人間よりも暑さに弱い…ペットの熱中症防ぐためには?【“危険な暑さ”警戒】

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  • 鼻の短い種類の犬や猫は、より注意が必要
  • 真夏のアスファルト、ペットは50度近い熱を感じている  
  • 耳や足など毛の薄い場所を触って、危険なサインに気づいてほしい

連日続く猛暑。 22日までの1週間で熱中症による救急搬送者数が、過去最多の2万2000人を超えるなど、災害レベルの暑さとなっている。

人間の熱中症予防はもちろん大切だが、忘れてはいけないのが、家族の一員であるペットの健康だ。人間もグッタリしてしまう暑さに、大切なペットたちはもっとダメージを受けている可能性がある。
犬や猫の熱中症対策について、東京都渋谷区にある、日本動物医療センターの獣医師にお話を聞いた。

鼻の短い種類の犬や猫は、より注意が必要

――犬や猫が熱中症にかかると、どういった症状が出る?

軽めの症状としてはハァハァと呼吸が荒くなり、中程度~重症になると、吐いたり下痢をしたりの症状が現れることがあります。
それ以上進んでしまうと、腎不全や呼吸器不全を起こし、最悪死に至ることもあります。
しかし、すべて段階的に症状が進むわけではないので、たとえば吐くといった症状が出ないといったこともあります。


――熱中症のサインは飼い主も気付ける?

体に触ってみて「普段より熱い」と感じたら熱中症を疑ってください。
耳や足など、毛の薄い場所がわかりやすいです。

――犬と猫、どっちがより熱中症になりやすい?

猫は犬のように舌を出して体温調節ができないので、熱の放出は苦手ですが、涼しい場所を探して移動するなど、犬よりも自分で暑さから逃れる手段をとる傾向があります。
犬は暑さの中でも活動してしまう傾向にあるので、より飼い主がケアしてあげるといいと思います。



肉球以外から汗をかけないため、体温調節が人間よりも苦手な犬や猫。
犬は舌を出して呼吸することで体の中の熱い空気を放出しているが、気温が高すぎると熱がうまく放出できず、体温調節がうまくいかないという。
また、鼻の長い犬や猫は鼻の中で冷やした空気を取り込むことができるが、たとえば犬はブルドック、猫はペルシャなどの鼻の短い種類はそれができず熱中症になりやすいため、より注意が必要なのだ。

「気温が何度になると熱中症になる」ということは、ペットの体調や種類に大きく左右されるため一概には言えないが、触ってチェックすることで異変に気付くことができるという。

"鼻ぺちゃ"のペットは特に気をつけて

ペットは50度近い熱を感じている

最近の強すぎる日差しの中を散歩しているペットを見かけると「大丈夫?」と心配になってしまう人も多いだろう。
では実際、ペットたちにとってこの暑さはどれくらいのダメージになっているのだろうか。


――犬や猫はどのくらいの暑さを感じている?

夏場、直射日光の当たるアスファルトは60度近くになるとも言われていますが、たとえば人間が30度の暑さを感じているとして、地面が60度だった場合、ペットは40~50度の暑さを感じていると言ってもいいと思います。
日中の暑さでは、肉球をやけどする可能性もあります。


ペットたちは、屋外では人間の感じる暑さ+10~20度の暑さを感じている可能性があるという。
さらに「散歩に行く犬の場合、体高の低い小型犬は地面からの熱を受けやすく、大型犬は体積あたりの表面積が少ないために熱を放散しにくく、環境によっては人が想像するよりも熱の影響を受けている可能性がある」という。



――そもそもこの暑さの中、ペットを外に出しても大丈夫?

屋外で飼っているペットに関しては、日差しが避けられる場所・風通しのよさ・いつでも補給できる水分が確保されていて、気温がそれほど上がらない場所であれば、必ず家の中に入れなくてはならない、というものではありません。

たくさん運動させないとストレスになる大型犬や、外でしかトイレをしない習慣がある犬以外は、散歩に出すのはマストではないと思います。
散歩に出すときは、比較的気温の低い早朝や夕方以降にし、土や草の上を歩かせる方が安心でしょう。
特に短頭種(鼻が短い種類)では日かげを通ったり、首に保冷剤を巻くなどしてあげてください。



屋外で飼っているペットは、必ず暑さからの「逃げ場」を作ってあげることが大事だという。
また、外に出るときは日中を避けるだけでなく、ペット用のカートを使ったり、直接熱い地面に触れないようにペット用の靴を履かせるのもひとつの手段だという。

室内飼いの場合 外出時は「26度ほどのエアコン」

水分をしっかり摂るのが大切

――では、室内飼いのペットで気を付けたいことは?

やはり日差しを避けられる場所を作り、風通しのよい環境を作ってあげてください。
人間が留守にする時は、防犯の問題などもありますので、クーラーをつけてあげるといいかと思います。


数時間クーラーをつけなかっただけで熱中症になってしまったケースもあるという。
部屋にペットだけを残して外出する際は、26度ほどに設定したクーラーをつけっぱなしにしてほしい。
冷気は下にたまるため、直接風の当たらない場所に毛布などを置いておくと、冷えて体調を崩してしまうリスクが減らせるという。
また、風があれば良いイメージもあるが、扇風機だけでは不十分な場合もあるため、やはりクーラーをつけておくのが良いとのことだ。


――人間は熱中症予防にスポーツドリンクを飲んだりするが、ペットにも有効?

人間用の飲み物は糖分などを多く含んでいるため、動物にはあまり飲ませない方がいいです。
全く食事をとらなくなってしまったペットが飲むなどの場合は、必ずしもNGというわけではありませんが、基本的には新鮮な水を与えてください。

自宅でできる応急処置

では、気をつけていても大事なペットが熱中症になってしまった時はどうすればいいのだろうか。


――熱中症になってしまったらどうすればいい?

必ず病院に連れて行ってください。
病院に連れていくまでの応急処置としては、首やわきの下・太ももの付け根など、大きな血管のある場所に保冷剤を当てるなどして冷やしてください。
ただ、これだけでは深部体温を十分に下げられない可能性があるため、極力、迅速に病院に連れて行き、診療を受けてください。



“危険な暑さ”が続いているが、飼い主が気を付けているからか、例年に比べてペットの熱中症が増えているということはないという。
人間と違い、自分から症状を言えないペットたち。
飼い主がいち早く異変に気付くこと、適切な対処をすることで、この暑さから守ってあげてほしい。

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