【動画】夢の舞台へ ≪よさこい≫が結ぶ高知とポーランドの絆

カテゴリ:ワールド

  • ワルシャワでは毎年初夏「日本祭り」が開催され、2万人が集まる
  • 国際チーム「桜舞ポーランド」が、今年”高知よさこい祭り”にやって来る
  • ポーランド人に親日家が多いのには、歴史的背景があった

日本文化は「心に響く」

毎年初夏にワルシャワの中心部で行われる「日本祭り」。日本食の屋台が並び、剣道教室や浴衣コンテストなどの催しがおこなわれ、多くのポーランド人が集まる。今年で6回目だが、年々その人気は上がっており、ここ数年は2万人規模が集まる巨大イベントだ。大勢のポーランド人が日本文化に関心をもっている。

「月やあらぬ 春や昔の春ならぬ わが身ひとつはもとの身にして」
浴衣を着た若いポーランド人女性にマイクを差し出したところ、突然、和歌を詠み始めて虚を突かれた思いがした。伊勢物語に収められたものだそうだ。

 和歌を披露してくれた女性の名はカロリーナさん(20)。ワルシャワ大学の日本学科の学生で、和歌や俳句に魅了されたという。「フォーマットはシンプルなのに、深い世界がある。その世界を想像するのが好きだ」と魅力を語る。そして日本文化は「心に響くものだ」という。

「桜舞ポーランド」が高知よさこい祭りへ

よさこい踊りの国際チーム「桜舞ポーランド」

この日本祭りのメインステージで見事な踊りを披露するチームがいた。

「桜舞ポーランド」。ポーランド人や現地に住む日本人などで2012年に結成されたよさこい踊りの国際チームだ。実は彼らは、この夏、高知の本物のよさこい祭りに参加する計画をたてている。

しかし、日本に行くメンバーは50人を超える。宿泊先の確保に加え、よさこい踊りの重要な舞台装置である「地方車(じがたしゃ)」と呼ばれる大型車両の確保や装飾など様々な課題があった。

そこで高知の若者有志が支援に乗り出した。ホームステイ先を確保し、地方車の製作を行う。呼びかけ人の溝渕大記さんは「暑い高知に踊りにやってくる。みなさんを全力で支援したい」と話した。

高知からの支援に対して「桜舞ポーランド」のカーシャ・プオシャイさんは「本当にありがとうございます。高知で踊るのは自分の夢だった。よさこいが生まれた場所で本当のスピリットを感じたい」と感謝の気持ちを述べた。

同じく「桜舞」のメンバーで、ポーランドで育った松本圭司さんは「支援してくださった人たちと高知でいろんな話をしたい」と目を輝かせていた。

親日感情が強いポーランド人の歴史

ポーランドからシベリアへ送られ困窮した孤児たちを救った日本赤十字社

歴史的にポーランドは、ロシアやドイツといった大国に囲まれ分割統治や国家消滅など苦難の道を歩んできた。

ロシアにより流刑処分となるなど多くのポーランド人がシベリアに送られた。その地で親を失った孤児たちが困窮にあえいでいたところを日本赤十字社が救い、日本を経由し祖国に送り返した。ポーランド人の親日的感情の歴史的背景としては、この孤児救出作戦や日露戦争での勝利があるとされる。

 ワルシャワ大学の日本研究の第一人者エヴァ・パワシュ・ルトコフスカ教授は「当初、ポーランド人は日本人の集団を大切にする気持ちや武士道精神に敬意を持った」と話す。もちろん時代と共に親日的感情の背景も変化し、今の若者たちは日本のサブカルチャーが興味の入り口となっている。しかしルトコフスカ教授は「最初は漫画やアニメに興味をもった学生たちも、より深く日本文化を学び始める。日本人と付き合いたくなり、そのために考え方や作法を知ろうとする」と話す。

桜舞ポーランドのメンバーも、いよいよ高知にむけて出発する。真夏の南国高知で新しい出会いが生まれ、ポーランドと日本の新しい世代ならではの友情が結ばれることだろう。

(取材・動画編集・ナレーション:FNNロンドン支局長 立石修)

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