トランプ大統領「金委員長に感謝」も、東京五輪スポーツ用品の制裁維持

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  • 朝鮮戦争遺骨返還にトランプ米大統領が謝意
  • 東京オリンピック用スポーツ用品の制裁例外を米は認めず
  • 北朝鮮・朝鮮労働党「核なくば死である」

休戦協定から65年、祖国に帰る“米兵”

米空軍のC-17型輸送機

朝鮮戦争の休戦協定締結から65年経った27日、北朝鮮に残された朝鮮戦争の遺骨をのせた米空軍C-17型輸送機が、北朝鮮東部の元山から、韓国・ソウル郊外の米空軍烏山基地に到着し、遺骨が納められたとされる木箱が運び出された。

遺骨が納められたとされる木箱

青い国連旗に包まれているのは、これらの兵士が国連軍として戦ったからだ。遺骨の返還は、6月の米朝首脳会談での合意に基づくもので、トランプ大統領はツイッターに「ありがとう」と金正恩委員長への感謝の言葉を書き込み、27日の会見ではさらに、金正恩委員長が約束を守ってくれたことへの謝意を示したいとして感謝の言葉を述べた。

朝鮮戦争で行方不明もしくは、死亡した米兵は約5300人と推定されており、トランプ大統領は残る遺骨についても、金正恩委員長が「約束どおり捜索するだろう」と述べた。

北朝鮮は核分裂物質を生産している

では、米朝関係の雰囲気は、さらに改善し、北朝鮮が望むような終戦宣言や経済制裁の緩和に繋がるのだろうか。経済制裁緩和の前提になるのは、恐らくは、トランプ大統領と金正恩委員長が合意した「非核化」だ。非核化は進んでいるのだろうか。

米政府系のRFA(自由アジアラジオ 7月25日付)は、北朝鮮の朝鮮労働党が7月初めに地方組織のために開いた党中央委員会の政策説明のための会合で「核は前の指導者の貴重な遺産であり、核なくば、死である」と説明された、と報じた。

ポンぺオ米国務長官

さらに、ポンぺオ米国務長官は、7月25日の米上院外交委員会の公聴会で、「北朝鮮は核分裂性物質を生産し続けているのか」と尋ねられて、
「その通りだ.。(北朝鮮は)核兵器の物質の生産を続けている」と答えた。

北朝鮮と東京五輪

遺骨返還が醸し出す雰囲気の中、米国のトランプ政権は、北朝鮮に対する姿勢を変えるのだろうか。韓国政府は、離散家族面会所の補修や南北通信線の復旧工事のための燃料や資材、それに車両などの移動に関して、国連安全保障理事会から制裁の例外を認められた。

2020年にやってくる東京オリンピック・パラリンピック。北朝鮮も参加前提に動いているのだろう。こんなことがあった。

IOC・バッハ会長と握手する金正恩委員長

IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長は7月3日、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会に宛てた書簡にて、北朝鮮の選手が2020年の東京オリンピックで使用するスポーツ用品の輸出を例外的に認めるよう求めた。

しかし、国連関係者によると米国は25日、この求めに異論を唱え阻止したという。米当局は、FNNの取材に対し、制裁委員会の協議内容は機密事項のためコメントしない、としながらも、「北朝鮮の非核化まで制裁の完全履行を継続する」と強調した。

トランプ政権は、金正恩委員長個人に握手を求めながらも、制裁という厳しい手は緩めようとしない。硬軟両様で交渉するというのが、トランプ政権のやり方かもしれない。

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