疑惑の“奈良判定”に巻き込まれた現役審判員が今の胸中を生激白!

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カテゴリ:国内

  • 山根会長は“絶対的な存在” 「自身のジャッジとしての資質や能力に悩んだ」
  • 世界で勝てる選手を育てた山根会長を尊敬も「今の体制に危機感」
  • 「奈良県の選手にふつうに勝ってほしい」審判の尊厳

アマチュアボクシング界で“絶対的権力”を持つとされる日本ボクシング連盟の山根明会長。
関係者333人によって出された告発状によると、山根会長の権力が影響しているとされるのが“奈良判定”と呼ばれるものだ。

山根会長と深いつながりのある奈良県の選手を優遇し、奈良県の選手が劣勢であろうとも試合の結果が覆る“奈良判定”
疑惑の判定は、8月1日から開催されるインターハイでも起こるのだろうか?

「直撃LIVEグッディ!」では、“奈良判定”に巻き込まれた現役審判員が緊急生出演。当時の状況と、今の思いを伺った。

安藤優子:
鈴木さん(仮名)が疑惑の判定だと思われた試合は、どういう状況だったんでしょうか?

現役審判員・鈴木さん(仮名):
(2015年インターハイの)決勝戦だったと思うんですが、前日に東京の選手と奈良の選手の試合がありまして、東京の選手が勝っていたような試合で奈良の選手が勝ったということで、会場が少しざわついていました
奈良の選手と宮崎の選手が決勝戦でやるにあたって、宮崎の選手は(奈良の選手を)倒さないと勝てないということで、倒しにいくようなボクシングをしていました。
採点基準というものがあるんですが、私もそれに従って評価をしたんですが、試合結果が奈良の選手の勝ち、にあがってしまって、私もびっくりしたということです

大村正樹フィールドキャスター:
鈴木さんが審判をされた試合は、2015年のインターハイ決勝の試合です。

「困惑」の判定内容…接戦になると“忖度”

【判定内容】

・鈴木さん(仮名)は宮崎の選手に30ポイント、奈良の選手に27ポイントを入れた
・審判員B、審判員Cが奈良にポイントを多くつけたため、2-1で奈良の選手の勝利となった


大村:
鈴木さんは、「自身のジャッジとしての資質や能力に悩んだ。今でも他のジャッジが不正を働いたのではないかと困惑している」という感想をお持ちです。

鈴木さん(仮名):
おそらく会場の誰が見ても宮崎の選手が勝ったと感じる試合だったと思います。

安藤:
こういうことは以前もあったんでしょうか?
いわゆる“奈良判定”と言われていますが。

鈴木さん(仮名):
“奈良判定”という言葉はよく使われるんですが、接戦した時に“忖度”じゃないんですけど、接戦して悩んだ時に奈良につけるような形はよくあるのではないかと思っています。

安藤:
それはいつ頃からなんでしょうか?

鈴木さん(仮名):
やはり山根会長が日本連盟の会長になってからだと思います。

“絶対的な存在” 山根会長を尊敬も「今の体制に危機感」

安藤:
レフェリーの間では、山根会長の存在はどんなふうに感じられているんですか?

鈴木さん(仮名):
やはり“絶対的な存在”です。

安藤:
逆らうことはありえない?

鈴木さん(仮名):
ありえないです。

安藤:
審判の方たちも山根会長の意向を“忖度”しなければならないという空気なんでしょうか。

鈴木さん(仮名):
はい。その通りです。

安藤:
“忖度”しなかったらどうなるんですか?

鈴木さん(仮名):
全国大会に呼ばれなくなったりしますね

安藤:
鈴木さんご自身も、山根会長の存在っていうのは怖いですか?

鈴木さん(仮名):
私自身は、山根会長を尊敬しているところもあります。

安藤:
例えばどういうところですか?

鈴木さん(仮名):
山根会長になって、世界で選手が勝てるようになったところもありますし。1対1で話す時は人情的なところもあり、嫌いにはなれない人です。


山根会長は、絶対的な存在で逆らうことはできないが、尊敬できる部分もあり嫌いにはなれないと語る現役審判員の鈴木さん(仮名)。
そのことについて、スポーツライターの小林信也さんが切り込む。


小林信也氏(スポーツライター):
尊敬してらっしゃるとおっしゃいましたよね。今回333人の方が声をあげたこと、僕らはとんでもない話だと思っているんですが…
鈴木さんは率直に言って、山根会長はこれからも会長を続けた方がいいと思いますか?

鈴木さん(仮名):
私はボクシングの存続ということに、今の体制では危機感を感じました。国体の隔年開催、全国高体連との確執、そのようなことを踏まえまして、このままではやはりボクシングの普及や次世代の子供たちに対してボクシングが続いていくことはできないんじゃないかという危機感から、再興の会に参加をしました。

安藤:
なるほど。鈴木さんも危機感を感じてらっしゃると思うんですが、やはり最大の犠牲者は一生懸命、競技をやっている選手だと思うんですよ。
疑惑の判定で勝った選手もとんでもなく嫌な思いをしていると思うんですね。このあたりはどう思われますか?

鈴木さん(仮名):
私が告発したような試合ではやはりそのように感じます。
勝ってこの選手は嬉しいんだろうかとか、負けた選手がかわいそうだなとか。
あとはこういった判定が出るとボクシングファンが少なくなったり…周りの方はボクシングのことをよく分かっているので。
なんていうか、審判の中の体制のことがどう見られているんだろうかっていうことにも、不安を持っていました。

安藤:
審判として、みなさん誇りをお持ちだと思うんですよね。
でもそういう疑惑をもたれるような判定をしなければいけないという状況、これについてはどう思われますか?

鈴木さん(仮名):
奈良県の関係する試合のレフェリーやジャッジには入りたくない。
もし入ったならば、奈良県の選手に(“奈良判定”なんかじゃなく)ふつうに勝ってほしいという思いはいつも持っています。

安藤:
そうですよね。審判の中でも、葛藤があったことと思います。

選手だけでなく審判にも「尊厳」がある

小林氏:
レフェリーの方って、報酬を得るわけでもないんですよ、アマチュアですから。通常いろんな競技でも、だいたい交通費と言われるものが出る程度。
それはご自身の競技に対する情熱、お仕事とは別に、ライフワークというんですかね。だからこそ、そこには尊厳があるんですよ。
その尊厳を会長の意図で曲げられる。じゃあ何のために色んなことを犠牲にしてレフェリーをやっているのか?
おそらく選手もやりたくなくなるでしょうけど、審判も何のためにやっているんだってなりますよね。

安藤:
そうですね。競技に対する愛情をズタズタに切られた感じなのかもしれないですね。

高橋克実:
そうだと思いますよ。みんな時間を作って、好きで参加しているわけじゃないですか。
一番疑問なのは、山根会長が奈良を勝たせるって、それによって何のメリットがあるのか?
そういうことによって自分に力があるというのを見せつけるだけなのか…山根会長の目的がわからないですよね。

安藤:
おっしゃる通りですよね。

 
最後に、現役審判員である鈴木さん(仮名)に伺った。

安藤:
ここで立ち上がらなかったら、ボクシングが東京オリンピックの競技から外れるかもしれない。
危機的な状況にあるように思うんですが、それについてはどう思われますか?

鈴木さん(仮名):
それが、わたしとしてもすごくショックで…
この再興の会ができて、組織を変えるのは今しかないという気持ちで、こちらに参加をしました。

安藤:
その思いが通じて、形になってほしいと、私たちも切に思います。



(「直撃LIVE!グッディ」8月1日放送分より)

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