「日本一の海苔」を守るために下水道ができること

<SDGsのランナー>花島勲課長(佐賀市上下水道局下水プロジェクト推進部)

  • 佐賀の海苔は生産量日本一だが、放流水に疑念が出ていた。
  • 佐賀市の水道局が処理水をコントロールを始めた。
  • 汚泥を使った堆肥は評判がよく、ブランド野菜が誕生している。

放流水に海苔業者から反対の声

生産量日本一を誇る佐賀の海苔。有明海の佐賀県内の海苔生産枚数は年間20億枚を超え、売上高は200億円を上回る。

そんな大事な産業である海苔の養殖に密接にかかわるのが水の状態だ。

佐賀市上下水道局下水プロジェクト推進部・花島勲課長

中でも大きな影響を与える存在として注目されているのが、浄化センターから出る放流水。佐賀市上下水道局下水プロジェクト推進部の花島勲課長によると、2007年の市町村合併によってセンターで処理する汚水の量が増えることに対して、地元の漁業者から反対の声があがったという。

そこで、下水道局では、処理水に送る空気の量を変えて微生物の働きをコントロール。窒素やリンなどを多く含む、海苔の養殖に適した水を放流するようにした。

海苔養殖期である10~3月にかけては硝化の抑制をはかり、窒素の供給を促進する。一方、海苔休業期の4~9月にかけては硝化を促進し、窒素除去に努めている。

これらの取り組みは、水質汚濁を防止し水環境の保全をするという下水処理施設の使命を前提に行っているので、もちろん”清浄度”も法定基準をクリアしている。海苔業者からも「色付きが良くなり、育ち方も安定した」という声があったそうだ。

地域のバイオマスを活用

上下水道局で行なっているのは、水を綺麗にすることだけではない。

水から取り除いた汚泥を独自の製法で堆肥にする方法も導入。これが、農家に大人気に。この堆肥を使った「ブランド野菜」まで誕生している。

アスパラ農家の高橋恵子さん(58)は「化学肥料で作っている時はエグミがあったが、それが無くなって甘みに変わった」と感想を語った。

花島課長は「地域のバイオマスを活用して、地域の皆様から喜ばれる施設にもっともっとなっていけるように、努力していきたい」と意気込む。

地方自治体の担当者も、資源の可能性を探って走り続けている。

SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。2030年を年限とした17の国際目標がある。

SDGsをテーマとした日本初のレギュラー番組「フューチャーランナーズ~17の未来~ 」は毎週日曜17:25~17:30にフジテレビで放送中。それぞれのゴールとその先の未来に向かって、情熱を持って走り続けている人を取り上げている。

花島課長の取り組みなど、過去のオンエア動画はこちら
http://www.fujitv.co.jp/futurerunners/archive.html

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