無断でSNSへの拡散防止…神社の「絵馬」に個人情報保護シール

カテゴリ:国内

  • 他人の絵馬を勝手に撮影してSNS投稿
  • 京都・下鴨神社では平成16年頃から保護シールを導入していた
  • シールで神様も見られない?「問題ございません」

絵馬に書かれた個人情報ごと拡散

お盆休みに観光や帰省で寺社仏閣を参拝する人もいると思うが、お願いごとをお賽銭を入れて手を合わせるだけでなく、実際に願いを書きこむ「絵馬」を利用することもあるだろう。

境内に奉納された絵馬には、受験の合格祈願や好きな人への想いなど、様々な熱い願いが書かれていて、参拝した際についつい読んでしまうこともある。
しかし、SNS社会となった現代においては少し事情が変わってくる。

他人の絵馬を撮影した参拝客が、面白がって好き勝手にコメントをつけて、無断でSNS上に投稿する。顔も知らない誰かに、ネット上で晒し者にされるという事態が起こっているという。
しかも、絵馬の性質上、願い事だけでなく名前などの個人情報が記載されていることも多いのだ。

そんな事態を受け、世界遺産にも登録されている京都の下鴨神社(賀茂御祖神社)では、絵馬に貼る個人情報保護シールを用意しているという。自分が書いた願い事や個人情報を、覆い隠すように貼り付けるシールで、SNS上での拡散を防ぐとしている。

この保護シールの参拝客からの反応や、SNS普及の弊害をどう考えているのか、など下鴨神社に聞いてみた。

「情報を正確に書くことができる安心感がある」

下鴨神社(賀茂御祖神社)

ーーなぜ絵馬に個人情報保護シールを貼ろうと?貼り出したのはいつから?

実際にシールを貼り出したのは、平成16年頃からであったと思います。その頃から様々なSNSで、個人が情報を発信できる時代になってきたと思いますが、面白い内容の絵馬などを、一般の参拝者が撮影して、投稿するようなことが流行り出していましたので、シールを貼ると言う対応を考えました。


ーー神社として、絵馬に個人情報保護シールを貼り出したのは下鴨神社が初めて?シールは有料?

初めてかどうかは実際分かりませんが、だいぶ早い段階での対応であったのではないかと思います。シールは無料です。貼りたい方のみお取りいただくようになっています。

絵馬は大体横が14cm、縦が7~8cmぐらいです。シールはその一回り小さいサイズですので、お書きいただいた内容が全て隠れるようになっています。

ーー参拝客からの反応は?

シールがあることで、ご自身の思いや、情報を正確に絵馬に書くことができるとの、安心感があるようです。強制ではないので、貼りたい方が貼られています。

シールで神様も見られない?「問題ございません」

下鴨神社の「えんむすび祈願」絵馬

ーーシールを貼ってしまったら、神様も願い事が見られないのでは?

祈願者は、その思いを絵馬に込められて記入されます。ですので、その強い思いをお聞きになられるので、問題はございません。


ーー絵馬にはどれくらいの個人情報を書かなくてはならない?

基本的には全て書いていただくことが一番良いと思います。
元々、本当の馬を神前に捧げて、ご祈祷をするものでした。それが簡略化したものが、絵馬です。ですので、一番丁寧なのが、全ての情報を記入すると言うことです。ただ、個人情報のこともありますので、書きたくないものは省略していただければと思います。


ーー願い事を書いた絵馬を、家に持ち帰った場合、効果は?

上記でも申し上げましたが、絵馬は神前に捧げるものですので、家の神棚に置かれるなら、神棚にお祀りしているご祭神に対して祈願されれば良いのではないかと思います。


ーー絵馬以外で、SNSの普及により起こっている懸念点などは?

SNSの普及により様々な情報がメディアを通さずに広がっています。
現在はそのSNSの反響によりメディアがその情報を拾い、メディアで取り上げられるという、これまでとは違う情報発信のシステムが出来上がって来ているのだと感じます。良くも悪くも、反響は瞬く間に広がっていく、そのことに対して懸念を感じております。


元来、絵馬に関わらず願い事は、他人にとやかく言われるものではないため、個人が思い思いに好きな願い事をするのが当たり前だ。個人情報を保護するシールなど対策も必要な時代かもしれないが、ネットリテラシーを高めることが先ではないだろうか。