セミの抜け殻で作った“ダークヒーロー”降臨…作者に聞いた「キモいが9割」

カテゴリ:国内

  • 見た人の9割が「キモい」と言う体長約20cmの人型模型
  • 抜け殻はすべて高校内で調達「あぁ、またあいつか」と温かい目
  • 最強だけど弱点もある…“セミ感”が増したこだわりの後姿も公開!

昆虫界最強の“キング”誕生

連日の酷暑の中も元気な鳴き声を轟かせている夏の風物詩、セミ。
そのセミが、長い地中生活から成虫になる過程で脱ぎ去る“抜け殻”を使って、1体の模型が生み出された。

完成度が高すぎるとツイッターで話題のその姿をご覧あれ!



「大地を蹂躙し、昆虫界での弱肉強食の頂点に立ちます」

大きく盛り上がった逞しい肩と腕、無駄のない美しい筋肉が配置された胸部、その上にある精悍な顔立ち、捕えたものは逃がさないと言わんばかりの鋭い指先。
甲冑をまとった武士のような勇ましさと、ラスボスのようなダークな雰囲気の相反するオーラが全身から放たれている。
セミの抜け殻が持つ暗褐色のツヤと模様、独特の形状など、余すことなく全身に活用した作品である。セミの抜け殻も喜んでいるに違いない。

この投稿に多くのユーザーが反応。
「強いし悪そう、最高」「これが本当の“ムシキング”ってやつですか」「虫の怨念が集合した魔神のよう」「昆虫を使っているのに1匹も殺していないのがすごい」といったコメントが寄せられ、15万を超える“いいね”を獲得している(24日現在)。


しかし、見るほどに「かっこいい」と同時に「気持ち悪い」という感情が湧き上がってくる。
なぜ、この“キモかっこいい”模型を作ったのか?そして、その身体にどれほどのセミの抜け殻を宿しているのか?
作者の宇宙船のリンク(@ride_hero_)さんに聞いた。

抜け殻はすべて高校内で調達「…またあいつか」

宇宙船のリンクさんは現在、大学1年生。この模型を制作したのは、昨年、美術系の高校に通っていた時のことだという。


ーーなぜセミの抜け殻で模型を作ろうと思った?

夏のAO入試も夏休みも終わって、学校で暇だったんです。
そんなある日、廊下に落ちていたセミの抜け殻を踏んでしまって…「もったいないことをした。これで何か作れないかな」と思ったのがきっかけです。


ーーどこで抜け殻を集め、どうやって人型に組み合わせたのか?

材料となるセミの抜け殻は、全て高校で調達しました。
同級生や後輩にめちゃくちゃ見られましたが、次第に「あぁ、またあいつか」と温かい目で見守ってくれるようになりました。
道具は、ピンセットと木工用ボンドです。セミの抜け殻を使いたい形に手でちぎって、切り貼りしました。

完成後、学校の展示会に出品するため「棒立ちは面白くないな」と思い、腕をちぎって接合し直し、ポーズを変えました。
虫ならではの「体を大きく見せる」威嚇のポーズを意識しています。



体長20cmほどの人型模型に使用したセミの抜け殻の数は、なんと300個
学校の休み時間や放課後に作業を進め、2週間ほどで完成したという。
「割と集中していたので、あっという間でした。好きなことをしてるので楽しかったですよ」と言う。

「ダークヒーローです」

両腕を大きく広げて臨戦態勢

ーー彼に名前はある?

暇つぶしに作ったので、名前は特にないです。
モデルとして挙げるなら、FGOというゲームの「山の翁」というキャラを思い浮かべながら作りました。


ーー正義の味方なのか、ラスボスなのか? 弱点は?

作った時には考えていませんでしたが、ダークヒーローです。
セミの抜け殻なので燃えやすく、火に弱くて、細い腰も弱いです。すぐ粉々になります(笑)
好物は、カマキリとか食べてそうですね。自分で作ったキャラなので、強くあってほしいです!

ーー事前に設計を考えてから作り始めた?

設計図などは全く用意してないです。
取りあえず2、3個拾って来て、ちぎったり引っ付けたりして、どんなものが作れるのか試作しました。

試作品。小さなパーツだけでも生き物のようだ。

抜け殻の造形美を活かして…今年のテーマは?

ーー作るのが難しかったのはどの部分?

セミの抜け殻が、割れたり折れたりするのにイライラすることもありました(笑)
苦労したのは下半身ですね。上半身を作るのが楽しくて楽しくて、足を作る頃には飽きてしまって…そこそこ手抜きになっています。


ーー胸部の小さな穴は何?

胸や目元にある小さな穴は、セミの抜け殻の足があった部分です。足がうまくちぎれると穴ができます。
セミの抜け殻そのものが、かなり良い造形をしているので生かしたいと思いました。
胸あたりのボディもですが、実は背中にもこだわっています!

正面よりも“セミ感”が増したバックショット

強く握ると簡単に崩れてしまうセミの抜け殻だが、どのように保管しているのか?
「粉っぽいなーと思ったので、プラモデルなどに使うツヤ消しスプレーを振りかけています。それがコーティングになって、今も風化していませんよ」と教えてくれた。
ちなみに、手触りは「焼いた海老の殻のような、木のような、不思議な感じ」だという。

見た人の9割は「キモイ」と感想をもらすというダークヒーロー。
作者自身も同意見だというが、多くの声援を受けて、第2弾を作ると宣言している。作品のテーマを聞くと、ヒントを教えてくれた。
「今年は怪獣を作ってみたいです。あとは、少しスリムな人型ですね(笑)」

夏休みの自由研究の題材にもぴったりなセミの抜け殻アート。
あなたもダークヒーローを超える作品作りにチャレンジしてみては? 新たなキャラクターの登場により、昆虫界最強の称号を懸けた戦いがはじまりそうだ。



(画像提供:宇宙船のリンクさん)