風”レベルを検知
  • “先輩風”をユーモラスに浴びて、上司も部下も楽しい飲み会に

“風通しのいい”飲み会をつくる最強マシン

暑い夏は、キーンと冷えたビールがおいしい季節だ。
職場でも「暑気払いにみんなで飲みに行こう!」という機会が増えているかもしれない。

しかし、会社の飲み会は、気の置けない友人たちとのそれとは違う。
話題が仕事のことに及んだとき、上司や先輩の「俺が若い頃はもっとキツかったよ」「近頃の若者は甘えがある」といった“先輩風”を吹かせた発言は、誰もが聞いた経験があるだろう。


ビジネスマン800人を対象にした調査では、飲み会で「上司に武勇伝を聞かされた」ことがあると答えた人は64.4%、「上司の何度か聞いたことがある話でも初めて聞いたような反応をする」という人は66.5%にも上るという。
(ヤッホーブルーイング「上司と部下の飲み会実態調査」より)

そんな飲み会でのちょっと憂鬱な“先輩風”をAI解析による先端のテクノロジーで可視化したユニークなマシンが登場した。
それが、「先輩風壱号」だ!

赤いシートが張られた椅子の細見な背もたれから、左右に棒が伸びている。
先端に設置されているのは、小型扇風機6台だ。

この椅子型マシンは、上司・先輩専用の特別席。部下たちは上司を囲むようにして座るだけ。
会話が盛り上がる中、“先輩風”が繰り出されると、上司・先輩の発言をマイクで分析するマシンがそれを検知し、先輩風サインの強さに応じて、小型扇風機が弱風・中風・強風を放つという仕組み。

上司・先輩の「あれ、吹かせちゃってるかも?」という気付きを促し、先輩風が吹いたことをきっかけに、フラットで楽しい会話が楽しめるようになるというのだ。
同じ職場の先輩・後輩社員たちが、「先輩風壱号」を体験した動画があるので、その効果を確かめてみてほしい!

風の強さは3段階の「ポイント制」

開発したのは、「よなよなエール」などのクラフトビールを製造・販売するヤッホーブルーイング。
「先輩風壱号」がどのように先輩風を検知するかというと、解析する指数は次の3つ。

(1)先輩風ワード:先輩風を感じるキーワードを検出
(2)会話内容:先輩の発言内容から、頑固さ・興奮度・激しさなどのパーソナリティを測定
(3)音声感情:音声を波形解析し、声に込められた感情を測定

先輩風の強さレベルは、会話の中で蓄積されたポイントで決まる。

例えば、「俺の若い頃は」というワードは1ポイントで、「ヤバかった」は2ポイント、「バブル」は3ポイントだ。
それぞれ検出から15秒間が有効となっていて、「ヤバかった」発言の15秒以内に「ヤバかった」と言うと、ポイントが加算されて3ポイントとなる。

会話内容は60秒間解析され、「興奮度」などが感じられると、ポイントが2倍、つまり6ポイントに!
インジゲーターを見ると、6ポイント~8ポイントは中風レベルの先輩風となっていて、これが会話が途切れるまで続くのだという。
(ちなみに、先輩風レベル「平和」は無風)


意外にしっかり(?)したシステムだが、先輩風を見える化させるというアイディアは、どのようにして生まれたのか? 広報担当者に話を聞いた。

“先輩風”を本人ではなく部下たちに当てる理由

ーーなぜマシンを開発することに?

昨今、会社での飲み会に世の中は敏感になっています。
上司は部下を誘うとパワハラと思われてしまうのではと萎縮し、部下も飲みに行きたい気持ちはあっても“先輩風”を敬遠していたり。

クラフトビールが、従来の形式にとらわれず自由で様々なスタイルで楽しまれるように、上下関係のないフラットで自由な飲み会が広がれば、飲み会が抱える問題にポジティブにアプローチできるだけでなく、いい飲み会からいいチームづくりが実現できると考えています。
このビジネスマンの飲み会に対する深層心理に働きかけ、まじめに楽しく問題を解決すべく「先輩風壱号」を開発しました。

飲み会によってチームが活性化されると、コミュニケーションも円滑になります。
それが、仕事の成果にもつながるのではないかと思います。

ーー開発期間はどれくらい? 「壱号」の意味は?

プロジェクト自体は半年ほど前から始動していて、マシンが完成したのは構想から2カ月後です。
名前の意味は、開発担当によると「メカっぽさ」 「茶目っ気のあるロボっぽさ」 を表現した!とのことです。


ーー先輩風を吹かせる本人ではなく部下たちに風が当たるのはなぜ?

上司は、飲み会で自分がつい先輩風を吹かせるような発言をしていても気が付かないことが多く、部下は「吹かしてますよ」とは遠回しにでも言えないものです。
「口に出しづらいなら視覚的に認識してもらおう」ということで風を起こすマシンになりました。
部下が風を受けることにより、普段は隠していた困った顔を堂々と見せることができます。
「先輩風壱号」は、伝えたいけれど伝わらない部下の気持ちを角を立てず、ユーモアを交えて場を和ませつつ代弁してくれます。

また、搭載されたAIは会話の占有量も測っているので、上司が話し過ぎているとポイントが2倍になり、風が強くなります。
強風を受ける部下たちを見て、上司が会話を中断してくれる効果も期待されます。

部下も笑顔に「教えようとしてくれている風は気持ちいい」

体験者たちからは、以下のような感想が寄せられている。

【上司の立場】

「歳が離れているとなかなか話題が合わず、自分も若い頃に先輩風を吹かされ、昔話をされたときにはしんどい思いをした経験がある。先輩風が吹くと、自分も会話を中断するので、わかりやすい仕掛けだと思った」

「話を長く続ける、場を独断してしまうのは先輩風だなと気づき、そういう点は反省したい。一方的に話すのではなく、会話形式で話すのが必要」


【部下の立場】

「私は自分から話すタイプではないので、むしろ先輩から話してもらえるのはありがたい。自分のことを思って言ってくれている、教えようとしてくれている風は『気持ちいい風』として感じられた。そういう風は吹かせてほしい」

「自分の知識以外の情報や自分の自信のなさを肯定してくれるような風だったらむしろありがたい。フランクながらも(飲み会では)年の功的な話もあったりするのが理想」



世代の違う職場の同僚たちとの飲み会で、先輩風ばっかりはちょっと…と思うが、もちろん勉強になることもあるというのが部下の本音のようだ。
この椅子に座ってくれる時点で度量のある上司のような気もするが、「先輩風壱号」の吹かす先輩風が、若手の追い風になってチームの風通しを良くし団結力が高まるようなら、意外と今の世の中にあったコミュニケーションツールになるかもしれない。

「先輩風壱号」は、8月3日(金)〜17日(金)の間、よなよなエール公式ビアレストラン「YONA YONA BEER WORKS」赤坂店で体験することができる。
 1日5組の予約制で、3日は満席だが、それ以降はまだ空きがあるという。(3日15時現在)

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